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《櫻井ジャーナル》

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2016.11.29
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 シリアの要衝、アレッポの北部を政府軍が奪還、その東部も制圧しつつあるようだ。アメリカを後ろ盾とする侵略軍(アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュなど)が崩れ始めたのを見て住民も立ち上がったという。ロシア国防省によると、侵略軍が住民に対して毒ガスのイペリット(マスタードガス)を使った証拠があるという。

 その一方、国連はアレッポ東部を侵略軍の自治区に使用と提案してシリア政府から拒否され、アメリカのジョン・ケリー国務長官はロシア政府と接触してアレッポの侵略軍に対する包囲攻撃を止めさせようと画策していた。アレッポを政府軍が完全に抑えたなら、アメリカやサウジアラビアなどがバシャール・アル・アサド大統領を排除することは不可能だろう。

 バラク・オバマ大統領はアサドを排除すべきだとしていたが、アメリカの政府、軍隊、情報機関などにはアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュなどを危険だと考える人びともいた。例えば、2014年8月7日までDIA(国防情報局)の局長だったマイケル・フリン中将、15年2月17日まで国防長官だったチャック・ヘーゲル、15年9月25日まで統合参謀本部議長だったマーティン・デンプシー大将らだ。これは本ブログで何度も指摘してきた。

 デンプシーが議長の座から降りた5日後、ロシア軍はシリア政府の要請に基づいて空爆を開始、戦況を一変させてしまった。その後、アメリカ政府との交渉で紆余曲折はあったが、侵略軍は持ち直せなかった。

 そして今年9月17日、アメリカ軍主導の連合軍がシリア北東部の都市デリゾールでF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機を使ってシリア政府軍を空爆、80名以上と言われる兵士を殺害、多くを負傷させる。政府軍はダーイッシュに対する大規模な攻勢の準備をしていている最中で、援軍も到着していた。この出来事で米露両政府の対立は決定的になった。

 その2日後、支援物資を運んでいた国連の車列がアレッポで攻撃されて12名が死亡している。シリア軍が支配している地域から反政府軍の支配地へ入ったところだった。

 まず、アメリカ国務省はシリア軍のヘリコプターが攻撃したと主張する。国防総省はロシア軍のSu-24攻撃機が2時間以上にわたって空爆したとするが、Su-24はこれだけの時間、戦闘を継続することはできないと言われている。つまり、アメリカ政府が偽情報を発信していたことは明らかだ。

 この時、アメリカ側の主張を宣伝していた「人権団体」が「白いヘルメット」。この団体はイギリスで、元イギリス軍将校のジャームズ・ル・メシュリエによって創設された。この人物は傭兵会社のブラックウォーター(後にXe、さらにアカデミへ名称変更)で働いた経験がある。

 2016年4月27日にアメリカ国務省の副スポークスパーソンのマーク・トナーは、白ヘルがUSAIDから2300万ドル受け取っていることを認めている。USAIDはCIAの資金を流すパイプ役で、白ヘルはCIAから資金を供給されていることになる。そのほか、投機家で旧ソ連圏の制圧を目指しているジョージ・ソロス、さらにオランダやイギリスの外務省も資金を提供している。住民をこのグループが救援する様子とされる映像が事実に基づかない演出だったことも発覚している。

 デリゾールの攻撃から5日後、アレッポの攻撃から3日後の9月22日にジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長とアシュトン・カーター国防長官は上院軍事委員会に出席、その場でアレッポでの攻撃がロシア軍によるものだつする主張に裏付けがないことを認めている。

 また、飛行禁止空域の設定について、そうしたことを強行すればロシアやシリアと戦争しなければならなくなるだろうとダンフォードは語っているのだが、ジョン・マケイン上院議員は戦争にならない方法はあるだろうと反論している。アレッポの侵略軍を守るためにはリビアのように制空権をアメリカが握る必要があると考えたのだろう。ヒラリー・クリントンもマケインと同じで飛行禁止空域の設定を支持、つまりロシアやシリアとの戦争も辞さないという姿勢だった。

 しかし、この9月までに、「ユダヤ系」富豪の資金の流れはヒラリーからドナルド・トランプへ切り替わっていた可能性が高い。ロシアや中国と核戦争しようという狂気の戦略に支配層もついて行けなかったのだろう。





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最終更新日  2016.11.29 04:29:35



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