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《櫻井ジャーナル》

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2017.01.20
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ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の大規模な攻撃を受けていたデリゾールでロシア軍やシリア軍の航空兵力から支援を受けた政府軍の地上部隊が反撃に出ているようだ。

 アメリカ主導の連合軍はパルミラやイラクのモスルからダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力の戦闘員がデリゾールやパルミラへ移動するのを黙認しているようだが、それだけでなく、偵察衛星からの情報が反政府軍へ渡されている可能性が高いとシリア政府側は分析している。そのため、政府軍の位置を正確に把握した上で攻撃しているという。

 昨年9月17日、デリゾールで攻勢の準備を進めていたシリア政府軍をアメリカ主導の連合軍がF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺し、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊している。17日のケースでは、空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していると見られている。その作戦が今回の攻撃を実現させたと言えるだろう。

 ロシア系メディア(アラビア語のスプートニク)によると、その後、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部をシリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが9月20日に攻撃、約30名が殺したというが、その中にはアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間が含まれていたという。この司令部がデリゾールででの空爆を指揮したとも言われている。

 イランのメディアFARSによると、バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、そのうちマブロウカには少なくとも45名、アイン・イッサには100名以上、コバネには300名以上、タル・アブヤダには少なくとも200名だとされている。言うまでもなく、こうした派兵はシリア政府軍が承諾したものでなく、侵略行為にほかならない。

 アメリカが侵略軍にすぎないことをジョン・ケリー国務長官が認めたことは本ブログでもすでに書いた。シリア政府軍を攻撃している武装勢力をアメリカが訓練、その武装勢力がダーイッシュだということも長官は認めている。ダーイッシュを利用してアサド政権を脅し、アメリカとの交渉に応じさせようとしたことも隠していない。

 元々、アル・カイダは1980年代にアメリカ政府が作り上げた傭兵の登録リスト。その傭兵を中心に編成されるのがアル・カイダ系武装集団であり、そこからダーイッシュも派生した。その最大の資金源はサウジアラビアだ。

 2009年12月30日にアメリカの国務省が出した通信文でも、サウジアラビアの資金提供者が全世界に展開する「スンニ派テロリスト」への最も重要な資金源を構成していると指摘している。その当時に国務長官だったヒラリー・クリントンもこの事実を彼女も知っていたはずだ。

 トランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将がDIA局長だった2012年8月、DIAは反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとする報告書を作成している。

 つまり、アメリカの政府やメディアが言うところの「穏健派」などは存在しないということ。「穏健派」の支援とはサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力を支援することを意味し、その勢力はシリア東部にサラフ主義の支配地を作りあげるとDIAは予測していた。

 実際、ダーイッシュという形で現実になっている。退役後、この問題をアル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている。フリンは事実を語っただけだが、その事実を受け入れようとしない人が西側には少なくない。

 何しろその事実を受け入れた瞬間、アメリカはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュと敵対関係にあるというストーリーは崩れ、2001年9月11日の攻撃に関する公式見解も崩壊してしまい、自分たちが体制内に留まりながらリベラルや革新勢力を装うことはできなくなる。こうした人びとはネオコンの影響力が弱まることを内心では恐怖しているだろう。





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最終更新日  2017.01.20 03:52:53



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