27378813 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2017.02.01
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
民や難民が問題になっている。ドナルド・トランプ米大統領はそうした人びとのアメリカへの流入を規制しようとしているのだが、それをネオコンなど反トランプ派は「人権問題」だとして激しく批判、大統領の命令を無視したとして司法長官代理が解任される事態に発展した。これに対し、トランプ大統領はツイッターで、32万5000人のうち109名が引き留められて質問を受けただけであり、空港で生じた大きな問題の原因はデルタのコンピュータ、抗議活動、そしてシュマー上院議員の涙だとしている。

 バラク・オバマ政権の時代にはEUへ「難民」が殺到して大混乱になった。西側の有力メディアが大きく取り上げるようになったのは2015年9月。トルコ政府が難民のヨーロッパ行きを認めたことが引き金になったと言われている。その難民を生み出した最大の要因はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルといった国々が始めたリビアやシリアに対する侵略戦争だ。

 西側メディアは海岸に横たわる3歳の子どもの遺体の写った画像を利用して難民受け入れをEUに迫った。この子どもが乗っていた船が沈没、溺死して遺体が流れ着いたとされたが、身体の位置が海岸線と垂直の方向になっていることから誰かによって置かれたのではないかとも指摘されていた。後に子どもの父親が難民の密航を助ける仕事をしていたという話も出てくる。

 ユーゴスラビア攻撃の前、1990年代から西側の有力メディアはアメリカの侵略を正当化するために偽報道を続けてきた。イラク攻撃前の「大量破壊兵器」話は悪名高いが、それだけではない。嘘が発覚してもメディアは平然、その嘘が自分に心地良い人びとは知らぬ振りをしている。これは本ブログで繰り返し、書いてきたことである。

 中東/北アフリカからの違法難民の問題は2015年4月にECIPS(情報政策安全保障欧州センター)が警鐘を鳴らしていたが、西側の政府やメディアはそれを無視していた。それを急にメディアが取り上げるようになったのはなぜか?

 難民の中には戦闘訓練を受けたダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)の戦闘員が潜り込んでいるとする情報も流れていた。難民を送り出しているトルコはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの拠点があり、トルコ政府からの支援を受けていた。

 2005年7月8日付けのガーディアン紙でロビン・クック元英外相が明らかにしたように、「アル・カイダ」とはCIAから訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。1970年代の終盤にズビグネフ・ブレジンスキー国家安全保障担当補佐官(当時)が計画した秘密工作に基づいて編成された武装集団の戦闘員を供給するための仕組みとして作られた。

 ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラクはアメリカ軍やNATO軍が先制攻撃したが、イラクで行き詰まってしまう。そこで、オバマ大統領は自分の師匠にあたるブレジンスキーの手口を真似し、アル・カイダ系武装集団をリビアやシリアでは投入した。

 リビアではNATOとアル・カイダ系のLIFGの連携がうまくいったが、シリアでは失敗する。アル・カイダ系武装集団を危険視していたマーチン・デンプシー大将が統合参謀本部議長を辞めた5日後、2015年9月30日にロシア軍はシリア政府の要請を受けて空爆を始めた。デンプシーが議長を辞め、ロシアが空爆を始める直前に難民問題が急浮上したことになる。オバマ政府は難民の原因をシリア政府に押しつけ、軍事介入するつもりだった可能性もあるが、そうだったなら、ロシア軍の介入で難しくなった。

 移民や難民を利用して意に沿わない体制を揺さぶるのはネオコンの常套手段だと言えるだろう。当然、その中には自分たちが訓練した戦闘員が紛れ込んでいる。中東や北アフリカで侵略軍の末端で戦っている兵士はサウジアラビアなどの資金で雇われているのだが、兵士になる大きな理由のひとつは、アメリカによる破壊と殺戮で中東/北アフリカの経済が破綻したことにある。稼ごうと思ったら、戦闘員になるか国外へ移り住むしかない。そうした原因を作ったネオコンの後始末をトランプは押しつけられているとも言えるだろう。

 ちなみに、今回、入国を禁止された難民の出身国はシリア、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンというネオコンに破壊された国々。「テロリスト」の黒幕的な存在であるサウジアラビアが含まれていない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.02.01 12:35:01



© Rakuten Group, Inc.