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confuoco Dalnara

おばあちゃんの家

映画の中で男の子がおばあちゃんにひどいことを言うのにはじめは耳を疑った。
字幕でバカとなっていた韓国語は病身。
中国語でもバカを神経病と言ったりする。日本語の持っていないニュアンスがあるようだ。
儒教の精神が今ものこっている、と言われている国の子どもが
映画のなかとはいえ、目上の人を罵倒するなんて...。信じられなかった。

その子どもが田舎の生活で変わって行くのは清清しく
観ていてとてもうれしかった。
彼は田舎の生活で、子どもながらに懐の深さを身に付けたように思う。
大人だったら、「まるくなった」と言われるような。
相手の心情を推し測る想像力を得て
相手を受け止め受け入れるだけの価値観の幅も広げた。
相手に愛情を求めるだけでなく、
相手を思いやり、気遣い、愛情をそそぐだけの懐の深さを身に付けた。

子どもが子どもを殺している最近の事件がやりきれない。
子どもはもはやtabula rasaではなく、
大人と同じように自分の希望や欲望をまずは優先しようとしている。
それを抑制する判断力や想像力はまだ持ち合わせていないのだろう。
『おばあちゃんの家』で最後に男の子が見せた細やかな愛情に触れて
涙がとまらなかったことを思い出す。子どもが良く育つことは今や非常に難しいことなのかもしれない。

うちのおばあちゃん(ハルメ)との思い出はいろいろあるけれど、
夏休みの女の子らしい思い出が小学生の時爪を染めてもらったこと。
向こうでは鳳仙花で染めたりするそうだが、
その時はおばあちゃんの家に咲いていたおしろい花をつかった。
集めた花を爪にのせて糸で固定してもらったら明日のことを考えながら眠ってしまった。
翌朝、花びらをはずすと爪がうっすら朱色がかっていた。うれしかったのをおぼえている。

『おばあちゃんの家』のおばあちゃんをみて、うちのハルメに似てると思った。
しわの刻まれ方は遺伝によるのか風土によるのかそれとも歴史によるのか。
日本でおばあちゃんになったうちのハルメのしわと
映画のおばあちゃんのしわが似ていてなつかしかった。
しわの描線が遺伝子の記憶をよびさまし風土と歴史についてもまた囁きはじめている。



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