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confuoco Dalnara

Allegory of Painting

やっとFlemish and Dutch Paintings from the Collection of the Kunsthistorisches Museum Wien
に行ったので記憶の断片を記す。

'Ceres and Bacchus leave Venus'
酒飲みのイメージ大のバッカス。別の時代のDionysus像とちがう。
'Vase of Flowers'
花のブリューゲルの実物ははじめて見た。絵具が輝いている。
'Aeneas Fleeing Troy'
アエネアスが父親といっしょに
炎上するトロイを去る絵も興味深かった。先日映画「トロイ」を観たばかりだったから...。
映画の中では王家に伝わる剣をパリスがアイネイアス(アエネアス)に渡して名前を聞く。
そのアイネイアスがトロイを脱出し、ローマ帝国を建国する...という続きもいつかスクリーンで見たい。

ルーベンスの'Cimon and Efigeneia'
足もとのメロンのような果実が体に比べて大きく描かれているようだった。
1対1.4くらいの比率?それとも豊穣な実りを暗喩しているのだろうか。
女性の足も伸びやかで大きく、天衣無縫なかんじ。

ルーベンスの自画像とレンブラントの自画像は筆そのものでなく人物の持つ強さが伝わってくる。
レンブラントの名前はたしか映画「真珠の耳飾りの少女」で言及されていたので
映画の背景がここでつながるような気がした。

'Allegory of Painting'「画家のアトリエ(絵画芸術)」は想像力を刺激する。
背中を見せる画家と、こちらに視線を向ける絵のモデルが
絵を描く現場の空気をすこしずつ風にしてこちら側に送っている。
Diego Velazquezの'Las Meninas'がなぜか思い浮かぶ。
同じバロック時代の作品だからか、
絵を見る者が見られているような感覚に陥る構図が似ているからだろうか。
絵が単なる平面でなく
見る見られるの相対関係が明らかになり、
2次元というよりは絵と絵を見る人を橋渡しする3次元から4次元への奥行きを備えている。
時を超えて絵のなかからこちらを見つめる人物と
絵に相対する自分の間に時間の裂け目と4次元の深さがある構図。
どうして画家は赤い靴下に、黒の上着を着て絵を描いているのだろう。
先に見た映画「真珠の耳飾りの少女」では
画家は地味なマントだったので
絵の中の画家の装束がなにかを象徴しているのかと、ちょっと不思議に思った。
床は白黒の市松模様。フェルメールのほかの作品でも同じ模様の床が描かれていた。
画家のモデルは、「真珠の耳飾りの少女」のモデルのような
ちょっとかしゃっとした布の青い服を来ている。
青や黄色に映える光が
「真珠の耳飾りの少女」にふりかかっている光の波長を思わせる。
同じ場所同じ時間帯同じ人?

'Las Meninas'は
女官たち、というタイトルとはうらはらに
王女が絵の中央からこちらを見つめている。
女官たちは5歳の王女のまわりを囲んでいる。
画面の画家が描いているのは王女ではなく
遠景の国王夫妻なのだ。(鏡に姿が写っている)
王女を見て女官を見て
画家を見て鏡の中の国王夫妻を見る、ぐるりと。
視線が絵の上で何回か交差し
視線の糸を重ねて織りなす分
神秘で深遠な趣のある作品。

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