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confuoco Dalnara

from Mars to Muse

from no.1 to no.9 symphony...
ベートーヴェンのSeele und Geistが織り上げられ
交響曲それぞれの個性、動と静、荘厳・典雅な響きがかさなって
陰翳くっきりと西洋音楽史の火芯となる部分が示された。

2003年は不穏なはじまりだった気がするし
人間性の破壊的な面に気付かされることごとが多かった。
でも2003年の終わりはすばらしかった。
ベートーヴェンのおかげで人間性の創造的な境地に深く感じ入ることが出来たから。
from Mars(軍神マールス) back to Muse ってかんじ。
軍神が地球近くに立っていたけれど
2003年最後の日にCalliope、Clio、Euterepe、Thalia、
Melpomene、Terpsichore、Erato、Polyhymnia、Urania 9人のミューズが集まってきたみたい。

ベートーヴェンが交響曲の1番を作って...それから9番まで至った道程を
演奏会を通していっしょにたどったようだった。
難聴という運命を受け入れて
その流れで演奏と分離した作曲に専念して行き、曲の組み立てに論理性を持たせた。
彼の作った音楽は耳に心地よい快楽の音楽を超えた。’Amuse’だけではないMusic。
後世に残したくない音楽には作品番号をつけないというストイックさ。
芸術としての音楽・心の栄養になる音楽と、快楽その他としての音楽を峻別しはじめたのがベートーヴェンだそうだ。

人類史上初めての試み、sonareとcantareの融合は
9番目の交響曲に、2003年最後の夜にふさわしい。
音楽の創造性と人間の創造性が美しく共鳴しているのを実感させてくれるから。
モティーフ/動機は繰り返されて集中し
アレンジされさまざまな楽器の上で奏でられて拡散していく。
モティーフが音が、楽器の上、人の上を弾んでいくのが耳に聞こえるだけでなく
湧き上がる音の重層に包まれて座っている感じがした(うまく言い表せない...語塞)。
symphonyと人の声が縦横に喜びと音楽の深さ、人間の神秘をうたいあげていくのに心がふるえるようだった。


第1番 流れるような音楽。ちょっとまだモーツァルトみたい...。
第2番 疾走するような、輪郭のくっきりした。
第3番 Eroica
しなやかな戦意、練香のような光のある音。
2003年に見聞した英雄たちを思い返した。内省したのか学習したのかどうか...。
第4番 優美。
第5番 第4楽章は金色の運命。そして荘厳な運命。
2003年を彩った運命を想起した。ベートーヴェンが引き受けた運命に比べたらとてもちいさなことだったかもしれないけれど...。
馬光洙の著書「運命」の表紙や一節も頭に浮かんだ。
第6番 音が花や鳥や蝶になってつぎつぎと野原から立ちのぼってくるよう。
第7番 鋭く華やかでドラマティック。
第8番 滴のような艶、流麗さと端正さ。


長丁場なのでだんだん疲れてきて
(会場には出張クイック・マッサージはあるし血圧測定器もある。
血圧測ったらふだんは低血圧なのにかなり上がっていてびっくり)
なぜか突然頭に浮かんだ「情報開示」の英訳がわからなくなってしまった。
disclosureが思い出されたのはそれから10時間以上もたってから...。

映画『クラシック(ラブ・ストーリー)』の中では
主人公がベートーヴェンの「悲愴」を弾いていた。
この曲を聴くと
♪This night is mine
It’s only you and I
Tomorrow
Is a long time away
This night can last forever♪
の詞がすぐ浮かんで、ピアノ・ソナタに聞こえなくなってしまう。

May your 2004 year
be all wrapped up with happiness...

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