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パク・チャヌク、パク・チャンギョンの『ナイト・フィッシング/波瀾万丈』
TVで放映していたので...2回目の鑑賞。 iPhoneで撮ったかどうかは気にならない。 マッコリをかっ喰らって歌う冒頭のバンド、オオブ・プロジェクトといい、 突如現れる白い韓服姿の女性がタメ口な一方で 釣り人は丁寧語で話している、 その間合いと、 間合いが生む韓国らしいユーモアに最初から惹きこまれる。 以下は2011年6月に初めて観た時のReview。 2011年はじめ2回ほど記事にしていた短編 『波瀾万丈/Night Fishing』by PARKing CHANce(PARK Chan Wook, PARK Chan Kyong)をやっと観ました! 釣り竿を持って霧深い森の中へ入って行く男がひとり(オ・グァンノク/オ・グァンロク)。 ラジオからは台風接近のニュース。 夜も深まり風雨が激しくなってくるころ 川辺の釣り竿のうちの1本がぴくっと動いている。 かけつけた男が竿を持ち上げようとするとかなり重い。 釣り上がったのは 白い韓服を着た女性の死体のようだった... ユーモアあり グロテスクさもある雰囲気は『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督らしさを感じさせる。 一方、この世とあの世を結ぶ巫堂(ムーダン)が登場し 生と死をシャーマン的な世界観で描き出したところは 先日観たパク・チャンギョン監督初長編『安養/もう一度生まれたい、アニャンに/ Anyang, Paradaise City』も想起させる。 パク・チャンギョン監督は実は巫堂などシャーマン世界、土俗宗教には以前から関心があって 調べていたこともあるそう。 一方、パク・チャヌク監督がムーダンの世界に接したのは今回がはじめてだそう。 円環構造になっている『安養』は 映画の構造そのものも 円環構造・輪廻転生という東洋の死生観を表現しているようだった。 『波瀾万丈』はパク・チャヌク監督、パク・チャンギョン監督それぞれの特徴が顕れていて、 ここはパク・チャヌクっぽい、 ここはパク・チャンギョンっぽい、と 兄弟合作テイストをまず味わってもいた。 ![]() ムーダンが、ムーダンにしてはなかなか年若い設定が興味深い。 20代にも見えるし30代にも見える。 (演じた、元祖K-Popアイドルのイ・ジョンヒョンは31歳) 男の妻の年齢に近いようでもあり... 娘の未来の姿、成人した時の姿のようでもある。 ありがちなムーダン像からのずらしも感じられた。 そこもFantasic/ファンタジック。 過去現在未来や生と死が入り混ざった 混沌とした古代世界を通して(ムーダンは仏教伝来以前からの信仰でもある) 現代の韓国で最も熱い 子どもへの愛、家族への愛情が 巫堂の姿を通して描かれているように思えた。 離れていた父と娘の絆を結びつける、 いわく言い難い古い世界の記憶が呼び起される感。 シャーマニズムの儀式についてくわしくはないけれど... 刀で長い白布を縦に切り裂いて行くところが興味深かった。 最後まで縦に切り裂いて 幕が上がったように布の先にあらわれた光景は あの森の川辺だった。 最初は此岸だった川辺は 今度は彼岸のように映っていた。 ここも円環構造のように思える。 生まれては死に 死んでは生まれる。 白い布は、 真っ白ではない。 死者を悼む、漂泊していない生成布。 東洋的な死生観や あの世とこの世の結びという いにしえの精神世界を撮影したのは...実はiPhone4! 半島の伝統的な死生観に基づくテーマと 現代的なツールの組み合わせも この作品で際立っている。 ここでiPhoneのカメラについて。 裏面照射型CMOSセンサー(BSI型センサー)カメラで 動画は常にHD動画(1280×720ピクセル、720p)。 フレームレートは30コマ/秒。 野の風景などは ケータイのカメラにしては画角が広いと感じた。若干黄色みが感じられた気もした... いくつかの映像は トイカメラで撮影したような、 フレームの四隅をぼかしたような、翳のある縁取りになっているのもおもしろかった。 だから クラシックな画!と思ったりもしながら観ていた。 なにより 良かったのは夜のシーン。 白黒の映像はドキュメンタリーの雰囲気を醸し出している。 アピチャッポンの『真昼の不思議な物体/Mysterious Object at Noon』の映像をちょっと思い出す。 生と死を結ぶ、記憶装置な韓国の精霊を ドキュメンタリー的な映像と 映画的な映像の混合で描いているようにも見える。 iPhone4は動画の場合、音声はデジタル録音できない仕様なので 音声は別に録ったのかなぁ。 冒頭の黒服のバンド、オオブ・プロジェクトの演奏をバックに カッ(半島の伝統的な男性用冠帽)が飛んでいくところは 主人公の男の魂の行方を暗示した飛翔にも思えた。 彷徨える魂。 此岸でも迷いを抱えさまよい 彼岸でも彷徨う。 それがひとの、 人間のリアリティ。 最後にフィクションの力について。 ただムーダンを見せるためならドキュメンタリーでもできることだけれど... 死者が後ろ髪を引かれるように生者のそばを離れられなかったり 生者は死者を悼み続けたり... そこに登場する、死者と生者を結ぶ精霊は ファンタジーのようでありながら 死者と生者双方を救う、祈りにもなっている。 彼岸と此岸を橋渡しする想像力や祈りが 時には逝く者と残された者双方の魂の救済にもなり得る、 古からの知恵、スピリットとも感じられる。 その表出にフィクションの力を感じた。 クリント・イーストウッドの『ヒアアフター/HEREAFTER』や アピチャッポンの『Loong Boonmee Raleuk Chat/ブンミおじさんの森』 に通底する、普遍的なテーマを備えている。 『親切なクムジャさん』、『Mother is a Whore』のイ・ヨンニョ共演。 冒頭のバンド、オオブ・プロジェクトは 2011年全州国際映画祭の開幕式でも演奏していた。 メンバーが『復讐者に憐れみを』の音楽を担当、 そのお礼に?パク・チャヌク監督にMVを作ってもらったそうだ。 SSFF(ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2011)で観賞。 グロテスクなところもあるけれど ユーモアもあるので 客席からは時折笑いも起こっていた。 2004年『オールド・ボーイ/OLD BOY』 2009年『渇き/Thirst』 PARKing CHANceの由来はこちら。 イ・ジョンヒョンと言えば... 雑誌の付録だった、チョPD feat. イ・ジョンヒョンのFever MVが家にある(≧ω≦*) 1999年のアルバムIn Stardom Version 2.0に収録されている。 Feverはこんな曲。 イ・ジョンヒョン、カワイイ!と思いながら見ていた♪(≧∀≦*) 今回、兄チャヌクはどちらかといえばプロデューサー的役割も多く担ったそう。 だいすきなパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ/Paolo e Vittorio Taviani監督の話を聴いた時を思い出して... 兄弟の共同作業と分担、分業について思いをめぐらせるのも楽しかった。 buzz KOREA にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP担当! にほんブログ村 映画 Copyright 2003-2012 Dalnara, confuoco. All rights reserved. [映画]カテゴリの最新記事
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