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テーマ:韓国!(16834)
カテゴリ:映画
3月も観たい映画はたくさんありますが...(メディア芸術祭に日参中!?)
3月3日公開 김기덕のセルフドキュメンタリー『아리랑』について。 韓国では3月3日はサムギョプサルの日ですね。 『아리랑』『아멘』で復活した기덕は現在 最新作『피에타』を撮影・製作中。 イ・ジョンジン、チョ・ミンス主演。 さらに ソ・ジソプ、カン・ジファン主演 『映画は映画だ/Rough Cut』 の原案・脚本、プロデュースをしていた기덕は その続編となる 『俳優は俳優だ/Actor's Cut』の脚本とプロデュースを担当して製作予定。 いよいよ기덕のギアが入った感じ!楽しみです♪ 以下は2011年10月に観た『아멘』と11月に観た『아리랑』について。 2011年11月19日。 その日の朝 山から下りた김기덕が日本へやって来た。 東京フィルメックスで上映された『아리랑/Arirang』では 기덕の山の生活が綴られる。 『悲夢』の撮影で起こったことにショックを受け さらに愛する弟子に裏切られたと感じたことなど 心情をカメラの前で吐露するセルフ・ドキュメンタリー。 ただし、 作品はセルフ・ドキュメンタリーにとどまらない。 ヘアスタイルをアレンジした第2の기덕が 「おまえは純粋すぎるんだよ!」と ちょっとめそめそした(?)繊細な기덕にツッコミを入れる。 「その割にはよくしゃべってるじゃねーか」 と明るくダメ出し。 なかなか手厳しかったりもする。 そういった기덕と第2の기덕のやりとりをモニターで視るもうひとりの기덕、 第3の기덕や 影になって映る기덕も現われて... やがて自問自答のドキュメンタリーはドラマと合わさった混沌としたムーブメントに収束していく。メタ・ドキュメンタリー、メタ映画。 工場で働いていた少年時代を思い出させる기덕の頭脳と手は やすやすとエスプレッソマシーンを作り出し 美味しいコーヒーの香りがスクリーンのこちら側まで漂ってくるようだった。 同じ手で銀色と金色に輝く銃を作った기덕は 弾を込め山を下りた。 向かった先は... 前半は 김기덕の苦悩、 その魂の彷徨に胸がいっぱいになり ちょっと涙がこぼれていたけれど... 後半になると ドキュメンタリーではなく ギドクが復讐者を演じているドラマのようでおもしろかった。 そのドラマの展開、기덕の運命がどうなるのか... 息もつかせない。 惹きつけられた。 しかし 秘められているのは傷ついた魂、息づいているのは魂の彷徨。 アリランは魂の叫び。 기덕が歌うアリランの歌詞が 自分がよく知っている(伽耶琴を弾きながらなんども歌っていた)歌詞とちがって 興味深かった。 よく知られている歌詞では (自分の恋人が去って行くと、)アリラン峠を越えて行く♪ と歌われるが、 本作中では アリラン峠を越えさせておくれ♪と歌われている。 3年近い沈黙の時間の間 (もしかしたら自分の力だけでは 越えられない、越えられなくなったのかもしれない) と歌を聴きながら感じ、痛々しい思いも少しした。 (「アリラン」も「野ばら」同様、 地方によってメロディも歌詞もさまざまなので きちんと調べないと 김기덕の歌った「アリラン」がどういったニュアンスなのか 断言はできないけれど...) 山小屋で自問自答し繰り返される魂の彷徨が 『아리랑』の次の作品『아멘/Amen』では旅程の形になる。 アリランでは得られなかった、 別の方向からの魂の平安(を模索する旅)。 ゆえにアーメンだろうか... 少女が産もうか産むまいか迷っているのは 創作すること、新しい映画を撮影することだろうか... あるいは彼女が腹に抱えている恨とも受け取れる。 半島には サルプリという舞踊があるが 生の恨を昇華する過程。 (復讐で終わる)アリランからまた進んで 次の過程に到達しているようにも見える。 2011年10月に『아멘』を観た時は 本来無一物 という言葉も思い浮かんだ。 主人公の少女は 夜行列車でヨーロッパを旅する間 パスポートもお金も靴も...持ち物が次々となくなっていく。 無一物になった時 少女は生きること、 異国で生き延びることだけに向き合い それまで思いつめて苦悩していたことは二の次になっているように見えた。 少女の旅程が 慧能の偈、本来無一物と重なる。 菩提本無樹 明鏡亦非台 本来無一物 何処惹塵埃 菩提本樹無し 明鏡亦非台 本来無一物 何れの処にか塵埃を惹かん 無からの再生と創造を予感させる『아멘』。 そして『아리랑』の中で 自作『春夏秋冬そして春/Spring, Summer, Fall, Winter...And Spring』を観て監督が涙するところと 『아멘』すなわち本来無一物と悟るようなプロセス、生のサイクルが 呼応し照応する。 『아리랑』と『아멘』は対になっている気もする。 奇しくも来月韓国で同時上映されるそう。 『아리랑』はカンヌ映画祭「ある視点」部門では最優秀作品賞を受賞。 フィルメックスでは観客賞を受賞。 『아리랑』の中で語られた作品の構想、 朝鮮戦争(6.25)に連合軍として参戦したアメリカ人が 老いて韓国を訪れ、戦争時に殺害した少女の遺体を探そうとする... というストーリーは映画化してほしいなぁ。楽しみ! 今回 ゆっくりと 少しずつだけれど 監督がまたもどって来てくれる、 もどろうとして歩いているのが見えたので... 余談ですが 銃を持って向かった先のマンション群は 『サマリア/Samaria』に登場した建物を思い出させた... アングルのせいかしら... 団地はどこも似た感じかもしれないけれど... 上映後の김기덕監督のQ&Aは 後日時間があったら盛り込みます。 2011年第16回釜山国際映画祭でWorld Premiereだった『아멘』の舞台挨拶には 『豊山犬/Poongsan』のチョン・ジェホン監督と 主演のキム・イェナが韓服を着て登場。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 21, 2024 03:20:08 PM
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