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カテゴリ:映画
あらすじ
ハンク(ロバート・ダウニー・Jr.)は 有銭無罪とばかり、金持ちを強引に無罪にしてきた敏腕弁護士。 母の葬式で疎遠だった故郷に帰ったハンクは 地元で絶大な信頼を得ている判事の父、 長年口もきかない仲になっている父のジョセフ(ロバート・デュヴァル)が 引き逃げの容疑者として逮捕され、急遽弁護することに... ヴェラ・ファーミガ、ヴィンセント・ドノフリオ、ビリー・ボブ・ソーントン ジェレミー・ストロング、ダックス・シェパード共演、 デイビッド・ドブキン監督 『ジャッジ 裁かれる判事 The Judge』(2014年) 原案は『グラン・トリノ』のニック・シェンク、 撮影は『戦火の馬』等のヤヌス・カミンスキー。逆光が印象的。 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) アメリカの田舎、故郷に秘められた家族ドラマという点で 戯曲を映画化した『8月の家族たち August: Osage County』 を少々想起もした。 アメリカの막장드라마マクチャンドラマ!?(=非現実的なことがよく起こる) 的設定、出生の秘密もある濃厚でドラマティックな作品だった。 メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガー、 クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、 ベネディクト・カンバーバッチ、ジュリエット・ルイスら 演技派が豪華共演していた。 『8月の家族たち』ほど激しくないが 長年の確執が露わになる ホーム(故郷)とファミリー(家族)で構成される アメリカの原初的世界観を描写。 そこに法廷劇も絡んでくるのだが... 法廷劇はメインの家族物語に回収され 輪郭はやや薄く。 故郷の元彼女(ヴェラ・ファーミガ)との艶笑エピソードや 『殺人の追憶』の田舎の刑事と都会の刑事のような、 田舎の弁護士と都会の弁護士の対比、凸凹コンビも 盛り込まれ、材料が多すぎやや散漫な印象も。 しかし、長男の夢を奪った次男ハンクに長らく冷淡だった父の 深い心理、子への思いが裁判の過程で明らかになった時は 胸を打たれた。 実子には、実子ゆえに寛容になれなかった父が 若者の将来を考えてブラックウェルに寛大な判決を下した時、 判事としての職業意識を超え 実の息子には寛大になれなかった後ろめたさや 若く未来ある若者の更生を信じたい弱さ、甘さも 入り混じっていた。 後年、その「甘い」判決を後悔することになるとは... 息子には厳格すぎるほど厳格に接し 息子と同じ年頃の若い犯罪者ブラックウェルには逆に寛大に赦しを与えてしまう。 判事としての職業的意識の高さ、完全主義が 家庭内にも浸食、突出する一方、 父親としての親心が法廷での感情的判断を揺らし、浸している。 その二面的アンビバレントな「父」としての選択と思い心情 (判事としての正しい判断、選択だったとは 後から振り返っても言い難い...)に心を打たれた。 ロバート・デュヴァルの演技も相まって。 かくも人間は、親は弱いものなのだと... そのあたり 突き詰めれば形而上学的にも深い話になるかもしれないが 判事の当時の判断、判決の根拠についても メインの家族ドラマに回収され、やや感傷的に。 ソン・ヘギョ主演イ・ジョンヒャン監督映画『今日 오늘』で 未成年の加害者を赦すことを選択したヒロインが 「(加害者を) 赦さない自由もあったのに だれもおしえてくれなかった」 と悟っていった姿を、対照的に思い出す。 赦す・赦さないの選択の難しさ。 後になって思えば 息子ハンクを許しても親の愛を示して赦しても ブラックウェルを許すべきではなかった、 寛大さを示すべきではなかったかもしれないのに。 ボタンを掛け違ってしまったかのように 許す対象を息子ではなく 法廷に立たされた若者にしてしまった老判事の 長く続いたであろう後悔、澱のように残った悔恨は胸に沁みる。 ハンクの家にも 実家、ジョセフの家にも咲く青い紫陽花の 花言葉はheartlessness(冷酷)、boastfulness(高慢) frigidity(冷淡) You are cold.(あなたは冷たい)など。 過去にボタンを掛け違ってしまった父子は 長年互いを冷たい、と思い込んでいたのかも... しかし、アジサイの(肯定的な方の)別の花言葉は gratitude for being understood よく理解してくれてありがとう、の意(*˘︶˘*) やはりアメリカ映画らしく... アメリカ人のアイデンティティ、誇りとプライドの象徴 アメリカ国旗が半旗になるかどうかは 公務員ら国に仕えた者たちが最も気にするところ。 物語を締める、大切で大きな象徴の一つですね... 余談ですが... 父子が路上で口論を始め 「おまえが何を言っているかわからん!」と ジョセフが逆切れする時のセリフは It's Korean to me.といった内容の表現だった。 英語のイディオムで It's Greek to me.と言えば ギリシャ語のようにちんぷんかんぷん、何を言っているかわからない という意味で使うが 韓国系移民もアメリカに増えて It's Greek to me.が It's Korean to me.に変わったのかも...と聞いていた。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 1, 2024 04:50:16 PM
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