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テーマ:韓国!(16898)
カテゴリ:映画
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015
SSFF & ASIA 2015 韓国・アシアナ国際短編映画祭プログラムで まず4本。 チャン・ジェヒョン 장재현 Jae-hyun Jang監督 『12人目の助祭 12번째 보조사제 12th Assistant Deacon』(2014年)は アシアナ国際短編映画祭 俳優賞 大邱インディペンデント短編映画祭 国内部門グランプリ ミジャンセン短編映画祭 優秀賞 全州国際映画祭韓国短編コンペティション監督賞など 2014年数々の賞を受賞し 2015年チャン・ジェヒョン監督による『黒い司祭たち 검은 사제들』として キム・ユンソク、カン・ドンウォン主演で長編化 (クランクアップしたところ)。 闘う司祭と助祭(補助司祭)、悪魔祓いがテーマとは なかなか... 短編『12人目の助祭』あらすじは 受験のプレッシャー等から悪魔に憑りつかれた女子学生の元、 神父とその12番目の補助司祭が悪魔祓いに行く... 12番目、ということは 悪魔はなかなか手強く これまで11人の助祭と共に11回悪魔祓いを試みたが 失敗に帰しているということ。 補助司祭役はイ・ハクジュ。 神父役はドラマ「チョンウチ 田禹治 전우치」など出演のパク・チイル。 女子学生ヨンシン役は『母なる証明』にも脇役で出演していたイム・ソンミ。 長編『黒い司祭たち 검은 사제들』は 妖怪を捕らえる道士「チョンウチ」ならぬ、 悪魔を祓う司祭と...似た趣もありそう... (以下、映画の核心に触れる部分もございます) 2014年記のReview、主に軍隊内の暴力の側面から 2014年記のReview、韓国映画の中に表れるキリスト教を様々な位相から 宗教に形而上学的考察を加えるのではなく 宗教という光が当てられることによって見えてくる人間の弱さを描写。 心の痛みや恐怖を炙り出す、 深層心理的記憶装置・トラウマ発見器のような宗教、そして悪魔祓いの儀式が描かれる。 宗教が人間の過去、記憶、心の痛みを照射する装置として。 神父が「我々は闇を知っているからこそ 光をもっと信じることが出来る」と助祭に話していたように 地上的な消費社会、競争社会にひっそりと偏在する 闇を炙り出す、異界への扉を開くような彼らの姿が興味深い。 『映画の作り方 루이스 자네티의 영화의 이해 Understanding Movies』(2014年) イム・ジウン 임지은 Ji-eun Yim監督。 2014年記のReview、クリエイターたちの苦悩として 映画専攻の学生監督が卒業製作で 映画を撮影しているところに 映画の先生ルイス・ジアネッティ Louis Giannettiの化身、分身?が登場し その著書「映画技法のリテラシー Understanding Movies」の各項を通して カメラワークや演出方法について厳しくダメ出し、講義する。 学生監督が悉くルイス・ジアネッティの映画理論と 真逆の演出をしてしまうので、 彼の理論がビジュアル化されながらくっきり対比され よりわかりやすく提示されている、 くすっと笑いとともに。 初々しさと微笑ましさ。 映画を作る学生は共感しそう... ポン・ジュノ監督もジアネッティ著「映画技法のリテラシー」を読んでいた、と カメオ出演して本を片手に証言!? 日本では韓国ほど版も重ねていないようだし そんなに売れて売り切れたりもしていないようだが... 韓国の映画学生必読書と 日本の場合は若干相違していそう...と興味深い。 ルイス・ジアネッティ役は 映画出演も多い韓国映画批評家の ダーシー・パケット Darcy Paquet氏。 『アーティスト110 Artist-110』(2014年)は オ・ソロ 오서로 Seo-ro Oh監督によるアニメーション。 FutureCity Yokohama Award受賞。 デジタル、画一化の中での 意識(自意識)や情緒、感情の芽生え、 クリエイティビティの創出に 胸を打たれる。 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) きっかけは 作業ロボットArtist-110の左目が傷ついてしまったからだろうか。 無味乾燥な灰色のロボットの世界、工場を 動物園のように (ロボットではなく、 Artist-110の目には他のロボットたちはキリンなどの動物のように見えるのか) 色とりどりの動物が集う場所のように 童心溢れた描写で描き出すArtist-110。 キリンやカバのように描かれる同僚ロボットの姿に まず胸を衝かれる。 無生物であるロボット、Artist-110の視点、認識では 世界は無生物ではなく生物、動物なのだ。 そのずれ、ギャップはArtist-110の幻想、願望、空想と夢のようでもあるが... 生の哀切さを響かせる。 手塚治虫にもそんな設定の作品があった気がする。 無生物と生物・生命のあわい。 (認識のずれはやはり左目センサーの破損のせいだろうか... それにより、夢のようなファンタジーを視、描くようになったのか... 切なすぎる(/_;) Artist-110の仕事場とほぼ同じ、 縮小したような図絵は 彼の格納庫(寝室、セル)壁にも描かれ 視力が欠けてしまった彼にとっては 彼の「いる」世界を描いた (彼を導き得るちいさな)地図の役割でもあるような気もしたが... その健気さいじらしさに思わず涙... Artist-110の心情、気持ち、生へのコミットメントと 意識の向かうところ、創造性などに心を揺さぶられる。 そうしてそれは私だけはでない、 人間のロボット管理者の心をも揺さぶるのだ。 彼が監視するモニターの最下部には Artist-110が描いたクレヨン画のようなタッチの 童心あふれる画がちいさく飾られている。忘れられているかのように。 Artist-110の画とモニター室の画が響き合う時 ロボットが人間の心を変える... 美しい交響詩のような小品で深い余韻を残す。 『ごく普通の家族 바캉스 Ordinary Family』(2014年) 韓国映画アカデミー卒業生 イ・ヒョンジュ 이현주 Hyun-ju Lee監督作。 あらすじ レズビアンのスヨン(イ・サンヒ)が恋人とバカンスに 行こうとした矢先に故郷の父が交通事故で入院したと 連絡が入り旅行は延期に... スヨンの恋人(カン・ジナ)の時に傍若無人なワガママぶりは 恋人を試すなどの駆け引きというよりは、 同性愛カップルだからこその普段の抑圧と我慢、息をひそめる日々の 反動として理解できなくもないが... ヘテロなカップルと比べると ごく普通の家族のように普通の日常やバカンスを送ろうとしても ふつうにはならない。 そうして我慢した分の反動が 暴発のように爆発のように大嵐のようにものすごい勢いで ある日とつぜんやってくる... 最後はさらっとうまく行きすぎな気もしたけれど... 暗黙の了解的におさまるのが家族、家族の絆でもあるのだなぁ、と 思わなくもない。 スヨンの恋人(カン・ジナ)位、子どもっぽく空気読めない娘がひとりいると けっこう彼女を中心にうまく収まったりもするのだ。 最後のシーン、家族の中央で ひとりばしゃばしゃ無心に川で泳ぐスヨンの恋人の姿、 その構図が彼女の稚気、無邪気な自己中心さを表してもいて 思わずくすっとしてしまう。 イ・サンヒは2014~2015年製作公開の注目作に多数出演していますね... 『チャイナタウン』『マドンナ』『鉄原紀行』『セシボン』など... 『萬神』にも出ていたのですね。 アシアナ国際短編映画祭(AISFF)は 俳優アン・ソンギが実行委員長を務める映画祭で 今年13年目。 アン・ソンギも2011年に SSFF&ASIAにゲストにいらしていました^^ 2014年のSSFF & ASIA 韓国関連のコンペティション作品Review to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・ 盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 24, 2024 04:06:41 PM
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