尹東柱の母校、同志社大学。
「安保法案の成立に反対する同志社大学教職員有志の声明」によると
「その法案に対し本学の学長職にある教授が
公的な場で支持を表明したことについて心から恥ずかしく思います」と。
アイデアニュースさんの記事によると、
「抗議」や「糾弾」でなく
「恥ずかしい」という表現を使ったのには理由があるそう。
声明について説明する社会学部の板垣竜太教授は
「恥という言葉は大学キャンパスの中心に建つ石碑に刻まれた、
詩人・尹東柱(윤동주 ユン・ドンジュ)の詩からとった」と話したそう。
「戦時下の同志社大学は
細やかな詩的感性をもったこの朝鮮人学生(尹東柱)を守り抜くことができず、
彼の逮捕を許し、ついには獄中死にまで追いやった責任を有している。
私が恥ずかしかったのは、今から70年前に世を去った尹東柱と、
無数の他の尹東柱に対して」と。
尹東柱の序詩「死ぬ日まで空を仰ぎ
一点の恥辱(はじ)なきことを」が
同志社の方々を動かし、その原動力や支えになっていることに感銘を受けた。
いや、感銘を受けたどころか胸を打たれた(;_;)
恥の文化という文化論、文明論でも知られる日本だが
(ルース・ベネディクト著「菊と刀」で
欧米の
罪の文化 guilt cultureと対比して
日本文化は
恥の文化 shame cultureとされている)
その日本らしい恥という概念とは
異なる次元、イデア、且つ文脈の「恥」。
それは1945年に
尹東柱を死なせてしまった、罪の意識の伴う、責任感の伴う
(罪の意識の希薄な日本的な恥ではなく、キリスト教的な)恥の感覚。
異なる文化圏、そして国境を越えて
時を超えて現代の日本の学者にここまで根の深い影響を与えていたとは...
なんという詩人だろうか。言葉を失った。
言葉を失うほど美しく尊い共鳴。時空を超えた...
詩の結んだ共鳴。
そして(今度は)戦争を止めることが出来るかもしれない
詩の言葉の力と詩人の存在。
ソウルのユン・ドンジュ文学館。
詩「井戸」を模した中庭、建築。
井戸の底にいると
迫り来る高い壁の圧迫感は怖さをおぼえるほどだが...
ユン・ドンジュも見上げた碧い空が四角く、
そして広くひろがっていくのを見ると
涙がこぼれそうになるほどの微かな安堵感が訪れる。
2013年にはこんなことを綴っていた。
植民地支配者である政治家を殺すことよりも
ユン・ドンジュのような偉大な詩人らを殺したことの方が
よほど罪深い。
無抵抗で武器も持たない市民、
詩人を殺すことのほうが犯罪である。
詩を殺すことの方が犯罪である。
(村上春樹風Tweet Makerで)こんなことも。
人々は闇の中から出てくる尹東柱を見つけることで
闇の中から救われることができる
今回の同志社でのお話は光明だった...
釜山ビエンナーレでユン・ドンジュへのオマージュ作品。
立教大学で毎年開催される追悼式・集い
「詩人尹東柱とともに」は訪れていたこともあるけれど、
今年同志社大で開催された没後70年式典
詩人高銀氏が尹東柱について講演した機会に行きたかったなぁ...とあらためて(/_;)
「星を数える夜」拙訳。
星ひとつに追憶と
星ひとつに愛と
星ひとつにさびしさと
星ひとつに憧憬と
星ひとつに詩と
星ひとつにオモニ、オモニ...
「식권 食券」は
産土(うぶすな)を感じさせる...
素敵だ(*˘︶˘*)
식권은 하루 세 끼를 준다
식모는 젊은 아이들에게
한 때 흰 그릇 셋을 준다
대동강 물로 끓인 국,
평안도 쌀로 지은 밥,
조선의 매운 고추장
식권은 우리 배를 부르게
イ・ジュンイク監督
カン・ハヌル主演映画『東柱 동주』は今年12月公開予定。
どきどきする!
to be continued...!?
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