あらすじ
幼少の頃から天才チェス・プレーヤーとして
頭角を現していたボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)
1972年、レイキャビクでついに
ソ連のボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)と
チェス世界王者決定戦に臨むことになるが
冷戦下の米ソにとっては代理戦争でもあった...
ピーター・サースガード、マイケル・スタールバーグ
リリー・レーブ、ロビン・ワイガートら共演、
エドワード・ズウィック監督
『完全なるチェックメイト
Pawn Sacrifice』(2014年)
製作にもトビー・マグワイアのクレジット。
(以下、映画の核心に触れる部分もございます)
天才の狂気、
フィッシャーからスパスキーに狂気が
伝染するかのようなシーンを観た時は
これもフィッシャーのしたたかな戦略だったのかも、
という思いもかすめたが...
天才の狂気と
盤上、ゲームの極限的狂気、
そして東西冷戦下の世界の、時代の狂気が
相互に感染し浸食し合っているようにも見え...
複層的複合的狂気が立ち上がる世界観が印象的。
『イージー・ライダー』で描かれた
アメリカも想起。
壁の内側での自由と狂気、
それは狂う・狂気を持つ自由ではなかったか...
あの時代にゆるされた。
そして、ストリートの自由なチェス、
無一持なチェスは狂気と距離を置く
真空で自由な世界のようにも見えた。
痛ましかったのは
ユダヤ系のフィッシャーが
福音派によるユダヤ陰謀論等に耽溺する姿。
子どもの頃からFBI監視対象だった母親の姿を見ることもなければ
そこまで監視に過敏になり
陰謀論に感化されることもなかったのでは...
と天才の狂気の理由を推測もし、辛い思いにもなった。
原題
Pawn Sacrificeについて。
Pawn Sacrifiedは
チェスの戦略においては
盤上では捨て身の、Suicideに近い崖っぷちの戦い方でもある一方...
(ボビー・フィッシャーはそんな戦略で勝ちもするのだ)
冷戦下における
Pawn Sacrificeは
ボビー・フィッシャーも
ボリス・スパスキーも
ポーン
Pawn歩兵のような、
「取られてもよい」存在だったという意味になる。
チェス盤よりはるかに大きい、
イデオロギー対立下の世界、東西冷戦構造という名の盤上では
プレーヤーは、
人間は捨て駒だった、
という時代の空気を表してもいる。
それは、同じ冷戦下の
『ブリッジ・オブ・スパイ』で
ポーンのように捨てられ、見捨てられはしなかった
スパイ(人質取引)と対照的で興味深い。
映画『ボビー・フィッシャーを探して
Searching for Bobby Fischer』
デヴイッド・フィンチャー版『ドラゴン・タトゥーの女 The Girl with the Dragon Tattoo』では
リスベットの手元に
「ボビー・フィッシャー60局」本が
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