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カテゴリ:映画
警察官(候補生の)実習期間中に弟分ドンヒョン(パク・ボゴム)を事故で亡くした
ミン・スア(キム・ハヌル)はその日以来視力を失っている。 ある雨の夜に乗ったタクシーが 犬ではなく人をはねた、と確信したスアは ひき逃げ捜査をチョ・ヒボン刑事(チョ・ヒボン)らに依頼するが 目の見えない目撃者の証言ということで、なかなか信憑性を得られず捜査も進まない。 そこへ、もう一人の目撃者、 バイクでデリバリーのアルバイトをするキム・ギソプ(ユ・スンホ)が現れるが、 ふたりの証言は食い違って... 2011年 韓国Box Office で観客動員第11位を記録した チェ・ミンソク脚本、アン・サンフン監督 『ブラインド 블라인드 Blind』が アン・サンフン監督自身の手で舞台を中国・燕州 !?に移してリメイクされた。 主演は『怪しい彼女 수상한 그녀 Miss Granny』の中国リメイク 『20歳よ、もう一度 重返20岁』のルハン 鹿日含、 ヤン・ミー、 ワン・ジンチュン、リウ・ルイリン(ちょっとイム・ジュファン似) チュー・ヤーウェンら。 アン・サンフン、アンディ・ユン、グー・シャオバイ脚本 アン・サンフン監督『我是证人 見えない目撃者』 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) ストーリーは概ねオリジナルの『ブラインド』に沿って進行するが 犯人とヒロインの間に流れる(と、犯人が一方的に思い込む)双子のような贖罪意識を 鏡に映すように対比、対立させもし、ふたりの心理的攻防をクローズアップ。 また、出会い系アプリ(SNS)「約束」を事件の発端にもし インターネット社会の危険性等に警鐘を鳴らす啓発・啓蒙の匂いも。 ただ... 犯人役チュー・ヤーウェンが当初はそのような屈折した心理、 悲劇に突き動かされたゆえの贖罪的動機をほとんど見せないので あまり説得力がなく、火サス(火曜サスペンス)的な終幕感も少々。 また、エンディングが 亡き弟のバンドでボーカルとして登場するルハンのステージ、 コンサート・シーンというハッピー・エンドで 『20歳よ もう一度』に似た、既視感ある大団円は アイドル映画感が鑑賞後感、余韻になってしまうという残念な結果に... せっかく映画の中でルー刑事(ワン・ジンチュン)がカッコつけて言う 「一本の道」などのセリフが最後にきっちり回収されず、宙に浮いてしまっている。 オリジナル『ブラインド』では クライマックスの雨の中の犯人との格闘・死闘の際 スアの脳裡に浮かぶのは チョ刑事の過去のポジティブな言葉、 「顔を知らなくても犯人を追うのが刑事。スアさんも俺も同じ。 どれほど本気で追うかだ」や 希望の家のお母さん(キム・ミギョン)の 「本当の障害は心の中にある。盲目は障害じゃない」 ギソプ「あきらめるなってこと」等が響きわたり、 届かない「ガラス」の向こう側、 破れない「ガラス」という壁を自力で越え克服し... (クリント・イーストウッド監督映画にも登場する、 「ガラス」の、見えない壁、境界線の描写...) スアは警察大学にも復学し ギソプも警察官をめざすことになっていた。 正義感の強い姉スアと新しい弟分ギソプの姿には 過去の悲しみ、心の痛みや障害を乗り越え 「再生」する姿、真っ直ぐに生きる姿が強く伝わってきたのだが... ルハンが歌うコンサートのシーンで映画が終わってしまうと 困難を乗り越えた「再生」感や 新しい希望や新しい人生というメッセージが伝わらない。 再生と、 能動的で本気の行動で獲得した 希望ある未来というカタルシス、 マイノリティ(視覚障害者)へのエールの余韻があまりなく、 共感性がオリジナルより低めに... 中国版では 人は殺されないし、 現実にもある(共産主義・社会主義の国にもある)貧富の差がないかのように、 幸せで裕福な生活だけが描かれリアリティにも乏しい気が。 もしかしたら... 幽霊を映画に出せないのと同様、 いろいろな検閲や表現規制等に配慮した描写なのかもしれないが... (中国でのアート展示検閲について) (余談ですが、数年前の北京出張時、寒い晩秋の夜にホームレスも目撃) また、韓国版はスアと愛犬スルギ(知恵という意味)のやり取りのシーン、 お互い思いやりいたわるシーンが中国リメイク版より多く 丁寧に繊細に描写されていたため 後半の衝撃、絶望、悲しみや劇的な落差へつながりもしている。 キム・ハヌルも 正義感強く気も強い姿と弱さを交互に表情豊かに見せ 情感あふれる演出、作劇になっていたが ヤン・ミーの演技は残念ながらそこまで気が強そうにも表情豊かにも見えず、 スア同様、リスカの傷痕も残る弱さとのギャップ、落差があまり感じられない物足りなさが... ホラー映画、怖い映画は苦手だったが 『ブラインド』を初めて観た時は大泣き、 スルギとスアの交わすちいさなやり取り、表情はいつまでも心に残っていた。 中国リメイク版もスルギのような命名、 「聡聡」という名の犬で、そこはすてきな感じがした。 エンド・クレジットを見ると ドッグ・トレーナーの筆頭に韓国人。 メイクアップ・アーティストの筆頭にも韓国人で ヤン・ミーの韓国風メイクが完成、と感慨深い。 映画の中でリャン・ツォン(リウ・ルイリン)の歌う曲は美しくてよかった。 韓国のRapper !? KJ の名がエンド・クレジットに。 オリジナルで 弟分が夢中になっていたのはバンド・音楽活動ではなく B-BOY だった... Cutting Crew, Amazing Crew... Geek 的余談ですが、 OPPO 广东欧珀移动通信有限公司 の超薄型スマートフォン(Oppo R5 の後継モデル的な!?)は ルー・シャオシン(ヤン・ミー)も リン・チョン(ルハン)も手にしていて Product Placement感ありますね... (SONY映画ほどひどくはないけれど) ルハンが持っていたら、欲しくなる人いそうです! (初日プレゼント) オリジナル『ブラインド』のような スマートフォン(携帯電話)の視覚障害者向けの メニュー読み上げ機能は表現されていなかったけれど。 ちなみに、オリジナル『ブラインド』のオープニング・タイトルの 俳優、スタッフ名にはすべて点字が付記されていたのも印象的。 オリジナル作品は サスペンス映画でありながら 視覚障害者へ向けられる偏見等による、 孤独感を掬い上げ、彼らの悲しみに寄り添った社会派映画の視点も備え、 マイノリティへの視線も包含していた。 チョ刑事も恩平署でひとりだけ釜山出身、 同僚には「カモメ」といじられ孤立している立ち位置ゆえ スアの心情を慮り 「顔を知らなくても犯人を追うのが刑事。スアさんも俺も同じ」などの カッコいいセリフでスアを励ましてもいた。 マイノリティや孤独を抱える人々が心を寄せていた余韻も... (日本ルハン連合様の花輪) to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 18, 2023 08:32:41 PM
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