韓国映画『怪しい彼女 수상한 그녀』は
ローカライズ可能でユニバーサルなプラットフォームではあるが...
中国リメイク『20歳よ、もう一度 重返20岁』に続いて日本リメイクを観ると...
ローカライズを経るにつれ
伝言ゲームのように
映画の心髄、コアな部分やエッセンスはブレて伝わり、
ぼやけて伝播している印象も。
日本版『あやしい彼女』は
多部未華子、倍賞美津子、要潤
北村匠海、金井克子、志賀廣太郎
小林聡美主演、水田伸生監督。
(以下、映画の核心に触れる部分もございます)
オープニングでいきなり輸血シーンが登場してしまうのが少々難あり。
エンディングで瀬山カツ(倍賞美津子)が
老女ではなく女として
小林拓人(要潤)をしばらく見つめているのも
物語の整合性がはたして取れているのだろうか、
という疑問に満ちた余韻を残してしまう。
毒舌老女だったはずが
若返ってからは
子育て中のヨソの母親に「がんばったね」とやさしく優しく労わるシーン。
20歳の見た目にそぐわない懐の深さに余裕、老成感は醸し出す一方で、
若返る前はそんな理解ある姿はなかった...という齟齬にブレも。
オリジナルの『怪しい彼女』は歌うこと、音楽に比重が置かれていたが
日本版は大鳥節子(多部未華子)と小林のキラキラ☆デート・シーンを
多めに盛り込んで...
(ようこそ日本!な観光プロモーション的映像もふんだんに)
老女にもどってからも
熱い視線で小林を見つめていると...
未練の余韻を重く残す(あまり爽やかでない)。
一方で、歌のシーンに
戦争孤児としての回想をふんだんに入れて
オリジナルより苦労を強調し、涙腺を刺激する演出。
突き押しからの障子破り等マンガ的、むかしのTVドラマ的演出の
映画らしからぬ作りにも驚かされたが
監督がTVドラマの演出出身で
(例によって)TV局(日本テレビ放送網)が製作幹事という
製作委員会方式の日本映画だから仕方ないのかも...
オリジナルから変えて
瀬山カツはバツイチのひとり娘瀬山幸恵(小林聡美)と
その息子と暮らす設定はなかなか興味深かった。
カツと幸恵の年齢から推察するに...
恐らく幸恵は1985年制定、翌1986年より施行された
男女雇用機会均等法の第一世代(一期生)、
現代日本の元祖キャリアウーマン、大先輩である可能性が高いから。
セリフ等であざとく外連味たっぷりに現代日本を説明してゆく
「老人時代」「ゆとり世代」「女性の価値は若さ至上主義」等よりも
配置換えの憂き目に遭う幸恵の「現在地」からわかる、
働く女性が報われない日本の「現在地」が
ゆらりと立ち上がり、示唆されている方が印象的。
冒頭にも書いたけれど...
リメイクにより、上記のような現代日本が盛り込まれ表れる一部は興味深いが、
オリジナルのコアなエッセンスは薄まり
気の抜けた炭酸水のような、つぎはぎで整合性のない違和感もうっすら残る...
昭和の名曲に身を任せ、
深く考えずに楽しむことは出来るかもしれないが...
ベトナムで大ヒットした
ベトナム版『ベトナムの怪しい彼女
Em là bà nội của anh』も観たいし...
製作が計画されているタイ、インドネシア、インド、ドイツ
各国版も観てみたい!
ドイツはナチス時代への反省から
(ナチスが故郷(の歌)を強調したため)
戦後は故郷の歌は作られなかったそうなので
「故郷抜き」の国民の歌や
大衆音楽がどのような変遷を経ているのか気になる。
to be continued...!?
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