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紺洲堂の文化的生活

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紺洲堂主人@ Re:素晴らしい建物でしたね。(01/09) mrtk@jpさん 日本の景観って、スクラップ…
mrtk@jp@ 素晴らしい建物でしたね。 コンドル展も観てきましたが、本当、昔の…
mrtk@jp@ お久しぶりです&あけましておめでとうございます この展覧会、私も行ってきましたよ♪ 本当…
masashi25@ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…

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カテゴリ:美術
 京都の平安神宮に向かって左側にありますのが、京都国立近代美術館です。本日は、オーストリアの現代美術家 フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの展覧会、人と自然:ある芸術家の理想と挑戦 フンデルトヴァッサー展にやってきました。大阪の人なら、一度は話題に乗ったことがあるでしょう。あの、けったいなゴミ処理工場、大阪市舞洲工場で話題になった人、といえば思い出されるでしょうか。

 税金の無駄遣い、という声も聞こえますね。テレビなどの税金無駄遣い企画にもしばしば登場する建物ですが、あんなにブッとんだ建物を後世に残すことが出来る、というのは計り知れないプラス面をもたらしてくれるものです。貴重な文化財というのは、昔から残っているものを残すだけではなく、自分たちで新たに作り出さなければならないという面もあります。

 少なくとも、通常よりも高い建築費をかけたのでしょうから、いかに生かしていくか、ということを考えれば、かならずしも「無駄遣い」とは言われないと思うのですが・・・・。


 閑話休題。

 そのフンデルトヴァッサーの展覧会なのですが・・・。これはいいですねえ。ここ最近感じていなかったゾクゾク感がする、とても良い展覧会でした。いやあ、最終日に京都まで飛んできた甲斐がありました。会場の様子は、近代美術館のHPでご覧ください。


 今回、会場に設置してあった「ブルマウ温泉村、ローリング・ヒルズ」の模型。ホテルと温泉の中心とした複合施設の模型で、実際にこれは実現しているのですが、建築物のデザインが舞洲の工場みたいになっているわけです。目の形の家があったり、カタツムリっぽい家があったり、うねった丘の下に家があったり。それら、すべて曲線で作られています。


 いやあ、これは写真じゃ分からないですよ。というのは、模型の見る方向によって、建物が見えたり見えなかったりする。つまり、建物の方向が一つの方向に統一されていないので、見る位置によって建物の壁面が丘の下の死角へと隠れてしまうので、常にどこかしらの建物は見えない状況になっている。見えている部分も曲線ばかりで苦にならない。つまり、自然と調和しているのに、フンデルトヴァッサーの作品なんだぞ!という自己主張が見える。

 こりゃ、大した芸術家です。やはり、自分の芸術や環境に対する考え方の根幹が、しっかりしているのでしょう。これだけの建物群を、ひとつに纏め上げる手腕は、大したものです。日本にもリゾート開発数あれど、どれも個性が感じられませんが、ここには感じられる。ここにしかない、というプレミア感がある。現地に行ってみたいと思わせる作品ですよ。きっと、内部や、施設の設置などにも、彼の思想が息づいているのではないかなあ、と思いました。


 さて、他には彼の版画類も展示されております。日本の浮世絵の技術を使って日本の職人さんが仕上げたものもあるのですが・・・木版画のイメージが変わりますね。こんなに原色の、一見すると毒々しい作品なのですが、浮世絵の技法を使っているとは・・・雲母の銀色が素晴らしいなあ・・・。

 他にもシルクスクリーンなどの版画作品が多く見られました。どれも、「これぞフンデルトヴァッサー」と思わせるような毒々しさがあるのですが、それがどうも文明や自然の隠し持っている気味の悪さを、よく表現していると思いました。これは、パワーがありますね。


 ちなみに、この作品群を飾っている額は、壁から10センチほど離されて、ちょっと浮いた感じで展示されております。これは、フンデルトヴァッサー自身の指定で、自分の作品を展示するときには、壁に固定しないで欲しいということからなされた処置だそうです。ただし、これがなされていたのは、海外の所蔵品が中心で、日本国内の貸し出し元は、大切な作品が不安定な状況に置かれるのを嫌がるので、それらは壁に固定してある、とのこと。

 まあ、どちらの気持ちも分かりますけど・・・・。個人的には、ちょっと浮いた感じの方が良いと思いました。


 フンデルトヴァッサーの建築作品は、スペインのガウディ的な曲線の使い方、自然に学ぶ姿勢、色使いが見られますし、平面作品はアウトサイダー・アートに通じるパワーを持っています。若い最初期のほうの作品も展示してあったのですが、これがごくごく平凡な風景画なのです。いったいどこから、こんなところまで行っちゃったんだろう、と思わせます。途中の作品が無いんですから。

 いやあ、これには参りました。ここ最近では、一番ですね。






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Last updated  2006.06.21 05:33:42
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