|
カテゴリ:経営法務
【問題】
各文章を読んで、下記の設問に答えよ。 甲は、自ら2億円を出資し乙から1億円の投資を受けて、2名の株主で新会社を 設立しようと考えており、発行する株式の種類に関して、中小企業診断士丙に アドバイスを求めた。 以下に示すのは、甲の質問とそれに対する丙の答えである。 甲「乙に利益処分案についてしか議決権を有しない利益配当優先株を発行したと します。定款に特別な定めがない場合、優先配当が実際にできなかったときには 乙の株式に利益処分案以外についての議決権が復活しますか」 丙「しません。」 甲「利益配当優先株を発行する場合、総会決議次項ではなく、取締役会決議 次項である代表取締役の選任について、乙に拒否権を与える株式を発行する ことはできますか。」 丙「できます。」 甲「それでは、5名の取締役をおく場合、(※)私のみが出席にする総会だけで3名、 乙のみが出席する総会だけで2名の取締役を選ぶという株式(※)を発行すること はできますか。」 丙「できます。ただし、そのような株式は、定款による株式譲渡制限が なされている会社でのみできます。」 甲「そのような株式を発行しておいて、今後第三者から投資をしてもらうときには、 その者に対しては取締役を選任できない株式を発行することができるのですか。」 丙「できます。ただし、その場合は取締役を選任できない株式は、発行済み 株式総数の二分の一を超えて発行することはできません。」 ////////////////////////////////////////////// 文中の(※)にはさまれた「私のみが出席にする総会だけで3名、乙のみが 出席する総会だけで2名の取締役を選ぶという株式」の株式が発行され、 乙のみの総会によって選任された取締役丁を解任する方法として、最も 適切なものはどれか。 1.丁は、乙のみが議決権を有する種類株主総会で選任されたのだから、定款に 特段の定めがない限り、当該種類株主総会で解任できるが、甲と乙双方が 議決権を有する通常の株主総会では解任できないのが原則である。 2.丁は、乙のみが議決権を有する種類株主総会ではその特別決議で、甲と乙 双方が議決権を有する通常の株主総会ではその普通決議で解任できるのが 原則である。 3.丁は、乙のみが議決権を有する種類株主総会ではその普通決議で、甲と乙 双方が議決権を有する通常の株主総会ではその特別決議で解任できるのが 原則である。 4.丁も、乙ではなく会社に対して善管注意義務を負っているのだから、定款に 特段の定めがない限り、甲と乙双方が議決権を有する通常の株主総会のみで 解任できるのが原則である。 (平成16年 第3問 設問2) -------------------------------------------------------------- 本日ある方から問題・解説に関してご指摘を戴きました。 ご指摘を戴きました問題は、月曜日に出題いたしました財務会計の問題です。 限界実効税率についての問題です。 戴きましたメールはこのような内容です。 (お名前は伏せさせていただきます。) ************************************************ 解説が全く理解できません。限界実効税率の意味もよく分かりません。 解説のように、税引き前キャッシュフローに限界実効税率を掛け合わせると 税引き後のキャッシュフローが解答になるのが分かりません。 この計算式では税額が算出されるのではないでしょうか? 私の勝手な解釈では、限界実効税率とは 実効税率を求める式を微分したもの であり、増えた所得分に対する増えた税金分を表すものと解釈しました。 そこで問題から、増加したキャッシュフローは 40+100=140 限界実効税率 0.4 から 140×(1ー0.4)=84 ではないかと思うのですが。 ************************************************* それに対して、私は下記のように解答させていたきました。 ************************************************* この点について私も迷ったのですが、私がわかる範囲でお答えさせて いただきます。 限界実効税率とは、「限界実効税率は,企業の1円の投資によって生み 出される経済的所得が,どの程度の法人税を負担しているかを示す指標 である。」と書かせていただきました。 大学のサイトから抽出した内容になります。 まず問題点としては、限界実効税率とは何かという定義が曖昧である ということがあると思われます。 これを私は、法人税(実効税率)を負担している経済的所得(キャッシュフロー)率 であるというように理解しました。 よって何%かの法人税を負担している経済的所得率が40%ということなので 経済的取得の190万円に40%を乗じた76万円を正解としました。 正直なところ私自身も鈴木様と同じように考え、試験の際には、 2の「84万円」と解答しました。が、TACやLECなどの解答速報などを見ると 全て1の「76万円」が正解となっておりました。 そのため私もこれについて「間違いない!」とは言い切れないところなのです。 まず解答ありきで考えて、そこからこの解答になるということは、限界実効税率とは こういうものだろうということで解説させていただきました。 解答速報自体が間違っているということもあるようですので、 なんともいえないのですが・・・ 数社からの解答が同じであるということは、そういうことなのだろうという解釈を してしまったところもあります。 これについて、いろいろな方に伺ってみますので今しばらくお時間を いただけますでしょうか?申し訳ありません。 **************************************************** 情けない話なのですが、どなたかみなさんの中で明快な解答ができる方 いらっしゃいませんでしょうか? お力をお貸しいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 では、本日の解答をどうぞ。 -------------------------------------------------------------- 【解答】 1.丁は、乙のみが議決権を有する種類株主総会で選任されたのだから、定款に 特段の定めがない限り、当該種類株主総会で解任できるが、甲と乙双方が 議決権を有する通常の株主総会では解任できないのが原則である。 商法第222条第1項第6号より、各種類株主が取締役及び監査役を一定の 人数選任することを定めることが可能である。 会社がかかる定めをする場合には、全ての種類の株式について定款をもって、 各種類の株主が取締役等を選任することの可否及び可とする場合の 選任可能人数、その他一定の事項を定める必要がある(商法第222条第7項)。 取締役等の解任についても、その取締役等を選任した種類株主の特別決議で 行うことができる(商法第257条ノ3)。 参考:http://www.azx.co.jp/mm/bn/4_2.htm 優先株式について 参考:http://www.nomura.co.jp/terms/ya-gyo/yuusenkb.html 以上 最後までお読み戴きありがとうございました。 明日もよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[経営法務] カテゴリの最新記事
|