我が家は皆水泳が大好きなので、この季節はたまりません。
世界水泳が始まってからは、夕飯を食べながらローマの午前の部を見て、朝起きたら、夜中に行われた午後の部の結果を見るという生活。
その世界水泳も終盤に入ってきました。
今回の世界水泳ほど「
水着問題」が顕著になった大会はありません。
皆が熱に浮かされたかのようにイタリアの
ジャケド(Jacked)社の水着を着て、いとも簡単に世界記録を破るという風景は異様・・・何かが間違っていると思わざるを得ません。
Jaked社のHP
アメリカの
マイケル・フェルプスがドイツの新星
ビーダーマン(「ビー玉」に響きが似てる!)に世界記録をさらわれた上に負けるという「事件」も。
15歳から5年間一日も休まず練習を積み重ねてきたフェルプスも、北京五輪の後、6ヶ月も練習を休み、その間大麻事件もあったりして、疲れが見えるのかなあと思っていたけれど、まさかこんなことになるとは本人も思っていなかったでしょう。
あくまで
スピード社のレーザーレーサーを着て勝負に挑む姿勢を崩さないフェルプスは、失意の底から立ち直り、得意のバタフライ200mでは見事自分の世界記録を上回って金メダル、水着で浮き足立った今回の世界水泳に矜持を示してくれました。(フェルプス以外はなんと皆Jaked社の水着着用)
日本勢ではただ一人の金メダリストである
古賀も
デサントの水着でした!
古賀水着はデサント社製
世界水泳連盟は、来年1月から「織物」の水着に規制すると発表してましたが、早くもジャケット社は織物でも高速水着を開発していると自信を見せました。
世界記録はどんどん更新されているけど、やはり水着の力ではなく、人間の力で競われるべきでは?
それに水着が開発されればされるほど、公平な使用を促すべきでしょう。
今回世界記録を出しまくっているイタリアの
ペレグリーニ自身がミズノとアドバイザリースタッフ契約を結んでいるにも関わらず、準決勝と決勝はジャケド社製の新型高速水着を選び(前日の予選はミズノ社製の水着を着用)、「ミズノを使いたかったけど、差は歴然としている。」と語っているところからも、この記録が「水着」によって出されていることが伺えます。
日本の松田も、世界の潮流に置いていかれないようJaked社の水着を着たと語っていましたが、それでいいのでしょうか?
平井コーチもフェルプスのボーマン・コーチも、今回の世界記録は、これまでとは別物と言い切ってます。
水泳が変な方向に向かっているように思えてなりません。
さて、今回一躍有名になったJaked社ですが、元々は機械関係の会社であったとか。
Jaked社社長インタビュー
社名は、ジャコモとエドアルドという二人の息子さんの名前を組み合わせているそうです。
日本でも、元々違う分野であった会社が、今や世界のウェットスーツの6割以上のシェアを誇るようになったという会社があります。
大阪の
山本化学工業という会社です。
山本化学工業のHP
ちなみに、今回背泳200mで世界記録を出したピアソルも、この山本化学工業が作ったバイオラバースイム素材を使用したアリーナ社製の水着を着用していました。(ちなみに入江くんは、デサント社)
入江くんといえば、今朝の毎日新聞に日本水泳連盟理事であり、ソウルオリンピック背泳ぎ100m金メダリストだった
鈴木大地氏がおもしろい見解を載せていたので、ご紹介します:
200m種目は100mよりもペース配分が何通りか組み立てられる。序盤から飛ばしていくのか、中盤でジワジワ上げていくのか、あるいは終盤にまくっていくのか。それぞれの個性や戦略、経験がものをいう。
入江の場合、オーソドックスに攻めた。いつもの自分のレース・タクティクス(戦術)を貫いた。それは近頃の入江の自信がそうさせたのかもしれない。前半をそこそこのペースで入り、ラスト50mで力を発揮するといういつものプランだ。
5月の日豪対抗以降、入江のレースが研究されてきたように思う。ピアソルにとっても入江のラストの強さは脅威でもあっただろう。まるでリールで引っ張られるようにしてスルスルとゴールに飛び込むのだからたまらない。その対策としてピアソルとライアン・ロクテの米国勢は、150mまでに体1つのリードを奪うという作戦を立てたと思われる。
50mを過ぎてからピアソルとロクテはペースを上げ、入江を引き離しにかかった。逆に入江は終盤に備えセーブ気味。ここから150mまでの泳ぎが今回の勝敗を分けたと言ってよい。
ラスト50mを残しピアソルと入江は1身長差。さすがの入江でも2メートル近くあるピアソルとの体1つ分の差は大きかった。ゴール前猛追するも届かず、ピアソルが理想的な展開で若武者の挑戦を振り切った。ロクテは150m過ぎに力尽きたものの、ピアソルは入江が見えていただけに落ち着いて泳ぎ切った。
今回のレースは入江の負けというよりはピアソルの作戦勝ちといえる。わずかに2分にも満たないレースにも駆け引きはある。大舞台での駆け引きは通常の練習だけでは身に付かない。入江にはよい勉強の場となったことだろう。今後は辛抱強く王者を追い続ける姿勢が大事だ。3年後はそれぞれ年齢を重ねるため、どちらが有利かは明白である。ロンドンでの勝負が見たい。
引用終わり↑
「tactics」・・・何とも人間的な響きです。
それこそ水着のハードな部分の闘いとなってしまった今回の大会に今後の水泳の道を示してくれているように私には思えます。
ピアソルも、引退が頭によぎるようになってきたのではないでしょうか。今年の大会はなんとしても負けるわけにはいかなかった彼の事情も感じられます。
入江頑張れ!!
ロンドンの大会が楽しみです。