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第二話 ナノコスメを知る 秘話15… (美容・コスメ)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】

コスメあら!?カルト??

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2012/05/18 楽天プロフィール Add to Google XML

 第二話 ナノコスメを知る 秘話15
[ コスメあら!?カルト?? ]    


更新停滞で、すみません­第二話 ナノコスメを知る 秘話14の続きです。

化粧品に含まれる有効成分を
お肌の深部に送り届ける事が可能なリポソーム技術ですが
この『リポソーム』という言葉。

表立って商品の謳い文句として使われていなくても
ナノカプセル化」「ナノ化」「浸透技術」といった謳い文句で
今では小さな化粧品メーカーの商品PRとして
よく目にするようになりました。

でも、この『リポソーム』という言葉
なぜコーセー以外のメーカーは表立って使わないのでしょうか?

浸透性の先端技術を広報するPRツールとしては
大変有効な文言のはず。

「モイスチュアリポソーム」という販売名の商品があるから
商標か何かでヨソは使えないとか?

コーセーが特許を持っている?
いえいえ、そもそもこの言葉自体に独占権は全くありません。

でも、実はこの言葉を商品名として使用するためには
ある条件を満たさなければならないのです。
それどころか、商品のPRポイントとして広告などにも
この言葉を使ってはならない事になっています。

それはなぜかというと
「リポソーム」という言葉は
医薬品のDDSシステム技術そのものの呼び名であって
この言葉を化粧品に使用するという事は
つまりは化粧品の成分を皮膚の表皮だけでなく真皮
さらには血管を通して体内にまで導入させる
という事を意味するからです。

そう、化粧品は皮膚粘膜を超え
カラダの中まで浸透してはいけないモノなのです。

これらの理由から
商品名だけでなくPR文句にリポソームという言葉を使用するためには

 1.製剤中で本当にリポソーム構造が形成されているか
また、月日が経過してもそのカプセル構造が壊れないかの証明をする事。

 2.リポソームが皮膚を超えて体内にまで及ばない事(浸透が角質層で留まる)を証明する事。

以上二点の条件をクリアし
きちんとデータで証明をしなければなりません。

ちなみにこれらの証明をするには
電子顕微鏡写真や皮膚を使った臨床試験データなど
膨大な費用と年月をかけて作成して提出しなければならず
到底、中堅以下のメーカーでこれらを満たす事は
不可能なのです。

特に2点目の「浸透性の制御とその証明」に関しては
証明データの採取に大変高度な技術を要するだけでなく
それを厚生労働省の薬事審査官が
目で見て分かるカタチのデータで
証明しなければならない点が難解です。

ちなみにあのコーセーですら
モイスチュアリポソームの商品名を取得するのに
何年もの歳月を要した事からも
その困難さは容易に理解できます。

裏話として、実はあの商品
これらの理由から発売当初はリポソームの名前に許可がおりず
別の商品名だった事は密かに有名な話です。
「化粧液」の名称は
その頃の名残りと言われています。

という事で
仮にリポソームの浸透性技術を謳っているメーカーさんであっても
この言葉は安易に使えませんし
ましてや真皮や皮膚の奥にまで成分が浸透し
効果を発揮する等という文言で
商品をPRしてはならないという事です。

*

さて、ここまではリポソームという言葉に拘り
そのバックグラウンドのお話をしてきました。

でも、前回書かせて頂いたように実際の市場では
さもこの技術を応用したかのごとく商品説明をしているコスメを
頻繁に見かけます。

ここで皆さんが疑問に思うのは
コーセーでさえそれだけ苦労をしてきたにも関わらず

中堅以下のブランドで本当にそれが可能なのか?
本当にどの製剤にもそれが応用されているのか?


という点でしょう。

そこで、その謎を解明するために
化粧品業界におけるリポソーム技術の進歩と歴史を
紐解いてみましょう。

ただし、基本的にこの技術は
各社内密のうちに基礎研究が重ねられてきたため
私の知る範囲において進歩の経緯をお話していきますが
一部誤解や不足点があったとしてもご了承下さい。

続く



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Last updated  2012/05/18 04:36:34 PM
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2012/05/08

 第二話 ナノコスメを知る 秘話14
[ コスメあら!?カルト?? ]    

第二話 ナノコスメを知る 秘話13の続きで
成分を皮膚の奥にまで送り届ける
ナノ技術の説明です。

前回も書いたように
通常の界面活性剤を使った普通の乳化では
成分を皮膚の内部にまで浸透させる事はできません。

もしもそれほどカンタンにできるのであれば
医薬品メーカーはわざわざ薬を口から飲んだりしなくても
皮膚に塗布するだけで有効成分を体内に導入できます。

では、そのナノ技術とはどういったものなのでしょうか?

それは皆さんも耳にした事のある
『リポソーム』という技術です。
そう、コーセーの「モイスチュアリポソーム」という
製品名にも使用されていますね。

このリポソームとはどんなものなのか
分かりやすく説明していきましょう。

模式図をご覧下さい。
リポソーム

この図のようにリポソームは
通常の界面活性剤を使った乳化粒子とは全く異なり
界面活性剤のように親水基と疎水基を持つ
リン脂質(レシチン)がキレイに列を作って横に並び
さらにそれが向かい合って二層に並んで
『脂質二分子膜』を作る事を基本としています。

これは人間の皮膚に存在する脂質構造と同じものです。

そしてこの膜を円形に並ばせて球状にし
その膜の内側に有効成分を内包させる技術が
『リポソーム』です。

また、この球状のカプセルは
ナノサイズの大きさに調製しなければ
安定な状態で維持されないため
結果的にこれはナノ技術という事になるというわけです。

この技術は
医薬品・医療の業界でDDS(ドラッグデリバリーシステム)として
薬剤を体内に導入する技術に応用が進んでいるものです。

最先端の技術では
このカプセルが壊れて内包された薬剤が
放出されるタイミングをコントロールできるところまで
研究が進んでいます。

という事で
昨今のコスメで
有効成分を真皮の奥にまで送り届けるカプセル技術
などといった謳い文句がなされているナノ技術は
これの事を指しています。

さてさて、ここまで少々肩の張る退屈なお話をしてきました。
でも皆さんの興味は
「こうしたナノ技術を謳っているコスメは、全て効果があるのか?」
そして
「本当に、謳われている通りの技術が導入されているのか?」といったところにあるでしょう。

いよいよ次回からその辺りの見極めをするために
化粧品業界におけるリポソーム技術の歴史を
お話していきましょう。

実は・・・といった秘話が満載の次回を
お楽しみに。



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Last updated  2012/05/08 03:59:59 PM
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2012/04/27

 第二話 ナノコスメを知る 秘話13
[ コスメあら!?カルト?? ]    

第二話 ナノコスメを知る 秘話12の続きです。

前回までに
水の中に油を混ぜた乳化粒子のお話を進めています。

そこで、イメージしやすいように
オイルドレッシングの例を取り上げました。

さて、ドレッシングも懸命に振れば振るほど
オイルの粒が小さくなるように
クリームや乳液も懸命に混ぜれば混ぜるほど油のツブは小さくなり
小さな粒子にする事ができます。
(とはいえ、ドレッシングには界面活性剤は含まれていませんので
いくら振ってもマヨネーズのように白く乳化する事はありません。)

ここで登場するのが
化粧品会社各社が持っている「特殊な混ぜる機械」です。

当然、手でシャカシャカ混ぜるのとは訳が違い
様々な物理理論や先端技術を駆使し
小さな小さなツブにするのが化粧品技術です。

例えば、その攪拌機の物理理論にはこんなものがあります。

・高速で混ぜる
・高圧でぶつける
・すりつぶす
・破壊する
・非常に小さな目を通す


こうした特殊な機械を使う事で
乳液やクリームの乳化粒子をより細かくするわけです。

ちなみに、なぜこうした高価な機械を導入してまで
細かい粒子にする必要があるのでしょうか?

それは、配合する界面活性剤をより少量にして
消費者のニーズに応えるために他なりません。

というわけで
ここでようやくナノのお話に繋がる
『粒子』という言葉が出てきましたね。

そうです。
ここで言うところの『油のツブ』
乳化粒子なんですね。

そして、それをナノレベルにまで小さくする技術が
ナノ技術というわけ。

「なんだ、そういう事か。」
いえいえ、これで納得するのはちょっと早いのです。

確かに、この一般的な乳化粒子を
単に細かくするだけでも
それはナノ技術と言えるかもしれません。

もちろん、粒子の大きな乳液やクリームに比べると
浸透性もある程度は良いものができます。

これは『マイクロエマルジョン』という技術ですが
ただしそれは、あくまでも角質層のレベルでのお話であって
バリア層を突破し
皮膚内部に成分を送り届けるには至りません。

ここでようやく成分を皮膚の奥にまで送り届ける
ナノ技術の説明に入っていきます。


次回に続く


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Last updated  2012/04/27 09:37:20 AM
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2012/04/23

 第二話 ナノコスメを知る 秘話12
[ コスメあら!?カルト?? ]    

第二話 ナノコスメを知る 秘話11の続きです。

前回は、大きな意味で『乳化粒子』という事で
説明していきましょうで、終わっていましたね。


それではまず、
乳化粒子とはどういうモノか
きちんと理解しておく必要があります。

皆さんも、乳化という言葉くらいは耳にした事があるかと思いますが
ナノコスメを知るためには
再度ここで正しく理解しておきましょう。

乳化と聞くと皆さんも頭に思い浮かべるのは
乳液・クリームといったアイテムでしょう。

その通り、化粧品で乳化というと代表的なアイテムは
「乳液」「クリーム」の二つになります。

いえ、正確には実は
この二つが「分かりやすい」と言っておきます。

では、実際にクリームの乳化粒子とはどうなっているのか
詳しく説明していきます。

それは、顕微鏡で見るとはっきりと理解ができます。

kenbikyou.jpg

これが、顕微鏡で見た一般的な乳液の乳化粒子です。


乳液には、通常絶対に混ざり合う事のない
油と水が配合されていますので
この二つがこういうカタチで
粒子になっているというわけです。

これがもっと肉眼で見える位大きなモノとしては
オイルが配合されたドレッシングを思い出してもらえば
非常に分かりやすいでしょう。

油と水が分離したドレッシングを
シャカシャカと混ぜると
油がこうした玉状のツブツブ状態になるのを
皆さんも見ていると思います。

ただ、ここでクリームの乳化粒子と異なるのは
ドレッシングの場合は時間とともに
どんどんと油のツブが集まってきて
やがてはもとの二層に分かれてしまう点です。

クリームや乳液がこうして二層に分かれてしまうと
これは困ったものです。

同じ油と水なのに
なぜドレッシングのように分離しないかというと
これを界面活性剤が
つなぐ役目を果たしているからです。

ユーザーの皆さんは
よく誤解をされているのですが
こうして顕微鏡を見れば分かるように
界面活性剤は油を水の中に"溶かしている"のではありません。

この写真のように油と水とが
玉状になって分かれているのは
界面活性剤がない状態も全く同じです。

ただ異なるのは
界面活性剤が配合されている事によって
油のツブがドレッシングのように集まる事なく
"水の中にジっとそのまま維持されている"
というのが正しいんですね。

つまり、界面活性剤が油のツブの周りにくっついて
周りの水と関係をつなぎ止めてくれている
と想像すると分かりやすいでしょう。

模式図で見るとさらに分かりやすいですね。

emulsion1.jpg
こんな感じで、油のツブの周りに界面活性剤が取り巻き
油同士が集まってこないように維持しているという訳です。

お話が少し難しくなってきましたので
頭を少し休めて続きを次回に譲りましょう。


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Last updated  2012/04/24 11:40:24 AM
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2012/04/18

 第二話 ナノコスメを知る 秘話11
[ コスメあら!?カルト?? ]    

第二話 ナノコスメを知る 秘話10の続きです。

前回までに、ナノコスメと言われるナノ技術のひとつ
微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛のお話をしました。

次に、もうひとつのナノコスメとしてよく語られる
「成分のナノ化技術」について
お話を進めていきます。

このナノコスメとして
化粧品メーカーでよく謳い文句で使われる文言が
『浸透化技術』
『真皮にまで成分を送り届ける』

といった表現です。

つまり、成分を皮膚内の奥深くにまで
浸透させる技術という意味です。

では、ここでは具体的に
何をナノ化しているのでしょうか?

おそらくユーザーの方々は
「成分をナノ化している。」
と解釈されている方が大半ではないでしょうか?

しかしながら、これは根本的な間違いです。

例えば、なんらかの植物エキスを
皮膚の内部に送り届けて有効性を高めたいとしても
有効成分というのは化学分子ですから
それを小さくするなんていう事はできません。

例えば高分子(ポリマー)であれば
色んな分子の集合体なのでそれを分断し
分子を小さく分解するという方法はあり得ますが
有効成分は基本的に単体の化学成分であるため
それ以上分解する事はできません。

とはいえ、ユーザーがこうした誤解を招くように仕掛けたのは
謳い文句の表現をしているの販売メーカーであり
販売側の重責だと言えるでしょう。


では、いよいよ本題ですが
そうなると、何をナノ化しているのでしょうか?

その答えをカンタンに言うとすれば『粒子』です。

でも、ユーザーの皆さんには
粒子と言われてもなんの事やらよく分かりません。

酸化チタンの場合は
素材の大きさそのものを粒子と言い
それを小さく砕いたものを微粒子と呼んで
ナノ化していると理解しました。

でも、ここでは既に分子の状態になった化学物質です。
ですので、全く意味が異なります。

その答えは『乳化粒子』です。

実は、乳化粒子と言ってしまうと
誤解を招くケースもあるのですが
まぁ、ユーザーの皆さんに分かりやすいように
ここは大きな意味で『乳化粒子』という事で説明していきましょう。


続く・・・



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Last updated  2012/04/23 04:34:25 PM
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2012/04/11

 第二話 ナノコスメを知る 秘話10
[ コスメあら!?カルト?? ]    


日々、化粧品開発現場で色々なことを見聞きすると
気になることがチラホラ。
それにバタバタな毎日が重なったら・・・。
ナノコスメの秘話が「下書き」のまま、
途中で放置状態になっていることに気づきましたӤä
びっくりするほどお待たせして、すみませんでした。

ということで、今日は、第二話 ナノコスメを知る 秘話9の続きです。


ナノサイズの微粒子酸化チタンが
皮膚内浸透をするかどうか

いよいよ論理的にその精査をしていきます。

まず前にお話した生体内浸透の条件
その第一段階の条件を満たしているかどうか
です。

分かりやすく一つずつみていきましょう。

1.分子量
酸化チタンの分子量は79.9ですので、ここはクリアです。

ただし、酸化チタンは金属で固体ですから
粒子が集まって集団を形成していますので
通常、その集まりを壊してやらないといけません。

例えば鉄(Fe)も分子量56ですが
鉄の塊を触ると皮膚から浸透するなんてお話は
聞いた事もないですね。

微粒子酸化チタンの場合は
それをナノレベルにまで壊していますので
ここは一応クリアされているとみて
考えておきましょうか。

お次。

2.生体親和性
酸化チタンは金属ですので
一般的には皮膚内への浸透は非常に考えにくいです。

例えば
「鉄を触ってて皮膚内に浸透してしまった。」
なんて事は聞いた事ないですね。
鉄分が皮膚から浸透するなら
ほうれん草は食べなくてもよくなります(笑)

ただし例外的に
水銀のように触れるだけで
皮膚内へ進入するモノもない訳ではありません。
ですので、ここは必ずしも「絶対」ではありません。

ただ、水銀の場合は室温で液化状態だから浸透するわけで
通常の金属は固体なので
浸透する事はあり得ないと考えるのが正論です。
ご存知のように酸化チタンは常温では固体なので
普通は浸透しないと考えるのが合理的です。

次いで

3.化学的浸透
酸化チタンは無機物なので
最初の第一原則から外れています。
そのため、この可能性は天文学的な確率で低いと言えます。

また、化学構造からみても
バリアを突破できる構造とおぼしき部分
(受動部位・アクティブな極性基)は見受けられません。
でないと、安全だと言われているミネラルファンデの顔料
酸化鉄の類いも全て進入する事になります。

最後に

4.DDS(ドラッグキャリアシステム)
当然ですが、普通に市販されているコスメの製剤に
わざわざ酸化チタンを皮膚内に浸透させようという
工夫をしたものはありません。

以上から
普通に考えると1.しかクリアできていないため
『浸透はしない』という結論が合理的です。

そしてここで私がもっとも声を大にして言いたい事は
皮膚の『免疫システム』です。

人間のカラダに物質が取り込まれるかどうかを議論する場合
経口投与(口や鼻の穴などの導入経路)に比べ
皮膚に存在する免疫システムはそんなに強くはありませんが
それでも異物進入に対する抵抗力は少なからず存在します。
つまり
『異物と感知されたモノは排出しようとするシステム』
が働くわけです。

ただでさえ皮膚の生理というのは
内から外へ代謝をしていくメカニズムになっています。
つまりは『真皮から表皮を経由して角質層への代謝』です。

ですので、基本的には外へ外へ出そうという
代謝の中で生理が行われてるという訳。
しかもその速度はターンオーバーといって
約1ヶ月というのは皆さんもよくご存知のところでしょう。

こう考えると
皮膚の免疫機能が酸化チタンを異物と感知せず
そのまま喜んで受け入れるとはとても思えないのです。

という事で私の脳内結論は
『微粒子酸化チタンは皮膚内浸透などしない。』です。

とまぁ、私レベルの化粧品技術屋が語る事ですから
真意の程は皆さんでご判断頂くとして

ナノサイズの酸化チタンが危ないと
論説を公に晒している人について
最低限この程度の理論を認識した上で精査されているかどうか
真意を推し量る材料にはなるでしょう。

色んなスキンケア理論や成分批判論評を語る方がおられますが
『日焼け止めの微粒子酸化チタンは皮膚内に浸透するでしょうか?』
『その理由は?』


この質問をする事で
その人のスキルのほどを判断できる材料になるかもしれませんね。

でも私のオススメはもっとカンタンな
『水は皮膚に浸透するでしょうか?』
という質問ですけどね(笑)

え?
メディアによく露出する著名な美容家の方々に
その質問をしてみたい、って・・・???


そんな極悪な事をしてはいけません・・・。

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Last updated  2012/04/11 04:15:23 PM
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2012/04/10

 化粧品作りの誤解~まとめ~
[ 日記 ]    

ここ数回に分けて、
化粧品作りの誤解について書いてきましたが、
本日は、そのまとめです。

<前回までの記事はこちら>
化粧品作りの基本

化粧品作りの誤解~その1~

化粧品作りの誤解~その2~

化粧品作りの誤解~その3~


例えば“誤解”の例からも分かるように
手作りコスメには
色んな角度から見た難しい障害はありますが
それなりのスキルさえ身につければ
ある程度自分オンリーのオリジナルなコスメには
たどり着けます。

でも、それは単に経験の長さや
コスメの事を単に知っているだけで埋められるものではなく
化学やプロの化粧品製剤学の知識がある方から
知識を得る事が必要
です。

もちろん、キッチンコスメの達人と呼ばれている方や
アロマセラピスト・BAさん・美容学校卒の方などが
学んでいる訳もありません。
こんな事を教えてくれる学校は存在しませんから。

学ぶべき師をしっかりと見極める。
間違いのない手作りコスメの第一歩の神髄は
ここにあると思って間違いありません。

ちなみにここ数年で
こうした化粧品製剤学を
基礎からしっかりと学べる大学が生まれています。

『岡山理科大学』コスメティックサイエンスコース

『千葉科学大学』化粧品科学コース

そういえば
以前に東京で手作りコスメについての
オープンセミナーを開催した事もありましたね。
その時の様子がこれ。
化粧品セミナー

結構たくさんの方々にご参加頂き
化粧品の製剤技術の基本を
興味津々で聞いて帰られました。

今後、こうした化粧品製剤学が一般に認知され
どんどん広まっていく事を期待しています。



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Last updated  2012/04/10 10:31:26 AM
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2012/04/06

 化粧品作りの誤解~その3~
[ 日記 ]    

前回の続きで、化粧品作りの誤解のお話の第3弾です。

■Cさんのケース
市販のビタミンC誘導体を購入し、
精製水に溶かして使っています。

一度に使いきれないので、
1カ月位冷蔵庫に保存しています。


これは全く効果はないとは言いませんが
1カ月もすればその効果は
半減していると思って間違いありません。

これはどの誘導体にも言える事ですが
ビタミンC誘導体は粉のままなら比較的安定ですが
水が加わると一気に安定性が悪くなります


そしてこの安定性をさらに左右するのが
以下の条件です。

1.pH
2.微量金属物質
3.紫外線などの光

pHに関しては
酸側でもアルカリ側でも効果がなくなり
誘導体の種類によって安定域があります。
その安定域は非常に範囲が狭く
0.5~1.0の範囲で調整されていなければなりません。

また、pHはそのまま放置するとスライドしますので
変化しないように緩衝剤を配合する必要があります。
これを「バッファー効果」と言います。
2.は、容器や水などにも微量金属が含まれていますので
これを封鎖しなければならず
金属封鎖剤なるものを配合しなければなりません。

その他にも
ビタミンC誘導体を水中で安定化させるノウハウが色々とあり
それらが化粧品会社各社の技術という事になります。

という事で結論。

ビタミンC誘導体は
水に溶かしたらその日のうちに
使い切ってしまいましょう。



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Last updated  2012/04/06 06:45:31 PM
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2012/03/30

 化粧品作りの誤解~その2~
[ 日記 ]    

前回の続きで、化粧品作りの誤解のお話です。

■Bさんのケース
酸化チタンを油に混ぜ、日焼け止めを作っています。
また、手作りのミネラルファンデにも酸化チタンを混ぜて、
日焼け対策にしています。

このケースは
ほとんど効果がないと思って間違いありません。
それどころか
場合によっては老化促進の要因
なってしまう事すら・・・。

まず酸化チタンは
化粧品用途では、紫外線を散乱する機能を利用していますが
と同時に工業用途しては
光触媒活性が強い物質としてよく知られています。

つまり、酸化チタンは紫外線にあたる事で
急速に接触物の酸化を促進します。
これをお肌に塗布するとどうなるのか???
もちろん、お肌が酸化されてシミ・シワの要因に・・・。

市販のコスメの酸化チタンが
シリコンやシリカ・水酸化アルミなどの成分を使い
表面処理されているのは
これを防いでお肌に直接触れないようにしているからです。

さらに紫外線散乱機能について言うと
家庭で行う手作業で混ぜただけでは
酸化チタンの粒子が凝集を起こしており
本来の数十分の一しか光散乱効果を発揮できません


化粧品に配合する場合には
その粒子の凝集をほどくために
キョーレツな分散や粉砕装置を使い
一次粒子にまで小さくします。
もちろんこれはマイクロやナノ粒子の世界なので
塊が目に見えているわけではありませんし
家庭で判断できるレベルの問題ではないのですね。

よくショップで販売されている微粒子酸化チタンを購入され
「微粒子なんだから、ナノサイズになっているはず。」
と反論をされる方がおられますが
残念ながら微粒子酸化チタンの粒子は
ひと粒ひと粒はナノサイズですが
素材単品で置いておくと粒子同士がくっつき
数十個の凝集した塊になっています。

図で説明するとこんな感じ。
titan.gif
この図を見ると同じ数の粒子でも
光の散乱効果に違いがありそうなのは容易に分かりますね。

また、一旦一次粒子に粉砕しておいても
このまま置いておくと再度くっつき合ってしまうため
私達化粧品工場では
タルクなどその他の顔料と一緒に分散させ
再度凝集しないように工夫を致します。

これらが紛体素材を扱う
化粧品技術のひとつです。

そして、だいたいおおまかに言うと
こうして一次粒子にまで粉砕した状態で
酸化チタン・酸化亜鉛を合わせて15%程度配合すれば
SPF値30程度が得られます。

さて、あなたが作った日焼け止めやミネラルファンデに
酸化チタン・酸化亜鉛をどの程度配合していましたか?
また、粉砕・分散していなかったとしたら
効果はその何分の一にも満たないですが、大丈夫?

日焼けは使用感やテクスチュアの問題ではなく
誤った使用は取り返しのつかない事になります。
後悔しても、シミ・シワは元に戻す事はできません。
くれぐれもご注意を。


という事で結論。

日焼け止めは手作りでは作れません。
また、手作りミネラルファンデに酸化亜鉛・酸化チタンを混ぜても
紫外線防止効果はほとんど得られません。



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Last updated  2012/03/30 07:26:01 PM
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2012/03/27

 化粧品作りの誤解~その1~
[ 日記 ]    

昨日の続きで、化粧品作りの誤解のお話です。

■Aさんのケース
石鹸や石鹸シャンプーに植物油を混ぜて使用感を調整しています。

石鹸や石鹸で作ったシャンプーは脱脂力が強いため
お肌に油分を残したいとの思いから
ホホバ油やオリーブ油をこれらに混ぜ
使用されるケースがあります。

残念ながら、これは意味がありません。
油を加える事で界面活性剤である石鹸の機能が薄れ
洗浄力が弱くなるだけの事になってしまいます。

つまり、洗浄剤としての石鹸の役目と
油は別々に存在するわけではないからです。
なので、加えた油の量によって以下のどちらかの状態になります。

少量の場合)
石鹸の洗浄力が弱まり、アブラ汚れがあまり落ちない。泡立ちも悪い。
かといって、加えた油分は洗浄剤で流されてしまうので、髪やお肌に残るわけではない。

過剰な場合)
全く泡が立たず洗浄力がなくなり、加えた油分が残る。
油分は髪やお肌に残っているが、汚れは全く落ちていない状態。

こうした状態は
女性の方々は食器を洗っているシーンなどで
よく体験されているはずですね。

アブラがギトギトのフライパンを少量の洗剤で洗ったら
まだフライパンの表面がヌルヌルして落ちていなかった・・・。

これは、油の量に対して洗浄剤の量が足りず
結果としてアブラ汚れが残ってしまった状態ですね。
つまり、アブラ汚れが落ちていなかったという事。
もちろん、まさかこの状態で
「まぁ、いいや」なんて思う方はおられませんね。

という事で、結論。
洗浄剤に油を混ぜるのは洗浄性能が落ちてしまうので
やってはいけません


ちなみにこの問題
資生堂のシャンプー「TSUBAKI」が
テレビの宣伝でも椿油を配合している事を謳っています。
もちろん、実際に配合もされています。
これを手作りで真似た方も多いそうです。

しかしながらこれは
単にシャンプーに椿油を混ぜただけではないのですね。
洗浄成分と椿油が別々の状態で存在できるように
製剤上のノウハウの上に成り立っています

これは石鹸に混ぜただけでは再現不可能ですね。


次回も引き続き、化粧品作りの誤解のお話をお届けします。

お楽しみに~。



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Last updated  2012/03/27 05:34:52 PM
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