|
カテゴリ:美術・芸術・展覧会
対決-巨匠たちの日本美術 2008年7月8日(火)~8月17日(日) 東京国立博物館 東京国立博物館本館11号室の 展示に心豊かになったマムは このまま立ち去りたいのを 我慢して「巨匠たちの日本美術」が 開催されている平成館へと向かいます。 11号室の密度の濃さに眼福を感じたマムは けちがつかなければいいけどなあと 思ったわけです。 ところが、ところがです。 もうふっとびました。 なにもかも。 展示室にはいってすぐに 運慶作の地蔵菩薩坐像が安置 されており「運慶はほんとうにいいわ~」と うっとりのマムです。 しっかりとした体なのになめらかでふくよか。 お顔もすがるに値するしかっりとしていて お優しいものです。 あ~、いいものを拝観できたと隣に目を 移して仰天しました。 東大寺公慶堂像 地蔵菩薩立蔵 快慶作 図録でしか観たことがなかった 幻の快慶作・地蔵菩薩立像がおられる ではないですか。 マムがこの地蔵菩薩さまにどれだけ 恋焦がれたか! この快慶作の地蔵菩薩立蔵は 東大寺・公慶堂に安置されている ということはわかっていたのですが、 公慶堂は非公開なのです。 ということは絶対秘仏に近いわけです。 図録で観る地蔵菩薩さまのお顔は 冷徹なほど美しく 衣装のきり金模様の緻密なこと。 お会いしたいとずっと願っていたのです。 その菩薩様が思いがけずして 目の前にいらっしゃるではありませんか。 ハァ~。 運慶のおおらかでいて力強い作風に たいして快慶は丹精にして優美。 目の前の快慶作・地蔵菩薩さまの 美しさは天上の美しさ。 民草の身近な信仰であった地蔵さまの このような美しさを拝顔できたならば 「極楽というものはこのように美しい 地蔵様がおいでなのだ」と悩める衆生は 往生できたでしょう。 お顔だちは整い、怜悧な美しさと 言って過言ではありません。 お体は運慶のしっかりした体躯に対し 丸みを帯びてふくよかだけれでども、ふっと お消えになりそうなものを感じます。 横から拝観すると、何とはなしに 法隆寺の百済観音さまを思わせます。 その衣はひだひとつどれをとっても 薄く、軽く、丁寧で美しいものです。 そして、衣装に隙間なくあらわされた 模様、きり金。 地蔵菩薩さまは白に薄緑の蓮の花に 本の少し右足に重心をかけてお立ちに なっています。 そしてそれらは白い雲に乗っているのです。 まるでふわりと宙を浮くようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[美術・芸術・展覧会] カテゴリの最新記事
|