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カテゴリ:大好きな奈良
2月10日:興福院→正暦寺→円照寺 1・2 2月11日:円照寺→奈良国立博物館
前回1はコチラ 普門山 円照寺 えんしょうじ 普門山 圓照寺 静謐という言葉が本当にぴったりです。 簡素で清潔。空気も冴え冴えとしています。 築地塀には最高格をあらわす5本の白線 が入っています。 大伽藍があるわけではありません。 唐破風の玄関、本堂にあたる茅葺の 円通殿に阿弥陀堂と簡素です。 左・書院 右・本殿(円通殿) 5本線の築地塀 茅葺の円通殿の茅がカラスによって ずいぶん傷められています。 寝殿造の書院の唐破風の玄関 コチラをクリックするとわかりますが 雨どいにも菊のご紋が入っています。 お庭に入ってみましょうか。 禅寺に通じるような簡素なお庭です。 阿弥陀堂 鎮守様 円照寺本堂 円通殿 ↑殆ど同じアングルの昔の写真を見たことがありますが、 その写真には置石の隣に銅製の繊細な模様のはいった 優雅な八角燈篭があったのですが・・・。 燈篭がないことには 家に戻り気がつきました。 お寺さんで気がつけば、執事さんに 聞いたのですが・・・残念です。 扁額 この茅葺の本堂の外陣・内陣そしてご本尊を 安置する厨子はとても質素で華美なところは ありません。 金ぴかの天蓋もなければ柱に極楽が描かれている わけでもありません。 しかし、厨子の欄間の木の彫りの見事なこと。 きらびやかな意匠はどこにもないのですが なんともいえない豊かな空間です。 問題は、この円照寺のご本尊さまです。 私は、門跡寺なら法華寺さんのように 十一面観音菩薩さまがお似合いだと思って いたのですが、こちらのご本尊は、エロス 漂う木造如意輪菩薩さまなのです。 8歳で得度されてつらいことは語りきれない ほどあったはずの山本静山尼さまは 「悲しいときもうれしいときもご本尊の観音様にだけ そのことをお話ししてきました。 私を慰め励ましてくださった観音様。今も観音様は 私の心の母です」とおしゃっています。 母としておすがりするのに如意輪さんは?・・・と 首を傾げていた私は、実際に円照寺さんのご本尊の 木造如意輪観音菩薩様を拝顔して、氷解しました。 厨子のなかにおいでの如意輪観音さまはそれはそれは 美しくお優しいお顔をしておいででした。 いままで如意輪さんを何度か拝顔していますが、 このような高貴なお方ははじめてです。 如意輪さん特有のなまめかしさはなく 慈しみをふくんだ綺麗なお方でした。 このご本尊ならば静山尼さまはひたすら 祈られたでしょう。 幼くしてこの寺に入られた静山尼さまは 幼心にこの美しさに圧倒されたのでは ないでしょうか。 円照寺ご本尊 木造如意輪観音菩薩 この如意輪さんの宝冠がまた見事なもの でした。中がくりぬかれ化仏がまつられて います。 光背もシンプルですが躍動的です。 天皇家に近しい門跡寺の寺宝の凄さを 目の当たりにした思いです。 ご覧になる方によっては この通称山村御殿、円照寺は 拍子抜けなさるほど質素でしょ。 以前、何かで読んだのですが、 「天皇家と深いつながりのある 円照寺は、いたるところに菊の紋が はいって、細部にいたるまで 豪華である」と。 とんでもありません。 たしかに要所要所に菊の ご紋ははいっていましたが、 豪華より簡素という言葉がぴったりです。 障子に菊のご紋がある!と発見しよく みると、なんと障子紙を菊の紋様に切り 抜いて貼り付けてありました。 なんともいえない神々しい空間。 加えていく美ではなく引いていく美。 を、 具現化しているお寺さんです。 円照寺ご朱印 次回:円照寺に魅せられたマムはなんと翌日もこの地へ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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