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ふるさとの話をしよう

「またフロイトの話をしよう」、という書き出しにしようとして、おや、このフレーズは何か耳にしたことのある感触だなと思い記憶の笊を探ってみたら、あった、北原謙二の「ふるさとの話をしよう」という歌謡曲が記憶に残っていたのだった。

で、脱線してユーチューブで北原謙二を検索してみると、1986年に歌ったものと、10年後の1996年に歌ったものがあって、両方見比べて愕然とした、たった10年で歌唱力がこれほど落ちるものか、(もともとあまり表情のない人だったが)まるで別人のように表情のない歌い方ではないかと。

1996年のバージョンに書かれたコメントを読んで思わず落涙した。北原謙二は1991年、51歳のとき脳内出血で倒れ左半身麻痺となりながらリハビリをして再び舞台に立てるまで回復したのだそうだ。コメントには更に、回復後の北原が全国福祉施設を回り慰問活動を行っている、とあった。心身の不自由で施設に入っている人たちが、どんなに彼の努力に勇気付けられたかと思う。ウィキペディアで調べると、残念なことに2005年に65歳で亡くなっていた。

というわけで、今日はもうフロイトの話はする気がなくなった。北原謙二の「ふるさとの話をしよう」の二つのバージョンのリンクを載せて、彼の冥福を祈りたい。(最初につけたリンク先は削除されていたので、新しいものに変更した。一番目が1985年のもの、二番目はおそらく1996年。6/5/2018追記)

1985年

1996年

砂山に騒ぐ潮風、かつお舟入る浜辺の
夕焼けが海を彩る、キミの知らない僕のふるさと
ふるさとの話をしよう

今頃は丘の畑に桃の実が紅くなる頃
遠い日の夢の数々、僕は知りたいキミのふるさと
ふるさとの話をしよう


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