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昨夜の・・・正確には今朝の日記には、お二人から心のこもったコメントをいただきました。ありがとうございます。
本来ならそれぞれにお返事を書かねばならないのですが、うまく言葉がつながりません。あるいはこの日記がお返事の代わりになるかと思います。 阪神大震災の体験は、本館の記念ページに残しておりますので、ここで繰り返しません。ただ、あそこに書ききれなかった思い出のひとつを、ここでご紹介しておこうと思います。 震災の後、私たち家族はほぼ2ヶ月の間、避難所になっていた教会と自宅の間で二重生活をしていました。 その間に自宅の方ははすっかり片付いて、日常生活にはほぼ差し支えない程度に復旧していましたが、なぜか避難所に残る人々のことが頭から離れず、教会を去りがたかったのです。 その2ヶ月の間、私が全く遠ざかってしまっていたものがありました。それは音楽です。震災前までは帰宅すると必ず食事より先にCDケースに手を伸ばしていたほどだったのに、あの日を境にして、私はいっさい音楽を聴かなくなりました。自分の人生、音楽を離れては生きられないと思い込んでいたのに、それは幻影にすぎなかったのだと思いました。 結局、震災後はじめて自宅で音楽を聴いたのは、あの日から3か月近くたった、ハナミズキの開く頃だったと思います。今は亡き家内のリクエストにこたえて、ある夜、全く久しぶりにCDをプレーヤーに乗せました。その曲が、今回おきかせしたメサイア序曲です。 私が音楽を聴いて、声を上げて泣いたのはそのときが最初で、おそらく最後でしょう。 こうして、音楽は私のもとに還ってきました。以前よりさらに、人生に不可欠の存在として・・・やがてちょっとした縁で教会の聖歌隊のお世話を手伝うようになり、さらにはそれがきっかけになって、MIDIにまで手を染めるようになったわけですが・・・ 実は、私がはじめて本格的に取り組んだクラシックのMIDI演奏が、この「メサイア序曲」でした。もちろんその当時の未熟な技術で仕上げたものだけに、本館MIDI部屋からも早々に取り下げてしまい、その後何度か改作を経て、今回でたぶんVer.4か5。やっと、自分の伝えたい思いが音にできたかな、と思っています。 音楽は人を癒やすことはできても、救うことはできない。その通りです。しかし人に立ち上がる力を与えることはできる。私はその力を信じたいと思います・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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