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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(か行)
監督:ジョージ・クルーニー 出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、 ロバート・ダウニー・Jr、ダイアン・リーブス 公式サイトはこちら。 <Story> 1953年、アメリカ。 第2次世界大戦後の、東西冷戦下、全米では、 共和党のマッカーシー上院議員の演説に端を発した反共キャンペーン、 「赤狩り」の嵐が吹き荒れていた。 それはあらゆる職場から、 過去に少しでも共産主義と関わりがあった者を探り出して追放することであり、 時に命を落とすものさえ現れた。 そして、三大ネットワーク、CBSにも、その影は近づいてきていた。 マスコミは、マッカーシーの報復を恐れて沈黙を守っていた。 しかし、CBSの看板ニュースキャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)と、 プロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)は、 「マッカーシズム」の矛盾と理不尽さを取り上げる番組を製作することにする。 初めに取り上げたのは、家族が共産主義者かと疑われただけで、 本人には何の落ち度もないのに、 除隊処分にされかけている空軍予備役仕官。 何故、何の罪もない人々が、 確たる証拠もないのに次々と職場を追われ、 社会的に追放されなければならないのか。 この番組の制作費を出すことに難色を示したCBS。 マローとフレンドリーは、自費で3000$を出して、番組の放送に踏み切った。 マローとマッカーシーの対決はこうして始まった。 <感想> この映画に賭ける、ジョージ・クルーニーの熱い想いが、 観客にも確かに伝わった作品。 「表現の自由」を生み出したアメリカにも、 かつて、このように、 何者かに恐れ、真実を伝えることを捻じ曲げたときがあったこと、 そして、それに屈しなかった人間達がいたという事実、 それらを忘れないでいて欲しいという想いであろう。 そして、そんな彼の意気込みは、 主演であるデヴィッド・ストラザーンをはじめとして、 キャストたちにも確実に伝わっているのだろうと感じた。 デヴィッド・ストラザーンは、 マローの話し方、愛用したタバコの銘柄、 風貌はもちろんのこと、思想に至るまで研究し、 まるでマロー本人が乗り移ったかのような演技を見せてくれた。 2人以外の登場人物である番組スタッフ達役も、 それぞれのポジションにあった役作りを的確に行った。 そして、1950年代のセット・小道具の再現は、 実に細部に至るまで忠実である。 50年前、今ではありえないことである言動についても、 当時の監修を受けながら再現している。 (↑ 例えば、フレッドが、スタッフの女性に、 「ハイ、Honey、新聞買ってきてくれないか?」 と頼むシーンなどは、明らかに今のアメリカ社会の雇用と違って、 女性がサポート的役割であったことを濃く映し出している。 また、当時のCBSは社内結婚禁止であったなどのエピソードは、 この時代ならではの話。) マローが鋭い眼光で訥々とTVカメラに向かって話し、 最後に、 "Good night, and good luck." と締めくくって、番組が終わった瞬間、 それまでのきりりとした顔が一瞬曇り、 不安げな表情に変わるところなどは、 自分達がやっていることは正しい、しかしながら、 何かを失うのではないか、という心の動きなどを映し出しており、 非常に細部まで念の入った演出を感じさせる。 そしてその懸念は、後々実際には的中してしまうのであるが、 その危険を犯してまでも勇敢に立ち向かう志があったということに、 深く感動した。 同じことをする報道人は、日本には果たしているのだろうか。 残念ながら、今までは現れていない。 そして、残念ながら、これから現れる確率も、非常に低いといわざるを得ない。 ********************** 今日の評価:★★★★☆ (この映画の心意気を見てほしい。 抑えた演技、カメラワーク、セット、小道具、音楽、 全てに細心の注意が払われている。 今の自分達の状況と照らし合わせて、考察することも、非常にいい経験になるであろう。) 「グッドナイト&グッドラック」オリジナル・サウンドトラック~フィーチャリング・ダイアン・... (↑ ダイアン・リーブスによる、ジャズ中心のサントラ。 何日かして、忘れられなかったら、 買おうかな・・・?) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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