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テーマ:映画館で観た映画(8310)
カテゴリ:洋画(や行)
監督・脚本 : フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 音楽 : ガブリエル・ヤレド 出演 : ウルリッヒ・ミューエ 、 マルティナ・ゲデック 、 セバスチャン・コッホ 鑑賞劇場 : CINECITTA川崎 公式サイトはこちら。 <Story> 1984年、東西冷戦下の東ベルリン。 国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、 劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と、舞台女優である恋人のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が 反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。 成功すれば出世が待っていた。 しかし予期していなかったのは、 彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。 国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、 盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、 いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。 ふたりの男女を通じて、あの壁の向こう側へと世界が開かれていくのだった…。 善き人のためのソナタ - goo 映画 <感想> 偶然が呼ぶ悲劇とはこれを指すのだろうか。 体制のなかで順応するためには選べない手段、 しかし真実に目覚めたものには、その枠組みは外さなければならないものだった。 愛を、自由を、守ろうとした、 しかし、守りきれなかった。
色彩のない世界に生きる人の心は、 やはりすさんでしまうらしい。 密告社会、監視社会、裏切りの社会、 己の信念に忠実な者は、明日の自由を剥奪される運命にあった。 表現の場を求めるためには、体制に呑まれるしかないのか。 自分たちの世界を侵そうとする権力から逃れるための、 また愛するものだけは守るための、必死の抵抗。
見えない支持者に守られていた。 しかし、己の弱さに負けたクリスタの行動で、 運命は大きく変わってしまった。 偶然が偶然を呼んだことが悲劇を呼んだ。 もしドライマンが盗聴に気付いていたら もしクリスタがあの夜大臣の許へ出かけていたら もしヴィースラーが証拠を移動しなかったら もしクリスタが秘密を守り通したら もしも、もしも、もしも、・・・・・・ いくつもの「もしも」に取り巻かれているけど、 その1つでも狂ったら、その後の運命までもが大きく変わっていく。 非常時においてはその判断が命取りになる可能性もある。 憎むべくは体制であるはずなのに。 恐らくは、冷戦時の東欧で、 たくさんのドライマンとクリスタ達が、無念の人生を送ったのだろう。 この瞬間も、世界のどこかで 息を潜めて体制に立ち向かおうとしている人々がいるのだろう。
今日の評価:★★★★★ (この悲劇の前には、何も語る言葉がない。) 善き人のためのソナタ サウンドトラック
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