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テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:洋画(か行)
監督 : クリスティナ・ゴダ 出演 : イヴァーン・フェニェー 、 カタ・ドボー 、 シャーンドル・チャーニ 、 カーロイ・ゲステシ 、 イルディコー・バーンシャーギ 、 タマーショ・ヨルダーン 鑑賞劇場 : シネカノン有楽町2丁目 公式サイトはこちら。 <Story> 1956年、ソ連支配の共産主義政権下にあったハンガリーの首都ブダペストで、 改革を求め学生運動に身を投じる女子学生ヴィキ(カタ・ドボー)と、 メルボルン・オリンピック出場を目前にした水球チームの花形選手カルチ(イヴァーン・フェニェー)が出会う。 それまで政治に無関心だったカルチも、秘密警察AVOや軍の横暴に傍観者ではいられなくなる。 同時にヴィキを愛するようになったカルチは、 オリンピックよりも彼女の傍にいることを決意するのだが…。 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956 - goo 映画 <感想> ハンガリー動乱。 ご存知ですか? 恥ずかしながら、正直、あまり詳しくは知らなかったです。 世界史なんかでも、現代史は駆け足で過ぎてしまうところだし、 東欧の改革のところはとにかく変化が多いところでしたから、 1つ1つを正確に教わることってかなり難しくないですか? ソ連崩壊なんかはさすがに語られていますけど、 ハンガリー動乱、50年前の、東欧の小さな国で起こったこと・・・ もちろん私が生まれる前ですからね。 どのくらい記憶に残っているのでしょうか。 この映画を鑑賞するには、当時の政治の予習が欠かせません。 東欧における民主化運動がどのようにして起こり、そしてどのようにして鎮圧されたのか。 公式サイトにもありますので、よかったら年表を見て下さい。 自由を渇望する気持ち、民族としての自立を求める動きは、 東西冷戦時代になってからもなお諸国の間にもあったけど、 それは大国の前にはもろくも捻りつぶされてしまう。 大国の論理から言えば、そんなことを許すわけには絶対にいかないから。 しかし、被支配国では、これ以上大国の支配に耐えられない状況が続き、 人民達は声を上げ始める。 それを力づくで鎮圧しようとする支配層。 自由の代償に、一体どれほどの血が流されればいいのだろうか。 立ち向かう民衆たちの裏の裏を掻いた嘘で、 容赦なく殺戮していくソ連軍。 殺されても殺されても、あとから武器を取る者は途絶えることがない。 自由への渇望は、自由の国に生まれた者には、到底理解できない。 自由であることが当たり前になってしまっている状況では、 それが如何に尊いものかなんて、気付くはずもない。 ヴィキの一途な自由への想いが、カルチを変えていった。 初めは傍観者、無関心、自分の立場を守るだけの男だったが、 彼女に出会って、本当に大切なものは何かがわかったから。 ただひたすらに愛するものを守り、愛する人と過ごせる空間を求め、 彼もまた武器を取った。 メルボルン・オリンピック水球の、ハンガリー対ソ連の流血戦の裏舞台というものが、 こんなにも切なく、血塗られた歴史だということを、 この映画から学んだ。 政治とスポーツは無関係のはず、 しかし、心情的にはとてもそうはいかなかったから。 全編、ハンガリー語。 当初、英語で・・・ という話もあったらしいが、 それではこの映画の意味がない。 祖国の言葉で語ってこそ、この映画に託した想いが伝わるのだから。 今日の評価 : ★★★★★ (自由への想い、それを得るための代償の大きさを、 しっかりと見ておきたいものです。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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