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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題 : UNSER TAGLICH BROT / OUR DAILY BREAD
監督 : ニコラウス・ゲイハルター 脚本 : ウォルフガング・ヴィダーホーファー 、 ニコラウス・ゲイハルター 鑑賞劇場 : シアター・イメージフォーラム 公式サイトはこちら。 <Story> 私たちの「いのち」と切り離せない「食料」を生み出している現場の数々を描いたドキュメンタリー。 野菜や果物だけでなく、家畜や魚でさえも大規模な機械化で生産・管理せざるを得ない現実を約2年かけて取材・撮影した。 全てに効率が必要とされている現代では、ひよこの飼育ひとつとっても目を見張るものがある。 野菜の栽培や収穫など、普段見ることの出来ない食料生産現場の唖然とするような光景が淡々と続いていく。 時に目を覆いたくなるような映像もあり、 改めていのちを「いただく」ことについて考えさせられる秀作。 監督はオーストリア出身のニコラウス・ゲイハルター。 作家性の強いTV映画やドキュメンタリーを得意としている映像作家だ。 いのちの食べかた - goo 映画 <感想> この日、イメージフォーラム2本目。 野菜、果物、食肉などが、淡々と大規模に収穫・製造されていく様子が、 セリフも何もなく、ただ映像として流れているだけの映画。 聞こえるのはただ、機械の音だけ。 ・・・・・と言ってしまえばそれまでだけど。 食べるためには、買ってくる。 買うためには、流通させる。 流通させるには、製造する。 製造するためには・・・? どこかで、そのいのちを、奪う必要があります。 だって、生きている動物をお店では買えませんしね。
ベルトコンベアーに、皮を剥がれて逆さづりになった鶏が次々と送られてくる。そして余分な部位を取り除いていく。 さっきまでコンベアーに元気に走りながら入っていった子豚ちゃんたちが、1周してくるとどういうわけかベルトの上で眠っている。そして次の映像では、お腹を割かれている。 きょとんとしている子牛クン。 次の瞬間、頭にピストルのようなものが当てられ、彼は死んでいる。 そして今まで立っていた場所が半回転して、身体がドサッとコンベアーに落ち、そしてぶら下げられてあらゆる部位が利用されていく。 こういうお仕事をしてくれている人たちがいるんですよね。 そして、彼らは休憩時間には、食事をしています。 しかも、先ほどの作業で、シャツに返り血がついたまんまです。 よくそんなことできるなあ・・・ なんて思ったりするのですが、平気で、それも肉とかをパンにサンドして食べています。 仕事だからもう、割り切っているというか、慣れてしまうのかな。 以前、ハムの工場を見学したことがあります。 とんでもない量の肉を、ただ黙々と切っている工員さんたち。 ガラス越しに見ていると、少し気持ちが悪くなってくるような光景なんですが、そんなお仕事をしている彼らに頭が下がりました。 「おいしい」と無邪気に食べているもの、 そうなるまでに、どのくらいの手がかかっているのか。 そして、大量生産するために、どれほどのエネルギーが使われているのか。 映画では、たくさんの作物も出てきます。 ズッキーニ、ひまわりの種、レタス、トマト、ピーマン、ホワイトアスパラ、 とにかく広い、そして大量生産。 広大な敷地に農作物を植えるため、作業はほとんど全て機械化されています。 畑が広すぎるため、それに合わせて機械を作っているんだと思います。 メガ収穫、とでも言えばいいのかしら。 いっぺんに行ってしまうからです。
どこに行っても機械の音から離れられません。 その金属音が嫌なのか、特に動物を扱う工員さんたちはヘッドホンを耳につけています。 動物たちを扱っていると、その1つ1つに「いのち」があることを忘れてしまうんじゃないかっていうくらい、日々処理に追われているようです。 そのいのちをいただく最初の工程をすることに、ちょっとだけは痛みはあるのでしょうか。彼らの断末魔の声を聞きたくはないですよね。 だから音楽を聴いているのでしょう。 いやいや、とにかくすごかったです。 せめて食べるときは残さないで、調理するときは無駄のないようにしないとね。 いのちをくれた彼らに申し訳ない気持ちでした。
今日の評価 : ★★★★ (自分たちが生かされているのは、こんなに多くのいのちのおかげだということを、 改めて思い知らされます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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