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テーマ:映画館で観た映画(8328)
カテゴリ:中国・香港映画、その他の映画
原題: LUST, CAUTION/色・戒 監督 : アン・リー 原作 : アイリーン・チャン 出演 : トニー・レオン 、 タン・ウェイ 、 ワン・リーホン 、 ジョアン・チェン 、 トゥオ・ツォンホァ 鑑賞劇場 : 109シネマズMM横浜 公式サイトはこちら。 <Story> 日本軍占領下の1942年の上海。 傀儡政府のスパイのトップであるイー(トニー・レオン)は、かつて香港で出会った女性ワン(タン・ウェイ)と再会する。 数年前、香港大学の学生だったワンは、抗日に燃える演劇仲間たちとイーの暗殺計画に加わっていた。 その時、イーが突然上海に帰ったことで計画は流れたが、レジスタンス活動を行う組織は、上海に戻っていたワンに再びイーの暗殺計画への協力を求める。 ワンはイーに近づき、彼の愛人になることに成功。やがて二人は…。 ラスト、コーション - goo 映画 <感想> とかく激しいシーンが話題ですけど、決してそれだけではないという妙な確信といいますか、 そんな期待を胸に鑑賞しました。 運よく予定がキャンセルになって、木曜だから空いてるなどと思ったらこれが! 半数以上埋まってます。 注目作なんですね。 恥ずかしながらトニー・レオンの映画はこれが初めてなのです。 あまり中国や香港の映画はご縁がなく。。。 以下、一応R-18ですので。。。 1人の、本当に純粋な女子学生が、衝動的な抗日運動の計画に頷いた時から、 己の本心と仮面との狭間で揺れ動き、 そしてそれを完璧に演じきらないといけなくなる運命は決まっていた。 戦時中の日本占領下の上海、明日をも知れぬ命を、祖国を守るために投げ出していく若者たち。しかしそれはあまりにも無謀すぎた。 素朴な女子学生、ワン・チアチーが愛国劇の主演女優になり、 それからの彼女は常に演じきることが要求された。 その「女優」ぶりは天性のものだった。そしてその官能的な美しさゆえに、標的であるイーと愛人関係になってしまう。
目的達成のためなら進んで標的の愛人になる、その訓練として、好きでもない男に貞操を捧げる・・・ 女性であれば大切な瞬間でさえも、若さと純粋さのために犠牲にしてしまうのは、同性として切なかったです。 そしてそんな犠牲を払ってまで近づいたイーは、初めは暴力的に彼女を奪う。 最早、自分に近づくものたちは誰一人として心を許さないがための仕打ちであった。 身体は壊れそうなくらいに扱っていても眼は見逃さない。 かつて自分を篭絡しようとした女性工作員を2名見破って殺している彼には、色仕掛けなど通用はしない。
そんな彼だが、ワンがなりきった「マイ夫人」の魅力には抗えない。 彼女こそは信頼していいのではないか・・・ 信頼を確かめるための関係、しかしどこか破滅的な情交だった。 そんな関係になって次第にワンはイーに惹かれていく。
それでも自分の帯びた使命を確実に果たさねばならない。 その狭間で苦しむ心。 「イーは自分の心にいつの間にか蛇のように忍び込んでくる。 いっそのこと身も心も開いたら私も彼の中に入れるのに・・・」 身を削るように同士に告白するワン。 お互いを焼き尽くすように激しい愛し方なのに、心を許せないもどかしさはきっと、 彼女の心をずたずたに引き裂いていたのだろう。 そしてイーの真実の愛が捧げられる時に無情にも告げられる指令・・・ 女性ってやっぱり、「ただ1人のひと」を求めているんだなって思うんです。 どんな状況で出会っても、そしてどんな間柄であっても、 その心はきっと未来永劫のものだから。 ワンが日本料理店でイーに向かって歌った「天涯歌女」は、 心の同伴者を探し求めて、そして同じ中国人としての志を確かめる役割となった。 たとえ立場がどうであろうと、その気持ちに変わりはない、 そんな強い意志を感じました。 だからこそ、自分に愛をくれたイーに応えたかった。 愛は時に死に勝る、哀しい物語です。 トニー・レオンの、眼や愛し方で全てを語る演技、 タン・ウェイの真っ直ぐさと官能的な美しさ。 素晴らしかったです。 そして学生時代からの同士だったクァン・ユイミン役のワン・リーホンも、これからが楽しみなキャラクターを生かせていたと思いました。 戦時中にあったいくつかの実話をベースとしているのも、真実味がありました。
今日の評価 : ★★★★★ (単に過激だけではなく、きちんと意味のある官能的なシーン。 恋愛だけではなく時代背景も捉えています。 きっといろいろとご意見あると思うんですが(笑)、私はこんなお話好きですね^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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