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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: LA TOURNEUSE DE PAGES 監督・脚本 : ドゥニ・デルクール 出演 : カトリーヌ・フロ 、 デボラ・フランソワ 、 パスカル・グレゴリー 、 アントワーヌ・マルティンシウ 、 クロティルド・モレ 、 グザヴィエ・ドゥ・ギルボン 、 ジャック・ボナフェ 鑑賞劇場 : シネ・アミューズ イースト 公式サイトはこちら。 <Story> ピアニストを夢見て一途に励んできた少女メラニーはコンセルヴァトワールの入試に臨むが、憧れの人気ピアニストでもある審査員アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経さに深く傷つき、自ら夢を封印する。 数年後、息子の子守として再会したアリアーヌはもちろんメラニー(デボラ・フランソワ)を覚えていない。 万事そつなくこなすメラニーを気に入ったアリアーヌは、彼女に譜めくり役を依頼する。 やがてメラニーはアリアーヌにとって掛け替えのない存在になってゆく。 譜めくりの女 - goo 映画 <感想> 「映画の日」3本観たうちの1本目。 かねてから気になっていたこの雰囲気、何やらざわざわとしそうな感じがとてもツボのような気がしまして、滑り込みセーフで観ることができました。 ・・・というかこのGWは映画観すぎていてあと3本くらい記事にしてないんですよ(笑 ゆるゆる書きます。。。 メラニーはとても繊細、でもそれが芸術家には必要な要素なのです。 何度も何度も練習を繰り返し、不安いっぱいだった彼女はようやく自信を持ってコンクールに臨むことができた。 がしかし、ほんの些細なと他人には思われることであっても、アリアーヌの態度はメラニーの張り詰めた心を打ち砕くには十分すぎてしまったようです。
よくある復讐劇と言われそうですが、 これはかなり考え抜かれたものではないでしょうか。 まずメラニーは完全主義者だったわけです。だから自分の夢を封印もしたし、 ここまで執念深く機会を窺っていたのですから。 予告を見た限りでは、もうちょっとあざとく、派手に何かするのだろうな・・・ と思っていたのですが、見事に、いい意味でのその期待は外れました。 もっともっと、復讐の痕跡を残さず、 しかも完全に相手にダメージを与えて粉々に打ち砕く方法・・・。 お手伝いとしてアリアーヌの家に潜入したメラニーは、恐ろしいほどの周到さでそれらを実行していきます。 恐ろしいと思った理由として、メラニーではなく、アリアーヌ側から復讐のきっかけが提示されていて、それを利用したに過ぎないことです。 つまり、言いようによっては、「私は悪くない」と堂々と言い逃れることができる方法ばかりです。 「あなたがこう言いました、こう思ってました、私はそうしたに過ぎません」と言えるものばかり・・・。 すごいですこれ。 そしてもう1つ、将来的に、決定的にぬぐえない溝を刻み込んでいったことです。 メラニーの人生を狂わせた代償としてのことでしょうけど。 こういう人を敵にはしたくないもんだなあとつくづく思います。 昔、知人でピアニストの卵がいました。 彼女いわく、コンクールなどではさりげなく相手にダメージを与えるような会話や仕草が、ライバルからなされることがあるらしいです。 この作品でもアリアーヌと一緒に演奏するソリストたちがいますが、彼らはピアニストを守る役割もするらしいです。 そのくらいピアニストは繊細であり、ちょっとしたことがダメージになりやすい。 なのでチェロ担当がメラニーにしたことは(行為そのものも含めて)到底彼女にとっては許せなかったと思われますね。 そしてピアニストにとって、感情を乱すということが演奏に影響を与えるのも必至だし、特にアリアーヌのように、事故で精神的に不安定ならばなおさら。 そこのところの心理戦なども絡めると、非常に奥深い映画だと言えるでしょう。 あと、俳優陣がかなりピアノを実際に弾く場面があってちょっとビックリです。 カトリーヌ・フロもそうですが、彼女の息子役の男の子や、メラニーの少女時代の子も結構達者で。。。 もちろんエキストラもいたでしょうけど、彼らの芸達者には拍手です。
今日の評価 : ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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