|
テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(か行)
原題: DIALOGUE AVEC MON JARDINIER/CONVERSATIONS WITH MY GARDENER 監督・脚色 : ジャン・ベッケル 原作 : アンリ・クエコ 出演 : ダニエル・オートゥイユ 、 ジャン=ピエール・ダルッサン 、 ファニー・コットンソン 、 アレクシア・バルリエ 、 ヒアム・アッバス 、 エロディ・ナヴァール 鑑賞劇場 : ル・シネマ 公式サイトはこちら。 <Story> パリで成功した画家(ダニエル・オートゥイユ)がカンパーニュの実家に舞い戻る。 長年放ったらかしだった庭の手入れに庭師を雇うが、現れたのは小学校時代のいたずら仲間(ジャン=ピエール・ダルッサン)だった。 家業の薬局を継がず芸術の道を選んだ画家と違い、国鉄に就職し勤め上げた後、念願だった庭師を始めた男はずっと地元で暮らし、愛する妻と慎ましくも幸福な家庭を築いていた。 再会を喜ぶ2人はその日から過去や将来や現在について様々に語り合い充実した時を過ごす。 画家と庭師とカンパーニュ - goo 映画 <感想> 『そして、デブノーの森へ』 、『ぼくの大切なともだち』のダニエル・オートゥイユ、 『サン・ジャックへの道』 、『誰かを待ちながら』のジャン=ピエール・ダルッサン、 両人共に私が大好きな「おやじたち」です。 彼らの演技が大好きなんで、これは見逃せないと頑張って、仕事帰りの身体に鞭打って鑑賞しました。 庭師を呼んだら彼が幼馴染みだった、というところから復活した友情。 長年の歳月を経た2人だから、お互いに感性もかけ離れてしまっているけれど、不思議をそれを中和してくれるのが、「庭」という共通のものなのでしょう。 どうしたらいいかわからないと途方にくれていたところにやってきた庭師の手によって甦ってくる庭。生命の息吹を吹き込まれて、作物がすくすくと伸びていく美しさは、カンパーニュ地方の自然と相まって大変癒されるものがある。 「画家」と、「庭師」。この映画では名前で呼び合うことはない。代わりに、彼らにしかわからない「キャンバス」と「ジャルダン」というニックネームで呼び合う2人。 そこには、価値観が違ってもお互いを尊重していける友情が見つかったことが現れているような気がする。 だがその友情も永遠ではなく・・・。
2人で行った釣りの場面。 大きな魚を釣り上げたけどリリースしてあげる。 流れのままに任せていく。いつかは形あるものは消えてゆく。消えてゆくその日まで、精一杯自分を、そして自分の好きなものを慈しんでいきたい・・・ そんな庭師の死生観は、確実に画家にも影響を及ぼしていく。 今まで見向きもしなかった些細なこと、当たり前のこと。それを大切にしていきたい。老境に差し掛かって、それまでの人生を見つめなおすことができたのも、かけがえのない庭師との友情ではなかったか。 自分の好きなものを描いてほしい・・・。 庭師の希望で絵を次々に書く画家。 出来上がった作品はどれもみな、慈愛に満ちて温かく、生きていることがこんなにも素晴らしく大切な時間なんだと思わせるものばかりでした。 2人の会話が中心的な役割を果たしています。ですので、フランス語がわかるとこれは尚一層楽しめるのかもしれません。 画家の庭師に対する感謝の想い、そして庭師の視点の柔らかさ・・・ 思わず涙してしまいました。
今日の評価 :★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[洋画(か行)] カテゴリの最新記事
|