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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:洋画(か行)
原題:LA GRAINE ET LE MULET 監督:アブデラティフ・ケシッシュ 出演:アビブ・ブファール、アフシア・エルジ、ファリダ・バンケタッシュ 鑑賞劇場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ 「第21回東京国際映画祭」公式サイトはこちら。 『クスクス粒の秘密』のページ。 <Story> チュニジア系フランス人家族のクスクス料理店開業騒動を尋常でない緊張感で描く。 ケシッシュ監督のアクの強い演出が鮮烈。 <感想> TIFFですが今年も1日しか恐らく参加できないと思われまして、 22日に2本観ることにしました。 WORLD CINEMAから2本ともチョイスしました。 フランス映画ながら、大きな社会的問題となっている移民について描いているようですので、その辺りからの関心もあってこれにしました。 フランスに移民してきた人々のお話。 移民の厳しい状況、迎えるフランス人の意識、そして移民先での離婚・再婚・ステップファミリー。現代フランス事情といった感じです。 それを、クスクス店開店をめぐるよもやま話に絡めて描いていました。 複雑な家族の事情が浮かび上がってくる。 父の再婚相手とその娘にだけは負けまいとする、実の娘たち。 実の娘たちにバカにされてなるものかと、一生懸命手伝う義理の娘。 夫や姑、小姑たちに尊重してもらえないと嘆く嫁。 お世辞にも商売向きとは言えない、初老の男と、出来の悪い息子たち。 みんな精一杯虚勢を張っている。 その中で光るのが、義理の娘。 新しくお父さんになってくれた人に報いたい、今度こそ一緒に幸せになりたい・・・ そんな彼女は持ち前の才能で商売を立ち上げる。 そして窮地が訪れた時に、身体を張って義理の父を救おうとする。 新しいお父さんのために、そして自分の大切なお母さんのために。 彼女のベリーダンス。若いのに、お腹にうっすらと乗った脂肪が、彼女が躍るとぷるぷると揺れている。でもその揺れが、そして、踊ると光って流れ落ちる汗が何とも官能的。 祖先からの血の流れが彼女に集まっている。そして今、異国でしっかりと生きて行こうとしている姿。 母親を一生懸命説得している姿が素敵でした。 どっちに転んでもブラックユーモアな展開が逆に面白い。 2時間半強の長尺ですが、とても見ごたえありました。
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