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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:洋画(ら行)
原題: THE SECRET LIFE OF BEES 監督・脚本 : ジーナ・プリンス=バイスウッド 原作 : スー・モンク・キッド 出演 : ダコタ・ファニング 、 ジェニファー・ハドソン 、 アリシア・キーズ 、 クイーン・ラティファ 、 ソフィー・オコネドー 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ 公式サイトはこちら。 <Story> 1964年の夏、14歳のリリィ(ダコタ・ファニング)は幼い頃に自分のせいで死んだ母(ヒラリー・バートン)の愛を確かめたくて、父T・レイ(ポール・ベタニー)に黙って旅に出る。 制定されたばかりの公民権法の甲斐もなく白人の嫌がらせを受け怪我をした挙げ句警察に連行された黒人家政婦のロザリン(ジェニファー・ハドソン)を助け出し、向かった先は母に縁のある町ティブロン。 そこで2人はボートライト三姉妹(クイーン・ラティファ、アリシア・キーズ、ソフィー・オコネドー)と出会う。 長女のオーガスト(クイーン・ラティファ)は養蜂家で、黒い聖母像のラベルのはちみつを作っていた。 リリィ、はちみつ色の秘密 - goo 映画 <感想> 本当は先週観たかったんですが行けず、今週になっちゃいました。 でもこれもう予告からめちゃめちゃ自分のツボっぽい感じだったので、本当に楽しみにしてました。 女性もの & はちみつが美味しそう系 & 何か可愛い感じ系。 そしてキャストも、ダコタ・ファニング、アリシア・キーズ、クイーン・ラティファ、ジェニファー・ハドソンと、私の好きな演技派さんや歌がうまい!という人ばっかり。観たくて観たくてうずうずしてました。 ですけど観始めて、これはヒューマンライツ系も入ってるんだなと気がつくわけです。 今から45年前のアメリカ、公民権法が成立したとは言えそれは「紙切れだけ」の話であって、日常生活でそれが浸透していくのはずっと後の話な訳です。 白人と黒人が同席するということが「あり得なかった」時代ですから、白人コミュニティの中に黒人が入ることが排除されたのと同じくらい、黒人世界の中に白人が入っていくのも白眼視されたのでしょう。 幼少時の悔恨、そして母親に愛されていないと思いこんで育ったリリィ。居場所がなくなって 目指した場所もまた彼女にとても縁があった。 それはもう理屈ではないのでしょう。 身体の、心のどこかで、「ここは私のふるさと、ルーツなんだ」っていう、説明できないけど確固としたものがあるのかもしれません。 そこで、「愛を注いでいくこと」を、養蜂を通じてリリィは覚えていきます。
この、蜜蜂たちとのシーンが何とも幻想的。実際には蜂が無数にいるのだから、怖いっていう感覚もきっとあったと思うのですが、それを感じさせない。 蜜蜂たちへの畏敬の念まで伝わってくるようなシーンでした。 綺麗な心だから場面も必然的に美しくなっていく。そんないい意味での連鎖がよかったです。 ダコタ・ファニングちゃんも今は高校生だそうで、これを撮影した時は14歳だったそうです。本当に綺麗になりました。 素晴らしい演技力はここでももちろん健在で、かつ十分知性的。いろいろ磨かれて、これからもどんどん美しくなっていくんだろうな・・・と思われます。子役から大人の女優への過渡期を迎えて、自分探しをする女の子の役は彼女にピッタリだったと思いました。 クイーン・ラティファとジェニファー・ハドソンの演技の安定感、ソフィー・オコネドーも難しい演技をこなし、そしてアリシア・キーズの芸術性。 知性があふれる有力者という設定がそうさせていると思うのですが、黒人女性たちも観ていて素敵なキャラクターばかりです。
"three mothers"なんですが、この3人、とにかく全員「歌える人」なんで、一体どのくらいその部分が入ってるのかなというのも気になっていました。 ですが、歌系は今回はアリシア・キーズのみ。 あとの2人は演技で勝負でした。 このバランスがもしかしてよかったのかもしれません。 もしもこれ全員が歌っていたら間違いなくミュージカルになりますし、スピリチュアル系オンリーに行ってしまうところでしたので、 あくまでも音楽関係の設定をアリシアに絞って正解。 こうすることでかえってアリシアの世界が際立ちました。 クイーン・ラティファの懐の深さ、そしてジェニファー・ハドソンの情熱、そういったものも彼女たちが演技に集中できたからこそ観客を魅了したのだと思います。 April、May、June、July、August、・・・ こういう言葉の設定もとても可愛らしく、またそこに意味も持たせていて。 観終わった後に心が洗われるような1本でした。
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