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テーマ:映画館で観た映画(8581)
カテゴリ:洋画(さ行)
原題: SLUMDOG MILLIONAIRE 監督 : ダニー・ボイル 脚本 : サイモン・ビューフォイ 出演 : デーヴ・パテル 、 アニル・カプール 、 イルファン・カーン 、 マドゥル・ミッタル 、 フリーダ・ピント 公式サイトはこちら。 <Story> インドのスラム出身の少年ジャマール(デーヴ・パテル)は人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。 しかし、これを面白く思わない番組のホスト(アニル・カプール)は警察に連絡。 彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。 ジャマールは警察署での警官(イルファン・カーン)の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。 そこには1人の少女(フリーダ・ピント)を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…。 スラムドッグ$ミリオネア - goo 映画 <感想> 言わずと知れた本年オスカー受賞作品。かなりスポットや映画館上映前予告などで雰囲気はつかんでいます。ややもするとオチが耳に入りそうなのを必死で防いでようやく鑑賞できました。 それでも、クイズ$ミリオネアのシーンはたっぷりと予告にあり、またスラム育ちの様子とかラティカの名前も叫んでいたりと、前情報は十分すぎるほど入ってきてしまっていました。どうしても作品賞受賞ということでクローズアップされてしまう機会も多いですから。 本日のシネコンはロビーからして満員状態、そしてこの映画はレイト以外は終日チケ完売状態でした。やはりみなさん非常に興味があるようで。 ふと思ったのは、もしこの作品がオスカーを取っていなかったら、こんなに観に行く人がいただろうかということ。スラムの実態や、そこに暮らす人々の生き様を描いた映画です。自分はもともと社会派が根底にある作品が好きなのでたぶん観に行ったと思うんですが、本来なら観なかった層が、オスカーの影響でちょっと観てみようか? っていう動きになったことは間違いないと思われます。 それだけオスカーの影響はあるんだけど、逆に取ってなかったら・・・? とも思ってしまうんですよね。 昨年、『未来を写した子どもたち』を観ました。これは完全なるドキュメンタリーで、カルカッタの貧困と子どもたちの実態を描いていました。 今回はムンバイが舞台ですが、貧困に立ち向かう子どもたちが直面する問題は何処も同じ。隙さえあれば悪はつけ込んで彼らは搾取され、人生を狂わされていく。 すがるものも何もない、一文無しのサリームとジャマール兄弟。金しか頼りになるものはないことは十分すぎるほど身に沁みている。金持ちになるためなら、生きていくためなら何でもする。その逞しさ。 そして幼いころから三銃士として一緒に過ごしてきた少女・ラティカと別れることになってしまい、彼女を追い求めるジャマール。 生き抜くために、そして再び彼女に会うために彼が乗り越える数々の試練。到底今の私たちでは考えられない世界を彼は生きている。 ただひたすら愛を求めて・・・っていう、ラブストーリーが基本。 しかし、ミリオネアの司会者がジャマールに対して仕掛けた複数の「罠」などを見ても分かるように、貧困からのし上がった人間が、同じように貧困から抜け出そうとしている人間に対して、やっかみや妨害したくなる醜い想いを持つのもまた人間ならでは。 終始ジャマールを嘲笑っていた番組の雰囲気が嫌でした。 日本だと最高賞金一千万円だから(日本は、クイズ賞金の上限が法律かなんかで決まっているみたいなんです)、ちょっと頑張れば手が届くくらいの金額だけど、インドの二千万ルピーって恐らく生涯で手にすることがない金額なのかもしれません。だから番組だって毎晩放映するしみんな必死なんでしょうね。 だけどお金じゃない、愛を求めて・・・ っていうジャマールの想いは観客にも十分伝わったと思います。 エンドロールなどもそうですが、全体にインドの底力をたっぷりと見せつけてくれた作品でした。
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