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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:邦画(や行・ら行・わ行)
監督 : 真利子哲也 、 遠山智子 、 野原位 、 西野真伊 原作 : 伊坂幸太郎 出演 : 堺雅人 、 寺島しのぶ 、 柄本佑 、 板尾創路 鑑賞劇場 : 新宿バルト9 公式サイトはこちら。 <Story> 己の美学を貫く、孤高の泥棒「黒澤」(堺雅人)。 その日も、いつものように部屋の中を物色していると、突然戻ってきた家の住人と思しき男とバッタリ鉢合わせしてしまう…。 道を見失い、神に救いを求める青年「河原崎」(柄本佑)。 その日も、いつものように教団が経営する施設で動物の世話をしていると、突然教団の幹部から車の運転を依頼される。 到着した先のマンションには、憧れの教祖・高橋の想像もしなかった姿が…。 不倫相手と、邪な計画を進めるカウンセラー「京子」(寺島しのぶ)。 その日、ついにお互いの伴侶の殺害を決意し行動に出るものの、車で走行中に見も知らぬ男を轢き殺してしまい…。 仕事も家族も失い、街をさ迷うサラリーマン「豊田」(板尾創路)。 その日も、いつもと同じように駅前をふらついているところ、コインロッカーの鍵を咥える犬と遭遇。 ロッカーの中から拳銃を発見したことを機に、自分をリストラした男への復讐を決意する…。 4つの人生が交錯する時、生涯でたった一度きりの“特別な1日”が訪れる。 ラッシュライフ - goo 映画 <感想> 原作は読んでいます。 これ、東京芸大の学生さんが作ったということのみはわかっていました。 どうしようか迷いましたが、新宿なのでついでに鑑賞することに。 よーく調べますとこれ、芸大の卒業制作なんですね。 卒業制作を劇場公開、しかもシネコンで一般料金で上映っていうのも初めて聞いた話なんですが。。。 そして監督は4人、4つのストーリーをオムニバス形式に1つずつ作ってます。 観始めていきなり目が痛い。 とにかく、画面がブレる。 ちょっと動きのある場面など、ブルブル。。。 これはまずいんじゃない? 一番最悪だったのは、人物の静止場面にも関わらず、このブルブルが30回以上続いた場面があったこと。しかもその震えに意味はないんだよね。 編集でどうにかならなかったのか? とも思うんですが、全編このような感じだと如何ともし難いんでしょうね。 最後の豊田篇は少し収まりましたが、観辛いものを劇場鑑賞にかけるというのも、いかがなものだろう。 保護者や関係者が、文化祭や卒業制作発表会に来たのならいざ知らず、少なくとも映画を映画館に見にくる人は、それなりのものを期待して、料金を払っている。 劇場公開レベルとはほど遠い画質を、お客さんは我慢しながら観るのって、どうでしょう?? まだシネマチネ料金1200円だったのが救いかな。 バルト9は映画の日1000円、シネマチネ1200円、前売り料金、正規料金1800円の料金体系だと思うので、最低でもこの映画には1000円出さないといけない。 果たして、1000円出す価値はあっただろうか。 これだけ有名どころの俳優さん使ったからしょうがないでしょ・・・ というのもちょっと違う気もするんだけど。 原作を読んでいるので、その比較になるが、 いけなかったのは、この映画、すっぱりと4分割してしまったこと。 舞台が仙台からいきなりみなとみらいに移動しているのは、予算の関係上仕方なかったかのかとも取れるんですが。 卒業制作だからしょうがない、というご意見もあると思うが、前述のように、観客は一定レベル以上のものを求めてくる。 4つのオムニバスは、一応観点は合わせているようにも思うが、原作はそれぞれの話がクロスオーバーしながら進んでいく。 『フィッシュストーリー』のような作り方が、この映画なふさわしかったように思う。 つなぎになる素材がカットされてしまっていたことも、この映画のまとまりをなくしていた大きな原因だった。 例えば、 ・4つの「ラッシュ」の説明(わずかに戸田のセリフくらい) ・「あなたの好きな日本語を教えて下さい」 ・トランクの死体のからくり ・豊田と犬との詳しいエピソード ・河原崎の背景 など。 せっかく雰囲気を合わせるのなら、こういう素材を組み込めなかったのだろうか。もったいない。 それでも、堺雅人さんはやっぱりうまいなあと思わせるものがあり、この映画のダメな点をひっくり返すくらいの存在感は大いにあった。 彼が出ていなかったら本当にお金返して! くらいだったけど、それを巻き返してしまう演技は素晴らしい。 あと板尾創路さん。 彼の部分も、哀愁に満ちた豊田のイメージと合っているので、あまり違和感がない。 欲を言えば、犬とのエピソードがカットされていなかったら、ラストももうちょっと引っ張れたんじゃないかと思う。 いずれにしても、原作未読の方には、この映画を理解することは本当に難しかったと推察する。 致命的なのは、導入部分の河原崎の背景がほとんどなかったことで、ここが流されているために、原作を知らない観客はこの物語に入るのに苦労したと思う。 混在しながら進めるべきものを分割し、そしてつながりも希薄であったこと、これでは予備知識があってもテーマを感じ取ることは難しい。
今日の評価 : ★★ (堺さんと板尾さんの分で★ですね。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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