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rose_chocolat@ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2009.09.30
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監督・プロデューサー・脚本・編集 : 是枝裕和

原作 : 業田良家

出演 : ぺ・ドゥナ 、 ARATA 、 板尾創路 、 オダギリジョー 、 高橋昌也


鑑賞劇場 : CINECITTA

公式サイトはこちら。



<Story>


古びたアパートで持ち主の秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ぺ・ドゥナ)は、ある朝、本来は持ってはいけない「心」を持ってしまう。
彼女は秀雄が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街へと歩き出す。
メイド服を着て、おぼつかない足取りで街に出た彼女は、いろいろな人に出会っていく。
ある日、レンタルビデオ店で働く純一(ARATA)と知り合い、そこでアルバイトをすることになる。
ひそかに純一に思いを寄せる彼女だったが……。

空気人形 - goo 映画
空気人形 - goo 映画




<感想>

昨年、是枝監督作品は 『歩いても 歩いても』 『大丈夫であるように-Cocco終らない旅-』 を鑑賞している。
彼の作品のどこが好きかと訊かれたら、本音を鷲掴みにしていってしまうところなんじゃないかなと。
それも決して綺麗綺麗で終わらないところ。
この、『空気人形』もそうでした。


これの予告を見て真っ先に思い出したのは、『ラースと、その彼女』 だったんですが、自分にはリアリティがほとんど感じられなかったような記憶があります。
男性がいわゆる「空気人形」らしきものを購入する目的って、ただ単に一緒にいてほしいだけじゃないなんてことはわかっているのに、敢えてそれを言わないところがもうズルいんじゃないかと。
だからこの映画で、板尾創路の、気の利かなさそうな中年男の醜い肉体が、真っ白なのぞみの肌に重なっていく場面などは、そのギャップのあまりの激しさに、それでこそ本音と思った。
そしてその役を演じるのに、あまりにも板尾さんはピッタリでもあった。


予告で、ペ・ドゥナちゃんがふわりと浮かびあがる所なんかを見て、「ああこれは、この役は、彼女しかできないのではないか」と感じたんですが、それはまさに正解だった。
まず彼女の持つ、「人形としての質感」がもうまさにそのものだったということ。
あのフィギュア、肌のなめらかさ、それでないと人形にはなれない。 少しでも人間っぽく、生身っぽくなってしまうともう、「人形が心を持った」設定からははずれてしまう。
そして、何も今まで感じなかった人形は心を持ち、少しずつ人間の世界に慣れていく様子が又うまい。 歩き方、言葉の交わし方。 初めに出てくる富司純子さんの役などは、そのまま空想の世界に生きている人間ということで、人間の世界に慣れ始めた人形にとっては近しい存在なのではなかったか。
設定に忠実にする。 こういう意味での「リアリティ」なら、とても歓迎できる。




空気人形
(c)業田良家/小学館/2009『空気人形』製作委員会 写真/瀧本幹也





心を持ってしまったが故に味わう様々な感情。 当然だけど嬉しい・楽しいことばかりではなくて、哀しいこと・切ないことの方が圧倒的に人生には多いから、その試練にいきなりぶち当たる「のぞみ」はずいぶん混乱しているようにも見えた。
何故この人と一緒に暮らしているの? そして私はこの人が好きではない・・・。
好きではない人に触れられたら拒否する心。
そして好きな人に触れられたい心。
どちらも正直な心だから、その狭間で悩み苦しんでいる。
そして好きな人に触れても、その人が求めたものは自分の特殊な部分であって、ただ単に官能を知りたかったとわかった瞬間。
誰かの代わりにしかなれない哀しみ。
やっぱりみんな誰かの代わりではなくて、唯一のものでありたいと願う。 だけどそれが叶わないもどかしさ。
そんな想いは、ふわふわと風に飛ばすしかないのかもしれない。
狂おしいまでの切なさを味わってまで、心を持ちたいのか? と自問自答してしまうのが自然なことだろう。
様々に揺れ動く心たち。 それを的確に見せてくれている。


この映画には心を揺さぶられるたくさんのシーンがあった。
まずペ・ドゥナちゃん登場のシーン。
心が吹き込まれて彼女が出てくるのだけど、この場面の彼女の人形らしさもかなり大胆な設定。 肌を見せることが多い彼女だけど、この場面ほど有効なヌードはないかもしれない。 
あともう1つ、ビデオ店で彼女が倒れてしまうところ。 空気を抜かれた瞬間の彼女の表情、そして回復する時の表情。 どちらもよく研究していると思う。 その官能に触れたい、そのためには苦痛をも味わってもらいたいと思わせるような表情、彼女の、役のためなら徹底的になりきる姿勢を見る。


そして最後近くのシーン。 みるみるうちにケーキを見つめる彼女の顔がくしゃくしゃになっていく。
本当はこうしてみんなに囲まれていたいのだなという、渇望にも似た想いを痛切に感じさせている。
是枝監督のうまいところ。。。 と、素直にスクリーンに気持ちが入っていく。 やっぱり鑑賞してよかったと思える作品でした。





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今日の評価 : ★★★★☆




   












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Last updated  2009.10.03 06:07:13
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