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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:邦画(か行・さ行)
監督 : 御法川修 監修 : 松田美由紀 出演 : 松田優作 、アンディ・ガルシア 、浅野忠信 、香川照之 、宮藤官九郎 、仲村トオル 、森田芳光 、松田龍平 、松田翔太 公式サイトはこちら。 <Story> 今もなおカリスマ的な人気を誇り、世代を越えて多大な影響を与えている俳優・松田優作。 2009年11月6日で没20年、9月21日で生誕60周年を迎える今秋、その松田優作を現代に蘇らせる「SOUL RED PROJECT」が始動。 その中での最大の目玉、「俳優・松田優作」の、最初で最後の公式ドキュメンタリー映画を松田美由紀が総合プロデュース。 優作と親交の深い映画監督・俳優などのインタビュー映像も収録し、松田優作の伝説のその影響力の大きさを浮き彫りにする。(作品資料より) SOUL RED 松田優作 - goo 映画 <感想> 松田優作には正直、自分は早すぎた世代なのです。 彼が初めに活躍した70年代、彼の作品は観るには早すぎました。 「太陽にほえろ!」のジーパン殉職の場面は記憶にないからたぶんリアルでは見ていない。 80年代の映画も、今みたいに積極的にいろんなもの観ていませんでしたから、当時は好きなジャンルじゃなかったから、結局ちゃんと優作さんの作品って通して観ていないんですよね。 これに気がついた。 やっぱりちゃんと観ておかないといけないかな。 なので、少しでも彼の人柄を知りたくて鑑賞することに。 過去の映像を交えながら、親交のあった人物たちが彼を語る。 浅野忠信、香川照之、仲村トオル、ここは『剱岳 点の記』つながりなのか。 それともたまたまなのか。 彼を直接知っている世代、映像でしか知らない世代、それぞれの想いは続く。 でもやはり直接彼を知っている人の言葉は重い。 というか、深い。 仕事で交流のあった人間の言葉からは、彼が驚くほど自分の仕事に対してストイックであったことが読み取れる。 少しのことでも自分を演出していくということだろうか。 もちろんどんな俳優も自分をプロデュースしているとは思うが、その徹底さというか、凄味がたぶん今の俳優には無いものなんだと。 彼が生きてきた時代、生い立ち、そういうものが噛み合って、彼を作ってきたのだから、誰も真似は出来ない。 そして遺作となった『ブラック・レイン』で共演したアンディ・ガルシアも登場する。 彼の回想は他の人と違って、優作さんとのスピリチュアルな部分でのつながりにまで踏み込んでいたようにも感じた。 すなわち、仕事だとか尊敬だとか、そういったことを超えたつながりとも表現したらいいのだろうか。 単に意気投合したとかというものではなく、彼の存在そのものが自分の役者人生にとって大きなものであったということ。 そんな風に思える友人とは、一生かかっても出会えるかどうか。 なので彼の死はショックだったに違いないけど、それをも超越して、優作は心の中にいる、アンディはそう語っているように思えた。 改めて彼の出演作品を観てみる。 本当にどれも驚くほどの演技としか言えない。 例えばそれが、端役でワンシーンっぽかったとしても、彼は妥協しない。 表情の細部、その動きの1つ1つまでもを計算しているように見える。 彼は言う。 「走っているだけでカッコいいと思わせる、それが俳優」 その後に流れるジーパン刑事のシーン。 ひたすら走っている。 そして確かにカッコいい。 役作りに絶対に手を抜かない彼の姿が、そこにあった。 最後に彼の2人の息子たちが登場する。 2人の話からは、物心つかないうちにこの世を去った父親が遺してくれた言葉、思い出、それを懸命にたどりながら生きてきているようにも受け取れる部分があった。 オヤジに言われたことは忘れなかったりするんですよね・・・ と。 オヤジとは生きた時代が違う、自分は自分。 そう思ってはいても、どこかで父親の姿を自分の中に探しているのかもしれない。 その遺伝子も、彼らの中に確実に役者としての素質だったり、才能として遺されている訳だから。 没後20周年、彼を知る世代も、知らない世代も、映画が好きなら観て損はない作品。
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