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テーマ:映画館で観た映画(8343)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES 監督・脚本 : ペドロ・アルモドバル 出演 : ペネロペ・クルス 、 ルイス・オマール 、 ブランカ・ポルティージョ 、 ホセ・ルイス・ゴメス 、 ルベーン・オチャンディアーノ 公式サイトはこちら。 <Story> 盲目の脚本家のハリー・ケイン(ルイス・オマール)は新聞記事で実業家のエルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)が亡くなった事を知る。 その後、エルネストの息子(ルベーン・オチャンディアーノ)がハリーを訪ね、自分の監督作の脚本をハリーに依頼。 それをきっかけに、ハリーは封印していた過去に向き合う。 今から14年前、失明する前のハリーは、新進監督マテオとして活躍していた。 ある日、マテオはオーディションにやってきた美しい女性レナ(ペネロペ・クルス)に心奪われる。 しかしレナは、実業家エルネストの愛人だった…。 抱擁のかけら - goo 映画 <感想> これ実は試写会にお誘いいただいていたのですが、直前に風邪を引いてしまい、夜遅く出歩くのがとてもしんどく感じてしまいましてキャンセル。 近場で観賞しました。 これって『ボルベール』と同じ監督。 どうも彼の作品は、唐突に始まって唐突に終わるという印象があります。 いい意味でも悪い意味でもスペイン映画と言いますか・・・。 ストレートな表現が得意な国民性だけに、こう来たら途中を飛ばしちゃってそう来るでしょ? 的な展開があるんですよね。 同じラテン系の民族が制作する映画でも、フランス映画はどこか「わかる人だけわかればいいから」的な、通好みのワインにも似た前置きがあるし、時々びっくりするくらい感性に合うものが混ざっているんで基本的に観る。 イタリア映画は、さすが女性にマメな男たちが多いっていうのもあって(笑)、愛の表現なんかは単純に見てて面白い。 なのですがスペイン映画ってどこか唐突という感じがしてて(監督にもよるんでしょうけど)、さあここからはお決まりの感じですから・・・って流れになってしまうような雰囲気。 これもラストなどはそう感じました。 親子2代にわたる話なので、どうしてもそれぞれの父親と息子たちの比較になる。 ライ・Xが何かのカギを握っているのか? と思いながら観ていたんですが、あまりそうでもない展開で、ここは少し肩透かし。 自己チューなエルネストに粘着質のライ・Xなんで、息子の方もレナに何かあるのかと思いきや、もやもやっとした感じで終わっちゃうので、ここは使い方がもったいないようにも感じる。 息子にも仕掛けをするとサスペンスっぽくて面白かったのにとも思うんですが、そうじゃなくてあくまでも愛がメインなんでここはしょうがないんでしょうか。 自分で選んだはずの人生、しかしそこに待っていたのは空虚な日常だったとしたら。 そして自分を連れ出してくれる相手がそこにいるのならば。 何もかも放り投げて、消えてしまいたい衝動に駆られるのかもしれません。 決して安定しないであろう生活であることは見えているし、そんな旅の終わりは平凡なんかじゃないに決まっている。 いつ終わりを迎えてもいいと思えないと、そんなことはできやしない。 いかにもスペインらしいストーリーだなと思います。 それにしてもこの映画のペネロペは美しいです。 彼女を撮らせたら、アルモドバル監督は一流ですね。 赤という色をうまく駆使した画面構成、階段から落ちる彼女もまた赤に包まれていました。 ハイヒール、車、ドキッとするほどにアクセントとして置いているのは、燃え上がる恋心の代わりなんでしょうか。 破かれた写真たちが物語るのは、確かに「抱擁のかけら」だったような気がしました。 たくさんのpiecesの中に封じ込められた、レナとハリーの愛。 それはそこに存在した証。 ハリーが、その幻影を追いかける人生も少し哀しいものがありましたが、ディエゴという理解者がいてくれたことで彼も救われたのかもしれません。
今日の評価 : ★★★ 3/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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