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テーマ:DVD映画鑑賞(13512)
カテゴリ:洋画(か行)
原題: GOOD BYE, LENIN! 監督: ヴォルフガング・ベッカー 出演: ダニエル・ブリュール 、 カトリーン・ザース 、 チュルパン・ハマートヴァ 、マリア・シモン 、 フローリアン・ルーカス <Story> 1989年、ベルリンの壁崩壊直前の東ベルリン。 アレックス(ダニエル・ブリュール)は東ドイツ建国40周年を祝う式典の夜、改革を求めるデモ行進に参加。 その姿を目撃した愛国主義者の母クリスティアーネ(カトリーン・ザース)はショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。 彼女が奇跡的に意識を取り戻したのは8カ月後。 またショックを与えると命取りになると医者から忠告されたアレックスは、母を自宅に引き取って、東ドイツの体制がずっと続いているふりを装う。 グッバイ、レーニン!(2003) - goo 映画 <感想> これ実は、公開当時は今は無き関内MGAっていうミニシアターで上映されていて、結構人が入っていた記憶があり、 一生懸命時間作って行ったのに、満員だったように記憶しております。 なのでいつか観ようと思っておりましたが、そういう作品に限ってなかなかレンタルしないもので・・・。 これもようやくレンタルしてきました。 旧東独の体制と早く決別したい人、そしてその流れをよしとしている人。 西側の資本主義社会を見てしまったならば、いまさらもう不便な体制のやり方には戻れない人たちがほとんどだろう。 ですが、そこには必ず旧体制をよしとする人たちもいるわけで。 クリスティアーネはかなり旧体制に関わっていただけに、その崩壊をいきなり何の前触れもなく目の当たりにしようものなら、ショックを起こすという予測は十分当たってるかも。 彼女が旧体制に関わった理由というのが、最初はかなり個人的な要素から逃れるためでしたが、それがいつの間にか彼女のスタイルそのものになっていってしまう状況は、傍から見ると結構怖いんですが、当のご本人たちには当たり前のことなんでしょうね。 まして密告社会であったわけですから、体制に従わないということは選択肢の中にはありえなかった訳です。 そうするのが当然と思っている人にとって、ある日目が覚めたら自分のスタイルがまったく通じなくなっていたら。 パニックで何が何だかわからなくなってしまうんでしょうか。 小さい時からずっと母親の苦労を見てきたアレックス。 一歩間違えればマザコンか? とも思える線ギリギリで、クリスティアーネに献身しているけど、それはたぶん彼自身が母親想いだから。 本当にお母さんが倒れるタイミングが良すぎちゃいました。 まさに世紀の転換期。 そんなことがあるのか? と思わせる設定はうまいです。 そしてその母親に、世界が変わったと悟られないように頑張るアレックスの涙ぐましい努力。 母親が寝たきりの間しかそれは通用しないとわかっているのに、外目には無駄のように見える努力を、そこまでするか!?と言いたくなるくらいまでする。 それって、お母さんが歩いたらもう終わり。 だからちゃんと真実を言ってあげようよ! と普通は思いますけど、 それをさせないアレックス。 母親のことがとことん心配で、そして好きなんだと思いました。 そして周囲もまた協力してあげるんです。 こんなにも想われている母親ってちょっとうらやましいかな。 最初はコメディかとも思うんですけど、 実際に東西冷戦の歴史と崩壊を見てきた世代としては、このドタバタの中にもシュールさを十分に感じました。 東西ドイツの物質的な相違なんかはその最たるものです。 豊かさと自由を求めて行った人たち、それを「西ドイツからの難民」とはうまく言ったものです。 ただ、旧東ドイツの人たちには、彼らなりの心のよりどころというものがきっとその生活にはあったはず。 急激に変化してしまって対応できない人たちや、流れに乗り遅れないようにしがみつきたい人たちの本音というものも、ここでは描かれています。 もう20年以上も経過してしまった東西統一。 当時の様々な想いと、家族の絆をうまく結びつけた傑作でした。
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Last updated
2010.02.22 13:21:32
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