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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:韓国映画
原題: CROSSING 監督 : キム・テギュン 出演 : チャ・インピョ 、 シン・ミョンチョル 、 チョン・インギ 鑑賞劇場 : ユーロスペース 公式サイトはこちら。 第21回東京国際映画祭 「アジアの風」部門 ページはこちら。 第81回アカデミー賞外国語映画賞・韓国代表作品 <Story> 中国との国境に近い北朝鮮のとある寒村で、親子三人で暮らすヨンス(チャ・インピョ)は、肺結核にかかった妻の薬を求め、命がけで中国へ渡る。 しかし、脱北の罪で追われる身となり、北朝鮮に戻ることができなくなってしまったばかりか、他の脱北者たちとともに韓国に亡命することになる。 その間に病状が悪化した妻はとうとうかえらぬ人に。 一人残された11歳の息子・ジュニ(シン・ミョンチョル)は、父を探しに、あてのない旅に出るのだが…。 クロッシング - goo 映画 <感想> 『掌の小説』に続いて鑑賞。 予告でも気になっていた映画。 最初、上の画像がすごく不思議でならなくて、ジュニはどうしてこんなところにいるのか、何をしているのかがわからなかった。 ストーリーが進むにつれ、これが実に残酷な意味を持ってくる。 実際に映画のスタッフに脱北者の方たちを起用したというだけあり、 収容所や豆満江越え、北朝鮮の生活のシーンなどは、ご意見が生かされているのでしょうか。 実に生々しく、リアルな生活ぶりが描かれている。 情報統制がなされている状況では、頼りになるのは知人の情報くらいしかないのかもしれません。 その中で彼らは必死に選択肢を探る。 この選択肢がこれまた実に現実的でした。 脱北に際しての注意事項のあれこれ、現実的な脱北ルートなども恐らく実際に使われるものでしょう。、そして、瀋陽日本総領事館で起きた駆け込み事件をなぞっているところも近年記憶に新しい。 ジュニやミソンが、親に対して使う言葉遣いが丁寧なような気がして、 (韓国語・朝鮮語はきちんとはわかりませんが、語尾に「~ニダ」がついていた回数が多かったような気がします。「~です」という丁寧な表現でしたでしょうか。) ちゃんと親を敬う教育が子どもたちになされているんだなというのが感じられます。 ジュニが、死んだ母親が埋葬のために連れて行かれてしまうシーンで、「ウリオモニ!」と何回も叫んでいたのが哀しかった。 ミソンもとても目上の人に礼儀正しい子でしたね。 親は生活のために必死になる。 先立つものがないと暮らせない。 だから手段を選ばない。 そんな親の背中を子は見てしまうんでしょうね。 何とかして、どうにかして、お父さんとの約束を果たしたい。 普通なら誰も助けてくれないから、人を押しのけてまでも生きようとするのに、ジュニは絶対に人を貶めることはしない。 むしろ困っている人を助けるような性格でした。 ミソンのことをずっと心配して、事あるごとに彼女を助けている姿は男らしかったな。 逆境の中にあるときに、その人の本性が出てきてしまう。 そのことを痛感します。 ヨンス一家が望んだもの、そして恐らく、他の人々も望むものは、 「みんなが笑って暮らせること」なのでしょう。 そこには体制だとか国情というものは一切区別はないはず。 どこにいてもその人らしい生活を全うできるようにしてあげるのは国家の義務と思うのですが、 それが叶わない地域もあるということです。 当たり前のものを手に入れるために冒した危険の結果はあまりにも残酷すぎることがほとんどではないだろうか。 この状況に置かれている子どもたちがこうして存在している事実。 その実情を知らしめて、こういう問題が解決してほしいと切に願わずにはいられません。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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