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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: BURMA VJ: REPORTER I ET LUKKET LAND 監督 : アンダース・オステルガルド 原案・脚本・助監督 : ヤン・クログスガード 編集 : ヤヌス・ビレスコフ=ヤンセン 出演 : ジョシュア 鑑賞劇場 : シアターイメージフォーラム 公式サイトはこちら。 <Story> 2007年9月、ビルマ(ミャンマー)で大規模な反政府デモが起きた。 少数の軍人が国民を支配する独裁国家では、発言の自由は一切ない。 政府に不満を漏らせば投獄されるような国のデモは、異例の事だった。 その模様を国外に拠点を持つVJ=ビデオジャーナリストたちがカメラで追う。 捕まれば投獄、拷問を受けることを覚悟しながら。 僧侶の参加により、デモに参加する民衆は増え続けるが、軍による容赦ない弾圧がそれを待ち受けていた。 ビルマVJ 消された革命 - goo 映画 <感想> 社会派映画もできる限り鑑賞するようにしていますので、本作も公開前から大いに興味のあった作品です。 ようやく行くことができました。 制作国がデンマークということに、この映画が置かれた状況の過酷さを 垣間見ることができる。 到底、ビルマ国内、あるいは近隣諸国では制作は不可能で、協力してくれる他国の手が絶対に必要だから。 それでも、ビルマの軍事政権に抑圧されている国内情勢を、世界に発信し、 少しでも関心を持ってもらいたい、そして状況を打開したいという人々の信念が、この映画を作り上げている。 捕まれば投獄、拷問、そして死が待っているかもしてないのに、 文字通り身の危険を承知で、カメラを隠してデモの動きを撮影する「VJ」、ビデオジャーナリストたち。 死をも恐れぬ行動には、ただただ敬意しか浮かんでこない。 そこまでしても祖国の窮状を世界に訴えたい。 国を愛するが故の行動です。 そしてVJたちが当局に捕まっても、拠点を破壊されても、 また新しい志のVJたちが確実に生まれてくるだろう。 この国を侵している元凶が倒れるまでは。 アジアの民に・・・ という、僧侶たちが掲げたスローガンの一節が印象的でした。 第二次世界大戦で日本がアジア諸国に対して行った数々の行いに対しても、 そのように言ってくれるのだろうか。 だとしたらビルマの人たちは本当に心が広く、 日本もアジアの一員に加えてもらったようでとても恐縮でもあり、 またその心に報いなければならないと思うのです。 同じ仏教国でありながらも、ビルマの人々の、仏教に対する信仰心は、日本のそれとは比べ物にならないほど篤く、 その姿勢が自然と僧侶に対しての尊敬する眼差しに繋がっている。 だからこそ、軍事政権が彼らを弾圧したというのは、仏教に対しての冒涜でもあるので人々には許し難い行為であろうし、生活を抑圧している政権に対する人々の「物言わぬ不満」が、日に日に膨れ上がってくるのを感じることができる。 しかしながら人々は「物言わぬ」存在なのである。 独裁政権を保持している国家であれば当然のごとく発生してくる「密告社会」。 その脅威の前に人々は沈黙を強いられる。 そこで立ち上がったVJたち。 彼らはいつ、どこにいても動けるように、どこからともなく現れて、文明の利器を活用して祖国の暴挙を訴える。 過去、クーデターや民衆蜂起を起こした国の多数が、犠牲を伴った弾圧を経験しており、 ビルマの2007年9月の蜂起も、流血を伴った結末に終わる。 その尊い犠牲者の中には、日本人ジャーナリスト・長井健司氏も含まれている。 長井氏の死の瞬間もこの映像には記録されている。 そして命を賭してデモ行進し、殺され、あるいは依然として行方不明になった勇気ある多数の僧侶たち。 彼らの起こした行動、そしてこの国で何が起こっているのかをこの目で見て、伝えていくこと。 それが私たちにできることではないだろうか。 奇しくも首相退陣で大騒ぎになってしまった日本。 今は自由を手にしているが、もしもその自由が奪われた時、果たして立ち上がる人はいるのだろうかと考えてしまう。 そう考えたら、関係ないと素通りしてしまってもいいのだろうか。 私たちでも、彼らのために出来ることはある。 *********************************** 今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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