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テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:邦画(か行・さ行)
監督 : 原恵一 原作 : 森絵都 脚本 : 丸尾みほ 試写会場 : よみうりホール 公式サイトはこちら。 <Story> 「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 突然現れた天使により“ぼく”の魂は、自殺してしまった少年“真”の体にホームステイすることになる。 現世に戻る再挑戦のために真として生活をはじめた“ぼく”は、やがて彼が死を選んだわけを知る。 最初は気楽なホームステイだったが、真と同じ立場で彼の生活を体験する中で、“ぼく”はこの再挑戦の本当の意味を考えはじめる。 [ 2010年8月21日公開 ] カラフル - goo 映画 <感想> 原作、また原監督の過去作品共に未見。 文芸ものをアニメに映画化というのも珍しい感じなので興味ありました。 森絵都さんは数作品読みました。 印象としては「中学受験頻出作家」なんですよね。 少年少女の成長がテーマというのが非常に多く、国語の問題によく出題されます。 なので映画化しやすいのかもしれません。 本作では、プラプラという「天使」(でいいのか?)が出てくる、 あとは死語の世界などの描写もあるため、実写よりもアニメの方がすんなりと入って来そうな気もします。 子どもたちも今はストレスにさらされ、受難の時代です。 たぶん何のストレスがなく学校生活を送っている子は皆無かと感じます。 いじめは昔からありましたが、こうも日常化していて、することされることが当たり前になると、 もう良心の呵責というものはほとんど感じないのかもしれません。 ひたすら被害者だけがその痛みを背負い、自分を透明にしていくことで痛みから逃れようとする。 それしか対処法がない。 生まれ変わるチャンスをもらった「ぼく」は、「真」の身体を借りてそれにふさわしいかのテストをする、ということですが、 真の事情を知って行くにつれ、だんだん目線が真になって行く訳です(これは当然ですが)。 そして真が生きていた世界で、真が得られなかったものを感じ取って行くことになります。 学校生活で一番みじめなのは、移動の時や休み時間、放課後に 居場所がないこと。。。 というのを子どもたちは必然的に思い知っています。 これは辛いものです。 真を通じて初めて知ったもの、それは「友達」でした。 「ぼく」は、自分の将来よりも、今を生きることを選択していきます。 それは、今が楽しくて充実していれば、おのずから将来にもつながるのではないかということを、本能的に悟ったからなのでしょう。 それほど、成長期の子にとって、友人と過ごす時間はかけがえのないものなのです。 自分の子と重ね合わせてもよくわかります。 「真」にとって、自殺を決意させるほど重要な事件ですが、 これが間髪入れずに起こってしまうのがどうも・・・ とも感じます。 ひろかはまだ心境を出すのでわかりますが、問題はもう1人の方で、 どうしてそのようなことをしたのかが明確になってなかったように感じます。 実はここが「真」が成長するにあたってのキーとなるようにも思ったんだけどね。 なんかあやふやじゃなかったかなーと。 話としてはとても納得のいくものなのですが、そのパターンに落ち着くかなということが 割とすぐわかってしまい、『サマーウォーズ』のような新鮮な驚きとはまた別のような気もします。 こちらが原作ありき、そしてシュールなので致し方ないとは思いますが。 東急大井町線近辺が舞台で、かなり細部にわたって細かく描かれていて、 二子玉川駅の再開発の、建築中のビルまでそのまま描かれているのにはびっくりしました(笑) 駅なんかも、工事中まで写真みたいで面白かったです。 等々力渓谷が涼しそうで行きたくなっちゃいますね。 他にも懐かしい玉電(乗ったことないですよ。 笑)にまつわるお話など、マニアにとってはかなりそそられそうな要素もありました。
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