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テーマ:映画館で観た映画(8355)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題: Waste Land 監督: ルーシー・ウォーカー 出演: ヴィック・ムニーズ 第23回東京国際映画祭『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』ページはこちら。 <概要> 現代芸術家ヴィック・ムニーズが故郷ブラジルに戻り、南米最大のごみ処理場で働く若者たちと出会い、彼らと新たなアートを模索してゆく。 約3年間キャメラは彼らを追った。 (TIFF公式サイトより) <感想> いよいよこの日から第23回東京国際映画祭(TIFF)が始まりました。 今年はかなり気合を入れてチケット取りまして。。。 日本未公開作品中心に鑑賞予定。 この合間に一般公開作品も鑑賞予定なので、日記書けるかなあ・・・? 笑 ぼちぼちUPしていくのでどうぞお付き合いください。 本作はTIFFの初日に行われた、naturarl TIFF部門出品作。 今年はnaturarl TIFF部門はセレクトパスにしたので、5作品鑑賞できます。 地味ではありますが、この分野はなかなか骨のある作品が多く、また日本での一般公開も少ないので、自分としては狙い目なジャンルだったりします。 これ、セレクトの段階でどうしようとも思いましたけど、スケジュールの関係で、これを 埋めないと5作品行かなくてもったいないから観ようかな? 程度の関心。 ごみ問題にもそれなりに関心はありますので、これなら行けるかな? くらいの感覚です。 ヴィック・ムニーズについて(英語ですがこれがいちばん詳しそうでした) 楽天さんでも商品がない。。。w 彼について知ったのは正直本作が初めてです。 映画の中では「異質な素材を使用してコンテンポラリー・アートの作品を作る作家」ということでした。 材料の例として挙げられていたのが、砂糖・チョコレートシロップ、などなど。 最初にその例がちょっと映っており、すごい。。。と思ったのですが。 この映画がもたらしてくれたものは、そんな言葉では表せないくらいの感覚でもありました。 ブラジルの中産下層階級の家庭に生まれたヴィック・ムニーズ。 階級社会が、外側から見るよりも締め付けがきついブラジルにおいて、中産下層階級というのはどんなものか。 彼自身の言葉を借りるならば、それは決して裕福で余裕があるものではなく、気を抜いたり運が悪ければ一気に下層階級へ転落する可能性もある、ということだろう。 では下層階級になるとどうなるのか。 先日、このblogでもラテンビート映画祭関連の日記を挙げましたが、あの中のいくつかの作品の描写にもあったように、 男は麻薬の買人、女は娼婦になるのが、最も手っ取り早く生活資金を多額に稼げる方法となる層なのかもしれない。 しかしそれは多くのトラブルや犠牲が付きまとう。 それを避ける1つの方法として、本作で取り上げているように、ごみ最終処分場において、リサイクルできる素材を現地で回収する「回収人」になる選択をする人々がいます。 ↑の動画でもあるように、本当にごみに埋もれながら、素材を人間が、その手で1つ1つ拾っている。 それを見てどう思うのか。 それは個々の人間が置かれている環境にもよるのかもしれません。 元々ヴィックは「自分のアートを見てもらうことで、一瞬でもいいから別の世界にその人を導くことができたら」という動機でアートを始めたのかもしれない。 それは決して間違いではないし、そのことを歓迎する人たちもたくさんいるだろう。 しかしながら、このプロジェクトに、回収人本人たちに参加してもらうことは、思いもよらなかった方向に彼らを導いた。 本人たちは、自分自身を過小評価する必要もないことに気がつき、自信を持つ。 そしてヴィックも、日常のありのままの姿でありながらもアートの力で変身した彼らを見て、自分が実は「上から目線」で彼らや物事を見ていたことに気がつく。 人がアートの中で変身し、実際に人生も変わっていく過程を見ている方も、意識が変化していく様子が素晴らしい。 それぞれの人生には困難は降りかかる。 それを乗り越えて、自分の足で歩いて行く彼らに素直に感動できる。 今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.30 06:57:41
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