|
テーマ:映画館で観た映画(8394)
カテゴリ:洋画(た行)
原題: Dog Sweat [ ARAGH SAGEE ] 監督: ホセイン・ケシャワルズ 出演: サラ・エスファハニ タヘレ・アザディ シャーロク・タスリミ アーマド・アクバルザデー ラヒム・ザマニ バゲル・フォルハル マルヤム・ムサウィ 第23回東京国際映画祭『ドッグ・スウェット』ページはこちら。 <概要> 現代のイランに住む6人の若者を、切迫感のあるドキュメンタリー・タッチで描写する。 既婚男性と不倫をしているフェミニスト、肉体的に親密になれる場所を求める恋人たち、見合い結婚を余儀なくされる同性愛の男性、摘発の危険にさらされる女性ポップ・シンガー、イスラム原理主義者を激しく非難し悲しみに暮れる息子。 テヘラン各地でひそかに撮影された本作は、イランの若者の生活を深く洞察する。 (TIFF公式サイトより) <感想> ぴあで東京国際映画祭のチケット買うのにカウンターに並んでた時に、 本作が「残り数席です」と言われて、反射的に購入しました(笑) 何となくテーマ的に好きそうな気がして。 イランの若者のドキュメントに近い作品ということで、どうしても『ペルシャ猫を誰も知らない』を思い起こさせる本作です。 ですが、数人のグループの個人個人を取り上げていくことにより、より自然体に近い形に仕上がっています。 例えば恋愛のシーンですが、通常、というか従来私たちが見ているイラン映画はパターン化されているのかも。。。 と、本作を見て思いました。 それというのも若者たちが割と自由にふるまっているから。 さすがに街中でカップルがカフェに男女同席ということはなかったですが、一緒に街を歩くとか、平気でナンパしてついていくとか。 へー、普通なことしてるって(笑) イラン映画と言えば従来宗教がかってたり、必ず牧歌的だったり(笑)、 子どもが出てきたり・・・ というものでしたけど、 ここではごく当たり前の、日常のことを描きたかったと監督は仰せでした。 恋愛にしても、自分の周りの人たちはもっと自由にふるまっているので、そこを描きたかったとのことです。 なのでこれまでのイラン映画と比べると格段に「若者らしさ」がある。 この映画を見ていると、割と彼らは自由にふるまっています。 もちろんイスラム教の許す範囲ではあるのですが。 役名は忘れましたが、美人の女の子(キャシーだっけ?)がラストのカットで見せてくれる 投げやりのような、それでいてふてぶてしい表情などはその最たるものです。 どうでもいい、でもなんとかなるから。 そんな、「いい子にならない」感じが自然なのです。 監督とプロデューサーはご夫妻だそうです。 この撮影はイラン国内でゲリラ的に決行されたもので、撮影できない個所や事情もあったりして、当初に計画していたものとはかなり違う方向になったかもしれないとのこと。 急遽変更になったシーンもあるが、限られた中から生まれるものもあったと仰せでした。 枠をきっちりと設けず、流動的な中で、テーマに沿った場面を考え出せることは貴重な才能のように感じる。 夫妻はNY在住ということもあり、割と自由な制作環境なのでしょうか。 劇中にはイスラム教の押し付けへの抗議シーンなども入っていて、そんなことが作れるのもこの監督ならではの持ち味なのではないかと感じる。 とにかく新鮮な感覚でイラン映画を捉える事ができそうです。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.30 04:19:31
コメント(0) | コメントを書く
[洋画(た行)] カテゴリの最新記事
|