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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題:Winter's Bone 監督/脚色:デブラ・グラニック 原作:ダニエル・ウッドレル 出演:ジェニファー・ローレンス ジョン・ホークス ケヴィン・ブレズナハン デイル・ディッキー ギャレット・ディラハント シェリル・リー ローレン・スイーツァー テイト・テイラー 第23回東京国際映画祭『ウィンターズ・ボーン』ページはこちら。 "Wineter's Bone" Official Site (英語です) <Story> 17歳のリー・ドリー(ジェニファー・ローレンス)は、自分の保釈金を確保するために持ち家を利用して何の痕跡も残さずに失踪した父親を探すことになる。 彼女は自分の家を失ってしまう可能性に直面し、オザークの森へと向かう。 そしてアウトローの親族が掲げる沈黙の掟に挑戦し、家族を救うために自らの命を危険にさらすことになる。 彼女は親族による嘘や口実、さらには脅しを耐え抜き、バラバラの情報を繋ぎ合わせて真実を知り始める。 (TIFF公式サイトより) <感想> この主役の女の子、どっかで見たことある・・・ と思ったら、 去年私がmyランクで第1位に挙げた、『あの日、欲望の大地で』の、ジェニファー・ローレンスじゃないですか! でも最初わからなかったんですよね。 あまりにも前作とイメージが違いすぎて。 役柄のせいもあるんだけど、こちらの方がすごく老けて見えるかも。 とてつもなく暗~いお話で、上映時間の9割くらいは救われない話なんで、 そこでもうギブアップする人も出るかもしれません。 ですけど、とにかく、ジェニファー・ローレンスがすごいのよ。 彼女。 とんでもなく体当たりな演技です。 痛々しいくらい。。。 ネタばれになるので、よくやったなと書くしかないです。 この若さで。 「この世の地獄」って言葉があるとするならば、たぶんこの状況もそう呼べるかもしれません。 17歳の若さで青春を謳歌することもなく、ただひたすら家のこと、明日のことを考えないといけない人生なんて、普通の人なら気が狂ってるかとっくに投げ出している。 でもこの誰も助けてくれない状況が、アメリカだったらたぶん現実にも存在するんだろうと思えるところがまたリアルで恐ろしくもある。 そしてリー・ドリーを取り巻く人たちの顔がまた恐ろしい。 何でみんなこんなに怖いの? って見てて素直にそう思ってしまうくらい。。。 雑な、歪んだ、邪悪な魂が宿る人間たちってこういう顔になるんだなと。 「ゾンビ」ってよくわからないけど、実は普通の人間のなれの果てなんじゃないかと思わせる実例みたいなキャストたち。。。(役でやってるんだろうけどね) オザーク高原という土地の持つ特性も影響しているのかもしれませんね。 どことなく原始的なものや、自然崇拝が残っていそうな風土のようです。 それゆえに地域での関係も密接になるところから、本作の悲劇も生まれています。 普通なら死んでしまいたいと思う状況でも、リー・ドリーはとても冷静で、 まるで10年早く大人になってしまったようにも見える。 もっともそうさせてしまったのは家族だけど。 弟妹は絶対に守る、家を守る、その心だけが彼女を動かします。 何も恨まず、ただひたすら淡々と。 全てを受け入れていく彼女が悲しくもあり、偉大でもある。 自分のなすべきことだけをやっていって見えてくるかすかな希望の光。 その一筋の光を頼りに、また彼女たちは立ちあがっていくんだろうなと思わせるラストでした。 ジェニファー・ローレンスの底力に感動させられます。 今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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