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rose_chocolat@ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2011.01.13
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監督: 星護

出演: 草なぎ剛 、竹内結子 、谷原章介 、吉瀬美智子 、陰山泰 、大杉漣

ワーナーマイカル全国一斉試写会にて鑑賞

公式サイトはこちら。






SF作家である、眉村卓氏の実話をもとにした作品です。
2002年に癌で亡くなった奥様に、1日1篇の小説を書く。
それを続けていたそうです。
設定は30代の夫婦ということにして、剛くん&竹内さんが演じてます。
映画館での予告のフィルムもとっても素敵でしたんで、これはもともと観る予定でした。







その2人の姿ももちろんよいのですが、
この映画での見せどころ、それは、朔太郎の作品を映画にする部分。
これは眉村作品を読まれた方ならおわかりかとは思いますが、
氏のショート・ショートの世界や文体というものを、的確に表現している映像だと思います。
突然始まって突然終わる(笑)という印象が強く、その中に時折見せる
ヒューマンテイスト、かな。
ずいぶん昔に読んだのでそんな思い出しかないのですが・・・。
しかもSFですからね。
その世界を工夫して映像化している。 ここは評価されるべき点だと思います。
特に、竹内さんの電話ですね。
あれは竹内さんの魅力とも相まって素晴らしかった。
眉村ワールド×竹内結子のコラボですね。
昔読んだ作品を読みたくなって書店に行ったんですが、今はもうほとんど絶版。 
オークションや古書店を回るしかなさそうです(涙)
でも行ってみようかな。





病気ものということは言わなくてもわかりますので、
泣きを取りに来るか・・・? と思ってたんですけど、
取りに来るというよりも、自然に泣きに引き寄せられると言った方が正確かもしれません。
大げさではなく、感情を乱す訳でもなく、あくまで淡々と、日々ショート・ショートを書くことに
専念する朔太郎。
しかしながらその動機が
「妻を笑わせて、癌細胞がなくなるくらい免疫力を高めてあげたいから」。
突然癌を宣告されてしまった節子のために、何かしてあげられることはないだろうか。
僕に何ができるだろうか。
実直な朔太郎にできるせめてものこと、それは書くことしかないのではないだろうか。



毎日1つづつオリジナルの作品を生み続けよう、そう決めても、
それをしていくことの何と困難なことだろう。
毎日自分のテンションだって違う、しかも最愛の妻の死を見透かしながら
書かなければならない辛さを、どこにしまえばいいのか。
節子も朔太郎も、もっともっと一緒にいたかったのに。
その想いを敢えて前面に出さずに、お互いが小説を通じて笑い合う日々は、
素敵だなと思います。


しかしその穏やかな表情が崩れるシーンも時折ある。
本気で相手のことを想っているんだ、という時ですよね。
普段は夢見がちで、SFのこと、空想のこと、小説のことしか考えてない朔太郎であっても、
節子がいなくなると考えたらもう、他に何もなくてもいいからとにかく
節子が助かって欲しいという気持ちしかなくなる。
それ故の彼の行動には胸を打たれます。


逆に節子は淡々としてます。
それもまた、朔太郎に余計な心労をかけまいとする彼女の心遣いなんだとは思うけどね。
自分の本心を抑えて抑えて、朔太郎じゃない人に打ち明けてみたり。
気持ちはわかるけど、夫婦でしかわかちあえないこともある訳だから・・・ って
ついつい考えてしまうんですが、
そこをベタベタにしないところが本作のいいところなのかもしれません。
(敢えて言えば、竹内さんがいささかお元気そうにみえてしまうのは
仕方ないんですかね・・・?)


1日1篇、といってもエッセイではなく小説。
だから必ずオチがある。
とは言ってもそこはやはり氏も人間であり、最愛の妻が苦しんでいるのを目の当たりにしては、
心の平静も保てないのも当然のこと。
当然、状況だって違ってきます。
最初は共に小説を読んで笑い合ってた節子が、だんだん変化していく。
ゆっくりと確実に死に向かっていく事実があります。
それは、日を追って小説の内容が変化していくことによって読み取ることが
可能である。



朔太郎が小説を書こうと思った1日目の作品と、
そして最後の1778日目の作品と。
そこに流れているドラマを、じっくりと、その余韻まで味わえる、
秀作だったと思います。





今日の評価 : ★★★★ 4/5点



 

  












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Last updated  2011.01.15 06:04:25
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