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PSE法(電気用品安全法)がいきなり発動!中古品市場は大混乱!
昨今のニュース報道で「なんだそれ?」と驚いた人も多いだろう。 私もそうである。 PSE法は旧・電気用品取締法では取り締まりが甘かった電気用品の安全性を一定レベルで保障するための法律である。 実は施行は2001年4月で、施行当時も小さく報道されるのみであった。 ところでこの法律の最大のポイントは 「PSEマークのない電気製品の製造・輸入・販売が禁止され、中古販売も禁止」 PSEマーク ということだ。 「違反した場合の罰則としては100万円以下の罰金又は1年以下の懲役」 「違反者が企業の場合、罰金は最高1億円」(経済産業省HPより) この罰則はかなり重い。 どのくらい重いかというと、チカン常習犯(迷惑防止条例)、ペット虐殺(動物愛護法)、風俗の無許可営業(風営法)などと同じなのだ。 さすがに、いきなり「PSEシールを貼っていなければ売れません」となれば、電化製品取扱店がいきなり廃業に追い込まれるので、猶予期間が設けられていた。 要は猶予期間は電化製品の種類によって5、7、10年に区分されているのだが、最初の5年猶予グループの完了が平成18年3月31日、あと4週間しかない。 しかし、この「中古品を含む」という文言は法文には無く、経産省が今年1月、某大手リサイクル業者の質問に対して回答したいきなりの解釈である! そしてその結果、我々消費者とリサイクル業者は、中古品の流通という経路をふさがれ、無用な負担を強いられようとしている。 これは、当初法案に賛成した議員も誰一人同意していないと回答している。 つまりは、まったくの経済産業省の暴走であるといえる。 中古品議論があれば、この法案は2001年に可決されることは無かっただろう。 平成18年3月31日にXデーが来る商品で私が気になったのは。 ・台所用品(冷蔵庫、レンジ、コーヒーメーカー、ジューサー) ・生活衛生品(洗濯機、乾燥器、アイロン、電気歯ブラシ、ドライヤー、ひげそり) ・電気工具(ドリル、のこぎり、ドライバー、カッター) ・冷暖房機(扇風機、エアコン、電気ストーブ、電気カーペット・毛布) ・空調機(加湿器、除湿機、空気清浄機) ・AV機器(ラジオ、ビデオ、テレビ、オーディオコンポ) ・家庭用ゲーム機(プレイステーションなど) ※パソコンは対象外だが、当然附属しているCD、DVD、また最近の機種ではテレビ機能がそれぞれオーディオ、テレビとみなされる可能性が高いとして、経産省の見解待ちの状態。 非常に身近な電化製品ばかりである。 こういった商品が安全性を保障されること自体はいい。 問題はリサイクル業界と私達消費者がPSEマークで生活に影響を受けることである。 リサイクル業者の負担についてはいうまでもない。 大混乱が予想されており、猶予期間延長を求める署名に奮闘している。 一番打撃を受けるのはやはり個人経営の小さいリサイクル店だろう。 現行のままでは、多くの店が廃業を余儀なくされることと思われる。 では、報道を通じて知らされていなかった我々消費者は? 大きく以下の3つの点で打撃を受けるだろう。 (1) 検査料が含まれるため、商品が高くなる (2) 不用品を売りたいときPSEマークのない製品は買い取ってもらえない (3) 部品だけが欲しいときのジャンク品は事実上なくなる (1)、(2)は普通の消費者にとって大問題だ。 特に(2)、PSEマークのない商品を買い取らないことをソフマップ、ハードオフなどの大手が表明している。 今後はネットオークションがリサイクル市場に変わるのだろうが、店舗独自の保障や安心は無くなる。 また、元が安価な商品は配達料が利益を相殺してしまう。 さらに、同法では「無償譲渡」のみを認めており、オークション上での売買は適法ではなく「まだ違法と決まっていない」状態。 いずれオークションにも同法の手が伸びる可能性がある。 もちろん、あまり頻繁にオークションで電化製品を売買すると「PSE法違反」に問われる。 医療用薬品や毒物劇物をオークションで販売しているのと同じだからだ。 先日(3/1)国会でも議員質問が行われた。 そもそも同法の施行には問題点が多々あり、特に中古品の取り扱いは経産省内でも爆弾とされていた。 同法を施行すれば、業界、消費者からの反発は必至。 穿った見方をすれば、官報掲載など最小限の告知にとどめ、業者や消費者が気づかないようXデーを待つ戦略だったのだろう。 そして、その戦略どおり、Xデーを前に同法を知り慌てた業界団体や消費者団体が活動を開始し、議会に助けを求めたのだ。 さすがの議員の鋭い追求に、経産省大臣はやや柔軟な姿勢を見せはじめた。 街頭での署名活動も盛んになっているが、ネットでも「シンセなど音楽機器の中古市場はこれから音楽の道を目指す人にとって不可欠な要素。PSE法には同意できない。」として坂本龍一らが署名活動を展開している。 電気用品安全法(PSE法)に対する署名のお願い 国産電化製品による事故はほとんどが使用法の誤りによるもの。 製品の安全性に問題があるわけではないこととは経産省も認めている。 それでも旧法時代の製品の販売を禁止するのは、「市場にいろいろなマークの製品が混在するのは好ましくない」(経産省)ためだという。 これは法の不備をごまかす経産省の怠慢にしか聞こえない。 中古品に関しては、ある程度は自己リスクを社会的に容認されて流通が通っている。 少なくとも「現行の」PSE法は市場も国民も無視した悪法だと私は考える。 理想的には国民総意による緩和改正が望ましいが、当面の混乱を避けるべく、署名活動に積極的に参加し、地方、国会議員には議会の場で改正を求めるよう求めたい。 「PSE法を市場・国民の双方の利益となるよう改正します」という公約を持つ議員に投票するというだけのことだが、とても大切なことだ。 「中古品販売事業者の方やAVマニアの方が困っていらっしゃるのは承知している。しかし製品が法律の対象となっている限り、ご理解いただくしかない」(経産省) 国民はここまでバカにされて、おとなしく「ご理解」したりはしないことを、デスクでしか世界を見ない官僚に知らしめる必要がありそうだ。 あわせて、中古品を含むと法的根拠も無く解釈した通産省関連職員が経済に与えた影響を考えて、しかるべく責任を追及すべきだろう。 「中古品をPSE法の対象に含む法的根拠はなにか?」と厳しく追及する日本共産党の塩川鉄也衆院議員 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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