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【正規修理は最低2万円!?パーツも入手困難】
自宅で使っている東芝ハードディスクレコーダー「東芝 VARDIA RD-E300」のトレイの調子が悪い。 「半締まり」の状態になってしまうのだ。 トレイを閉めようとすると、半閉まりのような状態になり、「ウイーン」とモーター音はするものの、トレイが完全には閉まらず、DVDが読み込めなくなった。 放っておくと、DVDが吐き出される。何度も出し入れするとたまに運良く読み込まれる。。。といった体だ。 3年以上前に買ったRD-E300は延長保証も切れている。 が、まだまだ使える高性能HDDレコーダーだ。 いちおう東芝サポートに有償修理について問い合わせてみると 「DVDドライブごと交換になります。代金は最低でも2万円、プラス出張費等で3千円がかかります」 とのことであった。 メーカーの有償修理はえてしてこういう高額なものであるが、オークションなどで中古取り引きされているRD-E300と兄弟シリーズ(RD-E301,302,304,305,305K,RD-E160)よりも高額な修理代金は当然見合わない。 それならば自己責任で修理して、もし失敗したら中古を買うか、新製品に買い換えるのが得策と考えた。 このRD-E300や後継機のRD-E301は以前はDVDドライブを市販品で換装できるが、再生に制限が発生したり、かなり上級者向けだ。 【DVDトレイが閉まらない主な原因は駆動部のグリース減り】 DVDトレイが奥まで入りきらずに途中で止まるのは、歯車やベルトが十分に噛み合っていないことが多い。 原因は「ホコリ」と「グリース減り」であることがほとんどだ。 私は過去にCDトレイの締まりが悪くなり、スプレー式のグリースで解決したことがある。 RD-E300のようなHDDレコーダーのDVDトレイは経験がないので不安はあったが、グリース補充(グリスアップ)を試してみることにした。 【まずは綿棒でギアの掃除】 これがRD-E300のトレイを開いた写真。 白い歯車やベルトが見える。 まず、歯車やベルトを細い綿棒でふき取ると、おびただしいホコリが付着していた。 もう3年以上も使っているのだから仕方がない。 本体の電源を切って、手でゆっくりとトレイを前後させながら綿棒で掃除を続けた。 アルコールやトルエンなどの有機溶剤は使わず(機材を痛める可能性があるので使わなかった)、綿棒のみで随分キレイになった。 【呉工業 グリースメイトでRD-E300をグリスアップ】 ホコリを取り除いたら、次はいよいよグリスアップだ。 こういう狭いところにはスプレー式のグリースががおすすめだ。 クレ CRC グリースメイトS 180ml バイクなどを扱う人には馴染みのスプレー式グリースだが、知らない人のために簡単に説明すると、スプレーした直後は液体でじわっと広がるが、すぐに半流動体のグリースに変わるすぐれものだ。 ただ、ストローより細いノズルからの噴射は意外に勢いがあるので注意。 新聞紙やティッシュなどに「シッ!シッ!」と短く少量スプレーする練習をして実行した方がよいだろう。 間違ってもレンズ部分などにグリースがかかったら、それこそ使用不能になる。 スプレーする場所は歯車のギザギザ部分。 量や面積はごくごく少なくて十分。スプレー式グリースは広がりがよい。 スプレーしてもトレイが上手く閉まらなかったらまた足せばよい。 【結果:DVDトレイがしっかり閉まるようになり、RD-E300復活!】 スプレー後、グリースを歯車に延ばすためRD-E300のトレイを何度か開閉させたら、いままで途中で止まっていたトレイが「カシャン!」と気持ちよく閉まるようになった。 しかも、開閉スピードが全然速い! いままでより20~30%は開閉スピードが速くなったようだ。 やはり、駆動部分のホコリが減り、グリースが補充されたことが良かったのだろう。 もちろんDVDの読み込み、書き込みともに問題なく行えた。 修理後2週間が経過しているが、なんの不具合もない。 正規サポートで2万円以上だった修理を、たった15分、600円でできたのだからこれは大きい。 グリース減りは経年劣化で、素人でも対処可能なので、他のHDDレコーダーやDVDプレーヤーで同様の問題が起きた場合にはこの方法が参考になるのではないだろうか。 【補足:KURE-556とグリースメイトの違い】 同じ呉工業の「KURE-556」に馴染みがある人は多いだろう。 だが、556はあくまで「滑りを良くする」で、グリースメイトは「歯車のかみ合わせを良くする」ので反対の道具といっていい。 間違う人は少ないと思うが、間違って556を使ってしまうと、まったく逆効果(おそらくベルトが滑って開閉ができなくなる)なので注意が必要。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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