5035463 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

DF文書の作成者に連絡して、問題を解決してください。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

ニューストピックス

バックナンバー

2024/04
2024/03
2024/02
2024/01
2023/12
2011/11/07
XML
テーマ:TPP反対(51)
カテゴリ:ニュース
TPP推進派の人はアメリカに幻想を持っているか、日米関係におけるアメリカの弱みが見えていないか、オバマが追いつめられているのを知らないか、いずれか(最悪その全部)なのだろう。

前回、「メリットもろくにないTPPに今さら参加って・・・アメリカ舐めてるのか?」という趣旨の記事を書いた。

衰えたとはいえ、大国アメリカを舐めてはいけない。

その上で、日本はクレバーな外交をしましょうというお話のつづき。


●中野剛志も三橋貴明も言わない?「アメリカの日本経済強制介入」

中野剛志三橋貴明
この2人は、TPP反対派の中でも分かりやすさと親しみやすさで、知名度の高い宮崎哲弥対TPP3枚ストッパー(私が勝手にそう呼んでいる)を形成している。

実際、この3人がしゃべると、「TPPなんとなく推進派」がガラリと反対派に変わってしまうインパクトがあるのだ。

3人とも「日本は内需9割の国」「すでに関税は世界一低い」「現地生産してるから関税撤廃しても効果がない」と言う。

これは純然たる事実なので、TPP推進派の識者(あの池田信夫すら)も全く異を唱えない。

農業問題だけに焦点が当たっていた1ヶ月前ならともかく、3枚ストッパーらTPP反対派がテレビや雑誌でTPPの問題を指摘しまくったので、まともなTPP推進論者(この状況でTPP推進論を唱える人が正気だとは思えないが・・・)「輸出増大がTPPの真のメリットではない!」とまで言うようになった。

では、最初「日本の輸出増!」と高らかに言っていた彼らが今なんと言っているのか?
「平成の開国だ!」と言っているのだ。

要するに、停滞する日本を救うのは構造改革(=市場原理主義の徹底)だから、国内で進展がみられない以上、外圧=TPPに期待するほか無い!

・・・とか言いたいようだ。

彼らは病人に「とにかく体に変化が起こるのは確か」という理由だけで、薬とも毒とも分からない怪しい粉をのませるのだろうか・・・?


このように、一部の政治家や新聞同様、彼らTPP推進論者の対アメリカ観は非常に甘い。

日本は過去に何度もアメリカによって経済のベクトルを強制転換させられているのだ。

顕著な一例は3枚ストッパーが言っている「日本は内需大国」だ。

実は、80年代後半を境に、日本が急激に輸出大国から内需大国になったのは、アメリカの要求によるものだ。

TPPの問題追求に忙しい3枚ストッパーはこのあたりを詳しく言わないので(少なくとも私は聞いたことがない)、素人の私が説明すると


80年代、アメリカ市場は質と安さを兼ね揃えた「メイド・イン・ジャパン」に完全に圧倒されていた。

逆に、成長途上の日本はまだ購買力ベースで見るとアメリカの数分の1に過ぎなかったため、アメリカからの対日輸出は増えない。

対日貿易赤字は膨らみつづけ、時のレーガン大統領はアメリカ建国以来の窮地に立たされていた。

そこで、アメリカは日本に対して2つの強固な要求を突きつけた。

1つは有名な「プラザ合意(1985)」
要するに円高ドル安を強要して、日本製品の輸入をブロックする。

もう1つは「日米構造協議(1989~)」(現在の「年次改革要望書」の前身)による日本への圧力提言。

レーガンはこの中で日本の内需拡大要求を要求してきた

レーガンが内需拡大を要求した意図はこうだ。

・日本がその旺盛な生産力を国内に向ければ、アメリカへの輸出は減る。
・さらに、日本国民の購買力が上がりアメリカ製品を購入してくれる。

時の中曽根内閣、竹下蔵相はこの「アメリカによるアメリカのための」要求を受け入れた。

結果、日本では急激な内需転換が過剰内需(=資産インフレ・・・つまりバブル)を招いた。その結果、バブル崩壊を引き起こし、今日まで続く「失われた20年」に至る。


現在の日本のカタチの大枠ははアメリカ・レーガン大統領の要求によって作られた。

このことはしっかり覚えておくべきだ。



●TPP推進の市場原理主義者にオバマ大統領は失笑

さて、急進的なTPP推進派には、竹中平三をはじめ、池田信夫、辛坊治郎など、宗教的な市場原理主義者が多い。

「宗教的な」とわざわざ付けたのは、分別のある市場原理主義者とは異なるからだ。

経世済民、すなわち「経済」

まっとうな経済学者とは、民の幸福を第一に考える人である。

ゆえに、市場原理主義者であっても、まともな経済学者は「だが、TPPは日本国民のためにならない」としてTPP反対の立場を取っている。

(もともと、前述の3枚ストッパーも「市場原理主義が適する状況には自由貿易や構造改革を行うべきだが、今はその状況ではとてもない」という立場)

さて、宗教的な市場原理主義者は、彼らが「平成の黒船」と歓迎するオバマ大統領から痛烈なダメ出しを受けていることに気付いているだろうか?


オバマは「市場原理主義の見張り番」である。

アメリカの双子の赤字→サブプライム→リーマン→世界同時不況は、市場原理主義(というよりほとんど放任経済だったが・・)に基づく、ウォール街の独善的資本主義が生み出した。

市場原理主義の申し子だったリーマンは破たんし、AIGやGMは倒産寸前まで行った。

オバマはこの渦中で、「我々は立ち直れる!Yes We Can!」と宣言し、大統領に就任した。

彼の使命はウオール街をはじめとした過剰な市場原理主義の取り締まりであり、弱体化したアメリカ経済の建て直しである。

必然、その手法は行き過ぎた市場原理主義の見直しであり、保護主義的な手法であった。

オバマはウオール街を規制し、倒産寸前の大企業の支援を打ち出した。

「命の値段も市場に委ねよ」という保険会社の圧力に屈せず、アメリカ史上初の医療保険制度改革に成功した。

アメリカの世論調査では過半数が「オバマは社会主義者」と考えているという。

オバマが米韓FTAを成立させたことを市場原理主義者は持ち上げるが、それは市場原理主義者が大好きな「完全な自由貿易」とは全く異なる「制限しまくりの不自由貿易」なのが実態だ。


市場原理主義がTPPを声高に叫ぶほど、オバマの失笑を誘っていることを自覚した方がいい。


●「とりあえず協議だけでも」・・・は日米関係を破壊する

前原誠司は面白い政治家だと思う。

間が抜けているのだ。

どういうことか?冷静になって見てみよう。

前原は「まず協議に参加することが大事」という。

これは一見正しいように聞こえる。

だが、アメリカ+その他国のTPP交渉は完全非公開の上、現在進行形で、途中参加したところで、日本の新しい提案を受け入れる余地は少ない。

TPP交渉の手続き上、日本が会議のテーブルに付く頃には大勢が決している。

反対派にそれを指摘されると、今度は「もし、日本にとって不利なら離脱すればいいだけのこと」と言い放った。

実際、KY前原がTPP全権大使なら、交渉を離脱しかねない(・・・と私は思う)

だが、TPPがなぜ「完全非公開」で議論されているか?

なぜ、アメリカは「あくまで日本の自主的な参加」を求めているか?

この点について、前原は明らかに思慮を欠いている。


実際、アメリカのワイゼル首席交渉官に「真剣に妥結に向かう意志がない国の参加は望んでいない」とまで言われてしまった。

つまり、ワイゼルは「今から協議に入るということは、TPP参加が前提だ!」と明確に言ったのだ。

前原、仙谷ら、民主党の推進論者が言う「途中退場は可能」をアメリカに「認めない」とここまではっきり言われて、なぜ「もしダメなら・・」と言えるのか??正直理解に苦しむ。

協議して、途中退場というこじれ方なら、普天間問題以上の日米関係悪化は免れない。



はっきり言って、野田首相をはじめTPPを推進している政治家はいったい何をしたいのか?さっぱり分からない


だが、一つだけ確実に言えるのは
今後の日米関係にとって「途中で脱退」より「最初から参加しない」の方が確実に良いということだ。


●TPPに参加しなくても、まったく大丈夫なワケ

アメリカを舐めるな!と言ったが、過度に恐れることもないと思う。

日米関係というと、日本が安保で守られている立場から、とかくアメリカを恐れる傾向がある。

だが、日米関係ではアメリカも日本の顔色を窺っているのだ。

そこは強調しておきたい。


米韓FTAの凄まじさには、アメリカのタイムスやニューズウィークですら、大きな記事にするのをためらった。

「韓国から雇用をむしり取ってきたぞ!」と声高らかなのはオバマ大統領だけのようだ。

支持率急落、時期大統領選は敗色濃厚・・・オバマ政権はそれほど焦っている。

だが、決して「日本よTPPに参加しろ!」などと、かつてのレーガンの様な要求はしない。


いや、したくてもできないのだ。


アメリカは同盟国・日本以外にアジアとの強いパイプが無い。

(もう一つの同盟国・韓国はパイプにするには影響力が無さ過ぎる)


日本には、アメリカではなく、インド、インドネシア、ベトナム、タイといった15億アジアと手を結ぶという手段がある。

(実際、自民党政権時代から、対アジアのFTAやEPAは活発化している)

アジア諸国はアメリカを・・・白人を信頼しない。

植民地支配によって、白人から徹底した搾取と暴虐を受けたからだ。


一方、日本に対しては「はじめて白人を倒したアジアの雄」「誠実で信頼できる国」「ODAで多大な貢献をしてきた」「現在も依然として強い経済を持つ」と見ている。

つまり、日本が「アメリカ抜き」でアジア諸国と経済提携し、巨大なブロック経済を作る可能性をアメリカは警戒しているのだ。

さらにアメリカにとって最悪のシナリオがある。

「中国」と日本が手を結ぶことだ。

実際、中国共産党(中共)は、国内矛盾を反日政策だけで支えきれなくなり、不細工な経済政策の矛盾が崩壊する前に、日本との経済提携を模索している。

一方で、アメリカが日本をTPPに巻き込もうとしているのを、中国は「対中包囲網を作るつもりだ!」と強く警戒している。

だが、今、勢いに勝る中国を刺激するのはアメリカにとって非常にまずい。

TPPに強引に日本を巻き込むのは、中国に対する挑発に等しい。

そういった対中配慮もあって、アメリカは「日本はTPPに参加しろ!」と強要できないのだ。


このように、図らずも中国の脅威、東南アジア諸国の台頭によって、日本は思わぬ強力な対米外交カードを手にして「しまって」いる。

これが、「外交」「グローバル」ということだ。


●それでもアメリカが怖い人に

さて、それでもTPPを結ばないと、オバマが怒って日本を酷い目に遭わせるのではないか?と怖れている人にはこう言いたい。


まぁ、落ち着け。
オバマ民主党は次の大統領戦で敗色濃厚だ。
まず、共和党の候補に負けるだろう。

大統領が代わればアメリカはまたリセットされる。
アメリカと日本は、そこからまた上手くやってゆけばいい。

大丈夫。
我々国民が正しい政治家を選ぶ限りは・・・







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011/11/10 12:11:40 AM
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.