今回のロシア遠征は、私にとって大変思い出に残り、そして多くの感銘を受けた。特に、ヤクーニン師範が10年を掛けてロシア空手連盟を創りあげた事。
(ロシアには、ロシア政府が認める二つの大きな武道の団体がある。一つはロシア武道連盟である。この武道連盟の中に空手協会があり、いくつもの極真のグループが入っている。武道連盟の会長は国会議員で、プーチン大統領の補佐官もやっている。
もう一つがロシア空手連盟で、会長がヤクーニン師範である。この二つの組織が、ロシアスポーツ省に登録されているロシア政府公認の武道団体である。これを創設するのには、数多くの高いハードルがあり、それらを全てクリアしないと、とても創り上げる事は出来ない。ロシアには83の州があり、43以上の州に勢力がなければいけない。ヤクーニン師範の道場は、53の州に勢力が及んでいる。更に、多くの州知事や市長、国会議員、そして著名な実業家なども、空手連盟に加盟している。ロシアの国民的英雄の宇宙飛行士ドミトリー氏も、ヤクーニン師範の弟子である)
そしてもう一つは、ヤクーニン師範の別荘の道場に、私が8年位前にソチの合宿の時に書いた『一期一会』の色紙が、非常に丁寧に額に入れられて、飾ってあった事。私の拙い字に、私の精一杯の心がこもっていた。そして、ヤクーニン師範と私の数多くの写真。道場の真中には、大山総裁の写真。この時の感動は、私の一生の宝物である。
帰国したら、私の体と心に1本の強い鉄線が入った様な感じを覚えた。
ヤクーニン師範(左)、宇宙飛行士のドミトリー氏(中央)と
注)ヤクーニン師範の道場は、全ロシア83州の内53州に250以上の道場があります。今回の合宿も、各道場からの参加者は5名以内と制限されており、希望者を全て受け入れたら数千人規模の物にはなったとの事です。