|
カテゴリ:坂田 博昭
先週の続き。シドニーから電車で2時間ぐらい離れたペンリスという町の競馬場に来ました。 ペンリスの夕暮れの風景。レース開始も間近です。 この競馬場で行われているのが、オーストラリアで盛んなハーネスと呼ばれる馬車レース。ハーネスの競馬場もオーストラリア全土に無数にあって、毎日各州のどこかでレースが行われています。 走るのは、こんな感じ。馬につながれた馬車に乗ったジョッキーが馬を操り、ゴールを目指します。馬車と言っても、車輪とジョッキーが座る部分があるだけの、本当に簡単なものですね。 馬の前後の脚がブルーの線で結ばれているのが見えるでしょうか。 レース風景。 この競馬場は1週800mあまりのコースを、条件によって2周半から3周半します。コーナーがとても小回りで、そこをこのよう馬車が群れをなして覇を競います。走ってこちらに迫ってくる様は迫力十分。 ただ小回りコースで馬車の幅がありますから、外を回って追い上げるのにはかなり脚を使うことになります。かといって馬群の内にいると、捌く隙間が出来なかった場合が最悪。基本的には先行できる馬がやはり有利と言えるレース形態です。 そうなると、重要なのはやはりスタート…ということになりますが、ハーネスレースのスタートは、ちょっと変わった形になっています。 この車が、ハーネスレースには欠かせません。何だかかっちょいい車じゃありませんか? 車の上に据え付けられた羽のようなものが大きく開くと、こんな感じ。 こんな風に羽を広げた車が動き出すと、レース開始です。 羽を広げて動くスターターの後ろを、馬たちが隊列を作りながら追いかけていきます。各馬のグリッドは枠番と同じような形で決まっていまして、この競馬場では一列6頭で最大前後2列の隊形。 これがスタートの瞬間。羽をたたみながらスターターが一気にスピードを上げて退避します。一気に隊列が崩れ、各馬がポジションを争うわけです。 まさに動きながらスタートするので、「モバイルスタート」と呼ばれる形式です。 オーストラリアのハーネスではこのほかにも、スタート地点に集まった馬たちが「よーいドン」で走り始める「スタンディングスタート」という形式もありますが、レースとしてはモバイルスタートのレースが多くなっています。 このようなやり方ですから、前列の内側の馬が断然有利。あとは前列にいるより、後列の内側の馬が有利です。外側の「枠番」の馬は、やはりどうしても最初のうち外を周りながらポジションを取らなければなりませんから、距離損がありますね。その代わり、内は必ずごちゃつきますから、力がある馬なら「外目の好位」から抜け出すというのがやはり王道。テンに行けない馬は、タイミング良くまくって距離損しないように一気に前をつぶす必要がありそうです。 ゴール前の攻防。直線も短いですし、イン突きとか絶対出来ませんから、最後の1週に入ったところでいいポジションにいて勢いのある馬が、最後の力を振り絞って勝利を目指すことになります。 この日のメインレースの写真撮影の風景。 久しぶりにハーネスレースを楽しみましたが、予想に慣れてくると本当にハマるほど面白いのがこれ。オーストラリアまで行って平地の競馬だけ見てくるのでは勿体ないぐらいです。
次回は、このペンリスの競馬場に併設されている「クラブ」という施設についてお知らせしたいと思っています。日本でもこういうことが出来ないか?というヒントになればと思っています。写真も含めてご紹介しますので、ご注目下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月20日 01時42分54秒
[坂田 博昭] カテゴリの最新記事
|