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カテゴリ:古谷 剛彦
19日はJRA最初のG1、フェブラリーSが行われましたが、テスタマッタがJDD以来のG1制覇を成し遂げました。引っ掛かる気性がネックで、JDD後も昨年のマーチSを制したのみと、勝ち切れない競馬が多かった訳ですが、岩田騎手の見事な騎乗で優勝へと導きました。
トランセンドは芝スタートだとどうしても行きっ振りが悪く、しかもいつも以上に追っつけ通しだったことから、直線はズルズル後退してしまいました。南部杯ではあれでも根性を見せて差し切っていますが、あの時は上がり3Fのそれぞれのラップが 11秒5-12秒4-13秒1 と最後はかなり時計が掛かっていたのに対し、今回は 12秒4-12秒0-12秒3 とほぼ均等にまとまった上がり3Fとなっていました。前半、あれだけ追走に苦労していたことを考えると、道中は息を入れることができなかった訳ですから、このレースの上がりタイムの中で好走するというのは、さすがのトランセンドでも無理だったということでしょう。 以前、奥村さんと会話していた中で 「騎手に聞くと、直線1000mでもどこかで息を入れないと最後に脚を使ってくれないんですって」 という言葉を思い出します。トランセンドは1800mや2000mでも実績のある馬ですから、スタミナはあるし、そうなるとあれだけ追っつけ通しで進んでも何とか持たせてくれるのでは、と感じる方もいるかと思います。 ただ、マイルの忙しい流れでは、今回のレース振りを見ても分かる通り、前半はなかなか前に進んでくれませんし、本来より距離も短縮されていますから息を入れるタイミングもなかったことで、最後に踏ん張れる脚がなかったということになります。 昨年のフェブラリーSは、先行勢がいなかったことで前半3Fは35秒7と、例年より1秒近く遅い流れだったので割とスンナリハナへ行くことができましたが、エスポワールシチーなど強力先行馬が揃った今回はそうはいきませんでした。いかに道中のレース運びが大事か、ということを改めて感じたレースだったと思います。 さて、昨日は中途半端に気温が上がったので、ベチャ雪でしかも夕方から吹雪。飛行機も飛ぶのか心配でしたが、最終便だったのを午後6時の便に振り替え、早めに東京に戻って来れました。その後の便は、大幅に到着時刻が変更されていましたし、早めに帰ってきたのは正解だったかと思いました。 昨日はそれなりに暖かかったんですが、今週は風が非常に強く、ものすごく寒い日が続きました。今週にもし奥村さんが来ていたら、本当に冬の北海道が嫌いになっていたんじゃないかと思います。その様子は、3月に入ってからの「グリーンチャンネル日高支局定期便」のリポートでお分かり頂けると思います。 さて、今週は20日が静内地区のJBBA静内種馬場、アロースタッド、レックススタッドの3つ。21日は新冠地区のビッグレッドファームと優駿スタリオンステーション。そして22日は浦河のイーストスタッドで種牡馬展示会が行われました。地方競馬に馴染みのある馬たちでは… (アジュディミツオー、アロースタッド) (カネヒキリ、優駿SS) (オオエライジンの父キングヘイロー、優駿SS) (地方競馬のトップサイヤー・サウスヴィグラス、アロースタッド) (高知競馬で12戦12勝のサクラゼウス、レックススタッド) (サンライズバッカス、レックスタッド) (トーホウエンペラー、アロースタッド) (ネイティヴハート、イーストスタッド) (パーソナルラッシュ、アロースタッド) (バンブーエール、イーストスタッド) 地方競馬の実績だけでは、種牡馬入りしたとしても繁殖を集めるのに苦労することは明らかですが、カネヒキリは昨年168頭と種付けし、今年もすでに満口という人気振り。社台SSのヴァーミリアンも、昨年は新種牡馬としては最多の216頭と交配し、こちらも今年は満口になったということで、血統背景と馬体の良さが人気を集めている要因と言えます。 また、サウスヴィグラスも日高の人気種牡馬として完全に定着しました。エンドスウィープ系はアドマイヤムーンが初年度産駒が活躍し、プリサイスエンドもダートでの安定感が抜群という点から生産者も信頼している点が多いと思います。 ダート競馬が整備され、ダートグレードの実績が以前より信頼できる数字でもあり、それが産駒に遺伝しているのかな、とも思いますし、頭数が多ければそれだけチャンスも与えられるという点からも、カネヒキリやヴァーミリアンの産駒の走りは今から楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月24日 09時01分16秒
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